雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

今年1番の期待の映画「武曲」 堕落しきった綾野剛の破滅的な美しさ!

ずっと待っていた作品は、間違いなく綾野剛の代表作になるでしょう

昨年の『怒り』公開時にあちこちで目にしていた綾野剛君のむさい長髪と髭面。その時から、ずっとずっと見たいと期待していた『武曲』の初日公開を地元の映画館で見てきました。今のストレートヘアの剛君のビジュアルは史上最強に好きなので、生の舞台挨拶見たかったなあ・・・(涙)。


それでも映画自体を静かに堪能できる喜びもなかなかのものです。私同様、一人で見に来ている年代の高めの観客が多かったです。ストーリーは、「剣を通して対峙する二人の若き男の物語」と「愛し憎んでいた父親を自分の手で廃人にしてしまった男の苦悩」という大きな柱があり、そこから見事にブレません。現代版サムライのお話とも言えますし、父への愛に飢えて彷徨う男の物語でもあり。


まずはこの映画、幼少期から父親の厳しい稽古を受ける矢田部研吾(綾野剛)の回想シーンから始まります。どこか郷愁をそそるような古びた映像の中で、コーチ時代の研吾が登場し、”事件”もすぐに起こります。その後、ライブハウスでラップを歌うイマドキの高校生・羽田融村上虹郎にシフトして、柄本明さん演じる禅寺の住職による導きで、二人の因縁の関係が始まるという内容。


すごくシンプルだけど、ずっと苦しみを抱え、すべてから逃げ続ける研吾の魂が救えなさすぎて、目が全く離せない状態です。酔いどれ、足もふらつきロレツもまわらず、視点も合わないような不気味すぎる研吾が、どうしようもないのに愛おしく、哀しく、時に美しくすら見えることに驚きがありました。絶対そばにいたら嫌だろう、ってタイプ(笑)なんですけど、こんなに感情移入できる役どころは綾野剛の作品の中でも初めてかもしれません。


剛君が「演じる」ということにストイックすぎる体質なのは折り込み済ですが、役柄として本当に心に迫ってくるのは、まっすぐ生きたいのに生きられない、そういう不器用な男を演じた時が1番かもしれませんね。『そこのみて光輝く』の達夫役もかなり魅力的でしたが、研吾は一層ダメダメすぎて辛すぎる男なのに、こんな痛ましく美しい男は初めて見た、という感動がありました。


父親ゆずりのピュアな眼差しを持つ、虹郎君にも目が引き付けられましたね。精神統一して木刀を振る姿は、まさに神々しい「美少年」ぶり。若かりし頃の研吾はきっと融のようなまっすぐな視線を持って剣の道に邁進していたのだろうな、と思います。それにしても、二人とも剣道初心者とは思えないほどの達人ぶりで、この映画1本に賭けるエネルギーのほとばしりがすごかった。


2017年の綾野剛は、この作品1本で完了、でも後悔なしの満足度です。漫画原作の『亜人』や二宮君と共演の料理映画もありますが、それは見るとしてもオマケみたいなもの。どんなに有名&人気俳優になっても、『武曲』みたいな地に足が付いた、泥臭い映画は年に1本くらい演じて欲しいです。日本映画ファンとしても至福の1本でした。


電波ジャックして、愛想の良さを振りまいてる綾野剛も可愛くて好きですけど、どこか演出がかって見えることもあるんですよね。(もちろん本性は出せないわけですし。)でも、やっぱり役者としてどれだけ自分に向き合って魂を震わせているか、って作品が出てきて初めて分かります。本当に今回は、「誰だ、オマエ!」というくらい、お初にお目にかかる綾野剛でした。


それにしても言葉に言い尽くせないくらい、すごい、すごすぎて怖いです。こんな演技しちゃったら、もう他にどんな演技があるわけ?と不安になるくらい、超怪物ぶりの剛君でした。


武曲 (文春文庫)

武曲 (文春文庫)

原作本、読みたいですね。

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6/3 「ダブルミンツ」も早く見たい!

『武曲』と同日にもう1本の話題作が公開されました。BL界の巨匠、中村明日美子さん原作『ダブルミンツ』の実写化。漫画実写の映画は基本的に嫌いな私ですが、BLはその範疇外。あまり原作を知らない上に、物珍しさもありますし、中村さんみたいなかなり個性的な作家の作品がどうなるか、とても気になります。


この映画で最も気になっているのは、淵上泰史さん。安達祐実ちゃんの花魁映画『花宵道中』で相手役を演じておりましたが、そこで見せてくれた匂い立つような男らしさに惚れました。ちょっと陰を背負ってそうな存在感にも味があって、またぞろ30代中盤の色香を発散しています。


相手役の田中俊介さんは、名古屋発男性アイドル・ボイメン(BOYS AND MAN)のメンバーだとか。ちょっとしかしらないグループで、「役者じゃなくアイドルか・・・汗」と最初は失望もあったのですが、実は俳優活動にも力を入れている方らしく、予告映像でもなかなかの迫力。


高校生時代の回想シーンには、名子役の須賀健太君も出てくるとのことなので、もういろいろと楽しみで仕方ありません。ながらくBL映画を楽しんできましたが、いよいよ第二章スタートというか、物珍しさを超えて、変わった毛色の作品が出てくる時代になったんだなあ、という感慨もあり。


目下、東北での上映が決まってないので、いつ見られるかドキドキですけど、この映画だけは絶対見逃さないつもり(力説)です。

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妻夫木聡 台湾「愚行録」記者会見

偶然ですが、妻夫木君が台湾で「愚行録」公開の記者会見を開いた、というニュースを知り、現地記事と映像を見ました。映画自体は未見(TV放映待ち)ですが、インタビューにちょっと面白いネタがあったので書いておきます。それは今後、演じてみたい役柄について、という質問。


そろそろ自分の年代では子供を持っている人が多いので、「子持ち(特に女の子)の父親役」という発言の他に、映画「ブロークバック・マウンテン」が好きでゲイ役をやりたい、ということも話していたようです。昨年は『怒り』という映画でゲイ役を演じたが、「まるまる1本しっかりとゲイ同志の恋愛映画を演じてみたい。」と答えていました。


その話は、相方の(笑)綾野剛君とも撮影期間中話していたそうなので、やっぱりまだその想いは消えてないんだ、うわあすごい期待!と喜びました。ただ、そうなると早めにトライしてもらわないとちょっと年代的にも厳しくなってゆくでしょうし、相手役に綾野君以上のキャストはないだろうなあ、という現実問題が壁となっているんですよね。


本人はともかく事務所的にまたそれをやらせるか、というのもありますし、よほど脚本が良くないと実現は困難かもしれません。まあ、それなら舞台という手もありますし、若いツバメを可愛がるオジサン役でもいいし(笑)、アングラでもいいから、また私は妻夫木君の華麗なゲイ役を見たいんですけど。


それにしても、彼って感性的にはバイセクシャルに近いのかな(ファンの皆様、すいません)。あまり女性とのラブストーリーで魅力の出るタイプの男優でもないですし(失礼)、男気はあるけれどちょっとフェミニンな色気も同居していて不思議なタイプな役者です。ああ本当につくづく結婚したのが惜しい・・・。

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結構、綾野尽くしの日々

岩井俊二作「リップヴァンウィンクルの花嫁」

週末は、WOWOWで放送された「リップヴァンウィンクルの花嫁」を見て、とても岩井俊二な(笑)気分に浸っておりました。まあ、岩井さんがもてはやされた時代を知ってる、というだけで岩井ストでもなんでもなく(「Love Letter」くらいしか見たことがないくらい)あの残酷なほどな透明感や映像美はさすが・・・と唸りました。


黒木華さん演じる七海がまさに「自分がなく、人に流される女」をとてもリアルに演じていて、かなりイライラさせられました。どっかで会ったことがあるような既視感に襲われた、天衣無縫な真白役をあのCoccoが演じていたのも驚きでした。でもこのワケあり女性2人の”束の間の楽しいヒトトキ”がこの映画の一番の見せ場だったです。


綾野君演じる安室は、七海にとって敵か味方か白黒つけにくい、怪しい人物。「何でも屋」を職業にし、お金のためならどんなあくどいことにも手を染める、ちょっとヤバい人。それでも、時折、正義の味方のごとく七海の元に駆けつけたり、(どうやら100%悪人というわけでもないようで)屈折した人間であることがプンプンしている。


こういうクセのある役は、分かりやすいイケメンだとあまり印象には残らないけれど、綾野君の”持ち味”を最大限に生かした役なんではないかな~。要所要所で”七海と物語”をあらぬ方向へ転がしていく狂言回しのような役目で、シニカルで何を考えているか得体の知れない人物・安室。でも、これまたこういう人っていそうだわ、と思わされてしまわなくもない。


岩井俊二さんの映画って映像重視なのは確かだと思いますが、この映画では「病んだ寂しい心」を持った人ばかりが出てきて、なんか胸の奥底がじんわりと重くなる感じでした。披露宴アルバイトで出会った”疑似家族”のところが唯一、救われたシーンかも。こういうちょっとした縁で、集まって楽しむ、ってこと結構してきたことがあるので、それを思い出してとても懐かしかったです。


最近のWOWOWは、綾野ファンにとても美味しいサービスが多いです。レンタル行かなくても、最近作のみならず、過去の作品もどんどん流してくれて、成宮君の引退事件の直前には「太陽2068」も放送してくれましたし。加入して20年近くなりますが、今一番有効活用していますね(笑)。


そうそう長らく録画のまま放置していた「ガッチャマン」も見たのですが、意外と綾野君の見せ場があって面白かったです。クールなタイプなのに、内面は恋人を殺された激しい怒りにメラメラと燃えていて、任務を帆織り出して自ら危ない橋を渡ってしまう、というところが見ていて面白かったです。ただ、子供の頃、大好きだったアニメ「ガッチャマン」とはかけ離れた世界観なのが一番の悲劇ではありました。

大丈夫かな~、「フランケンシュタインの恋」


「フランケン~」5話を結構楽しんで、日曜夜は安眠したのですが、すぐに視聴率6.0%の判定にうわあ~となる。最近、視聴率が出る速度が速いですね。昔は1週間後のTV誌で、とか放映後中2日は待った気がするのに、わざわざ半日で出さずとも・・・(-_-;)。いや、5話は結構楽しかったんですよ、研さん憧れの雨宮と初デート(!)のウキウキもあり、大事件はないけど大工チームのそれなりに見どころもあり。


うーん、ただこのドラマ、芯がブレブレなのはちょっと痛いところ。メインのラブストーリーが弱すぎて、周りでバタバタ人が動いて小さなエピソードを回している感じなのが残念。研さんの”一途な恋心”に、継実は初めから「恋」を醸し出している。できれば、ラブストーリーとして王道の「怪物と重病の娘の叶わぬ恋」を盛り立てて欲しいところなんですが、なんかあっちこっちに飛びまくっていて落ち着きがないわけで。


”座長”として、ドラマの視聴率も当然重視する綾野君にも気の毒な気がするし、日テレ関係者も青ざめていることだろうなあ、と思うとちょっと胸が痛いです。。。またしばらく次のドラマはないかな・・・なんて。まあ、映画もドラマも企画や脚本をちゃんと練るような体制が今欠けている、ということだけは確実ですね。


せっかく森のセットとか、現実離れした世界観とか、演技達者なベテランもいるわけだから、もうちょっと腰を据えてじっくりやってくれたらいいのに。それから、柳楽君の稲庭先輩も、なんか掴みきれないキャラクターなのがどうなんだろう。力まないせいで台詞が若干棒読みに感じられるところもあるし、顔が濃いのにキャラが立ってないのはどうよ!と思います。


そうこう言いながら、ストーリーはともかく研さんのラブリーさだけで楽しく見られる、というドラマではあります(笑)。綾野君、切れ長の目がフランケンの時は、すごい”垂れ目”に見えます。また独特の表情筋を最大限に使った演技なのかもしれませんね。


6/3からは「武曲」公開。今年一番期待している映画です。「その夜の侍」みたいな映画という噂もチラッと聞いて大丈夫か?と思うこともありますが、ムサイ剛君が楽しみでなりません。


いくつになっても、岩井さんは女性に”何か特別な理想”を持っている監督なんだろうな、と思ってしまうフェミニンなムードの映画でした。そこに登場する綾野君も、グレーゾーンな色気(男くささはない)に覆われていて、とても印象的。


実写版「デビルマン」よりかはまだ見られる作品です。成長期の濱田龍臣君も可愛かったし、主役の松坂桃李君がちゃんと真ん中を務めあげていて感心。