雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

魔性の元祖・美少年、美輪明宏さま

美輪明宏さんについては、洒落でもなく普通に「美輪様」と呼んでしまいます。それほどまでに崇拝しているのか、というとなかなか怪しいものですが、なんだかそう呼ばせてしまうカリスマ性がこのお方にはあります。私が物心つく前から芸能界にはいらしたと思いますが意識したのはそう古くはなく、”芸能人”を題材にしたバラエティ番組で美輪様の生い立ちを見てからです。


子供の頃から抜群の美貌で、おまけにボーイソプラノの持ち主で声楽も学んでいた、というハイカラなおぼっちゃまぶり。中学生の時に体育館に呼ばれて初めて同性の先輩に接吻された、という衝撃の思い出話も印象的でした。そしてその時、番組内で公開された美少年ぶりには思わず溜息が・・・。とても日本人とは思えないほどの彫りの深さでビックリしました。また「ヨイトマケの唄」の隠された裏話などもありました。


そのTV出演のことが印象に残り、ふと手に取った「紫の履歴書」という自伝は、まるで小説本のように面白く、あっという間に読み終わってしまいました。波乱万丈の人生、長崎の原爆の壮絶な体験、まだ若い頃に家族を背負っての並々ならぬ苦労、有名人とのお付き合いや恋愛に至るまで一人の人生としては信じられないほどスペクタクルに溢れてます。それでも美輪様の根底に流れる美意識や超然とした態度にはいたく感動し、勝手に”心の師”と仰ぎ見ております。


テレビなど番組内でも、ズバっと歯に衣着せぬトークを展開しますが、どこかその言葉の中に人への情愛を感じさせて嫌な気が起こりません。人生相談などにも、感服するような回答をしていて、一度でいいから「アンタ、もっとシャンとしなさい!」とか諭されてみたいものです(笑)。


最近では、スピリチュアルカウンセラーの江原氏と共に『オーラの泉』という深夜番組で芸能人相手に前世、守護霊、オーラのお話をされていて、あまりに面白く、またお言葉がためになるため、テレビ番組をほとんど見ない私もこの番組だけは欠かさず見ております。


ゲスト達もなかなかに微妙な人選*1なのがツボですが、彼等の人間模様以外に、美輪様のありがたい訓示が心に沁みてきて癒しになったりと、精神衛生上とてもよろしいのです(笑)。「部屋を美しくしなさい」とか「玄関には香りの良いものを飾りなさい」など一見、道徳的なことも言われるですがそれが特別な意味合いを持つように諭されるとナルホド・・・と納得したり。まさにカウンセラーですね。

【 「毛皮のマリー」での妖艶ぶり 】

そんな美輪様ですが、生で拝見したのは、2001年の『毛皮のマリー』という作品だけです。美輪様の代表作品ですが、いかにも寺山修司の世界、というか(そんなに分かった気でいるわけではないのですが)、毒々しい退廃美に溢れていて圧倒されました。何よりマリーを演じる美輪様の圧倒的な存在感に始終、気圧されていた感じです。


冒頭バスタブに入ってるところでは、片胸をはだけていると(ふくよかな肢体のため)、まるで本物の女性の乳房のように見えてドキっとしましたし、通路席に座っていた私のそばを駆け抜けられたときは、ちょっとキツめの香水が漂ってクラッとしておりました。まあ、劇自体の感想はあまり多くは語れないほどにとっちらかってて、美と醜悪が混在している、という感じでしたけど。。。


 この公演では、ミッチーこと及川光博さんが息子役で出演していて一人輝くような美しさを見せてくれてたのが印象的でした。丁度、本人「”王子”は辞めます!」宣言などをしていた頃だったと思いますが、本当に王子の気品と仄かな妖気まで身にまとっていたのがとても印象に残ってます。そう言えば、ミッチーは『オーラの泉』出演時に、カストラートの生まれ変わり、と言われていて個人的に大ウケでした。


その後、美輪様に遭遇したのは、なんと渋谷を歩いていた時です。青いドレスに黄色い髪も鮮やかに町を闊歩しておられて(おそらく仕事だと思いますが)、さすがにすれ違う人達も道を空けていたほどの異形ぶりでした。私は、たまたまLOFTで大きなゴミ箱を抱えて喜びいさんで家に帰る途中でしたので、唖然と見送るだけでしたが、「どうしてゴミ箱を抱えてるときに美輪様なのっ!」と後から思ったものです。まあ、このゴミ箱が美輪様と引き合わせてくれたのか、と思えば粗雑にはできないなあ、などと思っております。

 願いは一つ。
 ミワサマ、どうぞいつまでもお健やかに・・・いて下さいね


紫の履歴書

紫の履歴書


面白すぎる自伝です。

*1:岐路に立ってる人達が多いそうですがまさにそんな感じです。