雅・処

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衝撃を受けた映画『愛のイエントル』 バーブラ・ストライザンド

最近、ふっと思い出した映画があります。バーブラ・ストライザンドBARBRA STREISAND)主演*1の『愛のイエントル』('83米)という作品です。この映画、DVD化を待ち続けてる私の「B級リスト群」*2の一作でもあります。


しかし、私が熱愛する作品は、やはりマイナー度が高いのか、なかなか再販されません。とても面白い作品なのに。。。そして思い出した途端に、頭の中でバーブラ姐さんの歌声が催促するかのようにリフレインされて、落ち着かない昨今。はいはい、分かりました、蔵出ししますよ(笑)。


あらすじ:舞台は東欧。厳しい戒律の下に生きるユダヤ人・イエントルは、女性ということで勉学を禁じられていたが、勉学と自由な世界への強い渇望を胸に秘めていた。父の死後、彼女は髪を切り、男と偽って大学へ入学する。そこで同室の男子学生と親交を結ぶうちにそれが愛に変わっていく。やがて事態が急転直下し、イエントルは、彼が想いを寄せている美貌の女性と「結婚」する羽目になるが・・・。


映画はコメディ要素もありますし、垣間見える少年のようなバーブラが可愛く、ちょっとした「男装モノ」という楽しみ方もあるものの、この作品の本当の魅力は、バーブラ・ストライザンド熱唱の嵐(純粋なミュージカル映画ともちょっと趣向が違ってて)にあります。当時、バーブラの名前と特徴ありすぎる顔立ちは頭の片隅にあったのは確かですが、実際に歌声をちゃんと聴くのは初めてでした。そして当然ながら、第一声を聴いて度肝を抜かれました。


 これほどまでに歌の上手い歌手が、この世にいるのか〜!


それに加えて「イエントル」のサウンド・トラックの曲がまた素晴らしかった。彼女のアルバムをその後、いくつか買いましたが、やはり最初に手にしたこのアルバムがマイベストです。映画の名シーンと相まって感動が蘇えり、とにかく心を揺さぶられまくります。バーブラの素晴らしさは、歌声は当然のことながら、英語の発音の美しさにあると思います。英語が得意でない私であっても、まるで日本語で話されているかのように自然に歌詞が伝わってくるほどの説得力なのです。本当に歌が上手い人というのは、歌うことが語りかけているのと同じように伝わるものなんだな、と彼女から教わりました。

【 挫折と哀しみを乗り越えて大スターに 】


以前、バーブラの特集本を買ったのですが、その中に彼女の生い立ちが書かれていました。1942年4月24日NYブルックリン生まれのユダヤ人。バーバラが本名だったと思いますが、デビューの時に、「A」を抜いたバーブラという名前で、インパクトを与えようとしたようです。子供の頃はその特徴的な顔立ち(鼻が大きいのが有名ですね)のせいで非常に苛められたとか。また一人でよくマンションの階段で歌を歌っていたそうです。そこで自分の声を響かせることを覚えたのでしょうか。


次に印象的だったのは、オーディションを受けに行く前に知人を集めて初めて歌を聞かせたというエピソード。人々の反応が怖くて、「後ろを向いたまま歌ってもいい?」と頼んだバーブラ。歌い終えて恐る恐る振り返ると、聴衆達は皆感動のあまり涙を流していた、という逸話がありました。*3


もちろん、その後はブロードウェイ・ミュージカルでの大成功、女優としての活躍、歌手としても伝説に彩られている人です。脅迫によって一時、コンサートの舞台に立てない時期もあったようですが、見事に復活。還暦を越えても、現役バリバリのスーパースターなのですから脱帽です。


彼女の曲の中で特に好きなのは、「Somewhere」「Poeple」「Emotion」など。他にドナ・サマーとまるで歌で殴り合っているような(笑)激しいデュエット「No More Tears」も大好きです。そして映画を締めくくった「A PIECE OF SKY」は、私にとって忘れられない曲です。ハッピーエンドを想像していたら、予想外の展開を見せた映画のラスト。しかし、バーブラ自身の強烈な意思を反映したイエントル、あまりの爽快さに一気に惚れてしまったのでした。


Yentl (1983 Film)

Yentl (1983 Film)


やっぱりこれは忘れ得ない秘蔵の1枚です。全体的に情感が溢れまくり。

One Voice

One Voice


数年ぶりの復活コンサート。野外での聴衆のざわめきの中、バーブラのパワフルボイスが素敵です。

*1:監督も務めています。

*2:作品がB級なわけではありませんが。

*3:若干うる覚えなので間違っていたらすいません。