雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

宝塚花組公演観劇記(2)『ASIAN WINDS』

5年前に花組公演の『ASIAN SUNRISE』を観劇したのですが、まさかその続編が誕生するとは夢にも思いませんでした。和モノのショーもちょっと・・・となってしまうのですが、アジアがメインのショーは、宝塚ファンでもなかなか好きな人にはお目にかからないかもしれません。そうした不安が最初にあったのですが、いざ見てみると前回『A・S』(思い切り略してます)のクラシカル・アジアなショーよりは見やすいショーになってました。


といっても『A・S』はナマで見たとき不思議な高揚感がありました。
タモさん(愛華みれ)時代の”陽気で明るい体育会系・花組”は、なんだかわけの分からないパワー(笑)で魅了してくれましたし、沖縄調の群舞”エイサー”なんてパーッと客席全体に光を放射しているようでしたから。


そういえば私が本当に春野寿美礼ちゃんにハマったのもちょうどこの頃のこと。TV放送や舞台で見ると、当時の寿美礼ちゃんは、いつも”スカした”眼差しで挑発してました。古くから春野ファンだった友人にいくら「彼女は”爽やか系”なんだよ」と言われても全然信用できないほどに、この頃の彼女の表情はヤバすぎでした。


何か絶対、裏があるよね。野心あるよね〜。」なんて勝手に想像→目が離せない→惚れたわ・・・となったのですが、最初は歌でハマったわけではないのが今思うと不思議です。


『A・W』でもこの思い出深い”エイサー”を見ることができて非常に嬉しかったのは確かです。大鳥れいちゃんの銀の衣装が好きだったのでふーちゃん(ふづき美世)が着て現れたのも懐かしい!と興奮しましたし。しかし、膝の調子もあるのか寿美礼ちゃんは、かなりおとなしめに踊ってましたし、全体的に元気度は、『A・S』に比べて3割減かなあ、と感じました。


そしてケッタイか?と危ぶんだ服部良一メドレーでしたが、戦後まもない日本の陽気なメロディが実は宝塚サウンドとも相通じる(むしろ、充分似合ってるかも・・・苦笑)ものがあって、頭を空っぽにして楽しめました。中堅男役のキザな「山寺の和尚さん」は、だんだん意味不明な掛け声なんかも増えてきて、やってる側も楽しもうとしてるのが分かりました。

【 声の魔力 】


個人的に最もツボだったのが、中国の場面での”寿皇帝”のシーン。寿美礼ちゃんが中国語らしき歌詞をゆったりと歌い、背景には水滴を映像や球体ライトの上げ下げで表現した幻想的なシーン。それなりに彼女の歌は数多く聴いてますが、天性の”美声”をかなり効果的に演出していて、シンプルですが強烈な印象を受けました。


極端なことを言えば、寿美礼ちゃんには余計な歌詞は必要ないのかも、とすら思ってしまいます。言葉で伝えるより、もっと根源的な”音”での表現のほうが優っていて、心地良い音色を出すことを本能で知ってる感じです。まさに声=楽器なんだなあ、と思うのです。このまま延々、唸り(歌い)続けて欲しいなあ、などと思ってウットリ聞き惚れてました。


また韓国の有名ドラマ『チャングムの誓い』から主題歌を歌うシーンも印象的でした。若干”勝手にタイアップ”状態ではありましたが、あそこまでドラマを真似て作成したセット、衣装まで作るとは思わず、ちょっと驚きでした。


ショーの写真だけを見た韓国人のキョンちゃんは、「(残念ながら)やっぱり今回も、韓国を間違えてイメージしていて変だった。」と嘆いていましたが、日本人の私から見るとどこが違うのかサッパリ分かりません。時代考証*1とかそういう細かい部分なのかもしれませんが、日本人も”外国人が描くおかしな日本”のことを文句言えないなー、なんて感じました。ふーちゃんのサングン(宮中の高級女官)の大きな頭が一番奇妙に見えたのは確かですが。


チャングムの主題歌を歌うユミコちゃん(彩吹真央)と寿美礼ちゃんの短いハモリはこれまた私の脳髄を刺激してくれます。この二人の声は、最高にコンビネーションが良くてまさにお互いの声同士が求め合ってる、”求愛デュエット”という感じです。また(聴衆以前に)自分達が大層気持ちよくお互いの声を溶かしあっているのが感じられて、なんだか羨ましさすら感じてしまいます。「お願い、時を止めて」なシーンでした。


もう一つ、今回声の魅力を感じたのがまとぶん(真飛聖)。彼女の声は、色でたとえれば”深い海の色”(藍色?)といった感じ。まだ若干、不安定なところもありますが、非常に魅力的でスーッと酔わせてくれる一瞬があり、目を開かせられました。台詞を語る時の低音もとてもよく響いて耳に残ります。歌上手の多い花組でますます磨きがかかりそうで今後がとても楽しみです。


それにしても津軽三味線と黒燕尾などという奇妙な取り合わせも、強引にカッコよく見せてしまう宝塚って、やっぱり侮れないです。


チャングムの誓い オリジナル・サウンドトラック

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チャングムのサントラです。子供達の歌が主題歌というのも珍しいかも。

*1:室町時代と江戸時代の女性が並んでるようなオカシサなのかしら?