雅・処

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映画「里見八犬伝」の魅力 荒唐無稽で楽しく、時代物の魅力も詰まった作品

角川映画の黄金時代(?)に製作された『里見八犬伝』(鎌田敏夫原作、1983年作)は、今でも大好きな作品です。もともと江戸時代に滝沢馬琴が書いた長編小説「南総里見八犬伝」がモチーフです。


この作品は、コミック、アニメ、抜粋小説、アレンジ小説、芝居とそれなりに何度も出会っているのですが、さすがに原本を読むにはまだ至ってません。かなり大量な登場人物、とびっきり荒唐無稽のストーリー展開らしいということと、さすがに完全現代語訳は発売されていないような・・・?(全集にはあるのかな)ということで。


映画のほうは、真田広之さんが演じた親兵衛を幼児ではなく、大人にしているところが大きく変化しているところだと思います。そして薬師丸ひろ子ちゃん演じる静姫との恋愛シーンが盛り込まれて、ちょっと青春している(笑)のもご愛嬌。しかし、敵味方も含め、あらゆる境遇の八犬士がそれぞれに光る”珠”に導かれ集まりくるというこの設定がものすごく好きですね。


私は日本の戦国史も好きなのですが、主従関係やらタイプの違う者達が運命を共有する、という物語展開が異常に好きで(笑)、そういう意味ではこの八犬士の設定はそれだけでヒジョーにツボです。


更に、映画の登場人物は当時なかなかに興味深いメンツが揃ってました。中でも敵役の一味にいた、蛇使いの妖人・萩原流行さんと犬塚志乃役の京本政樹さんはこの作品で一躍、脚光を浴びました。私も映画で見た時にこの二人がとにかくとても気になりました。京本さんに至っては、俄かファンになっていたくらい、志乃役は衝撃的に美しかった!ですね。その後、必殺シリーズに”組紐屋の竜”をやる頃にはちょっとナルシストぶりが凄くなってたけれども八犬伝の頃は、まだ多少青っぽさが残ってて非常に魅力的でした。


流行さんのほうは、毛野役の志保美悦子さん*1との不気味でねちっこい(笑)ラブシーンがゾクゾクしちゃって忘れられません。時間の関係か、それとも屏風の前で蛇で絡み合う、という奇抜すぎるシーンがいただけなかったのか、テレビ放映でカットされたときは泣きました。他にも夏木マリさんや目黒祐樹さんなど、敵役達の濃さが思わぬ魅力を醸し出していたと思います。また、ジョン・オバニオンの主題歌&挿入歌が猛烈にカッコ良くて、レコードを買ってしまったほどです。


もちろん映画自体は、20年も前になるのでSFXと言っても今見るとちゃちいんですけど*2ただ、壮大さを目指していたのは分かりますし、何と言っても物語が面白いので最後までワクワクドキドキして見ていました。日本映画のめざすSFファンタジーモノっていうのは本当はこの路線じゃないかな、と思ったりもします。


2003年にはこの大好きな鎌田版「里見八犬伝」が宝塚で復活!嬉しくて見に行ってしまいましたが、映画をなぞったような作品だったのがちょっと惜しかったです。但し、180cmはあると思われる基藤役の悠未ひろちゃん*3と玉梓役の貴柳みどりさんが、映画に勝るとも劣らぬほどのハマリ役だったので見ながらニカニカしてました。親兵衛役の水夏希さんも意外に骨太で見ごたえありました。


やっぱりコレで決まり!ですね。

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*1:彼女はアクション女優で有名でしたが、大好きでした。

*2:ま、当時もそう思いました。発泡スチロールの石とか(汗)。

*3:若いけれども、宝塚で1,2を争う長身男役。将来有望でなかなか気に入ってます。