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雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

「ベルサイユのばら~オスカル編」(貴城アンドレ)観劇記(1)

ベルサイユのばら〜オスカル編〜』東京公演が始まってからすでに2週間以上が経ってようやく本日、観劇することができました。カシちゃん(貴城けい)のアンドレというのに、何故か気持ちが全然盛り上がらず、どうしたもんかいな、と思っていてよくよく考えてハタと気がつきました。「もしかして、私はアンドレが苦手なんでは?」と。


原作のアンドレというより、宝塚の演出上のアンドレがどうにも見ててツライのです。ようは、「今宵一夜」にせよ「橋の上の銃撃シーン」にしろ、昔ながらのベタベタな演出で「またあれを見るのか・・・」と思うだけで気が萎えてしまうわけです。


しかも、アンドレは役替りの比率が高く(今回はオスカルもですが)、トップスター演じるオスカルに他組から毎回特別出演状態。出演者達が全くバックボーンがないところで演じられることも多く、(豪華な組合せは新鮮だけれど何か落ち着かない空気もあって)切り貼りシーンだけで二人の愛の歴史を想像するのが意外と難しいのです。技術もあり、熟練のスターさん達は、限られた稽古時間だけで半ば”力技”で合わせてしまうところもあるかな、なんて。

【 まずは貴城アンドレから 】


そういう見る前の不安は、想像以上に’骨太’のアンドレを作っていたカシちゃんの大熱演で随分様変わりして見えました。コムちゃん(朝海ひかる)トップ体制で雪組がスタートする前から辛苦を共にしていただけあって、根底に二人の熱い友情が感じられて、オスカル−アンドレの関係にとても説得力がありました。おまけに普段も姉妹のように仲良しの二人だけに、水夏希さんが「私のアンドレの時より熱演って聞いて、ちょっと悔しい」(CSトークショーにて)と軽いヤキモチを焼かせてるだけあります(笑)。


カシちゃんのアンドレは、なかなかに渋い。。。常にオスカルへの想いをひた隠して生きているのが滲み出ています。その瞳は寂しげで暗く翳りを帯び、オスカルをじっと追いかけています。もちろん、爽やかさも持ち合わせていますが、あくまでオスカルの影の存在に徹して見守っています。その後、後半にいくに従って、婚約を持ちかけられたオスカルに対し、己の感情を制することができなくなっていく様、「たとえオスカルを殺してでも・・・」と独白するところなど、思いつめてる時間が長いだけに(笑)、とてもアブナイ雰囲気で良かったです。


心配していた「今宵一夜」なんて、熱くて最高!!しかし、視覚的には「朝海ひかるフィギュア」*1を抱き締めているように見えちゃいましたけど・・・。


さらにカシちゃんの場合、日本物で鍛えただけあって、”大時代的な芝居”を惜しげもなく見せてくれてウットリと酔いしれました。平成ベルばら並のクサさがないと結構成立しないんですよね、ベルばらって。(中途半端だと恥かしいだけなので。)声もいつもより更に低めの地を這う声でよく出るなあ〜と感心しました。一時期、非常にカスレていたこともあったので心配しましたが高めの音もしっかりと出てました。


私の「もうやめて!」な銃撃シーン・・・橋の上で撃たれてもまだ死なない・・・というあの演出にはいい加減ウンザリ気味ですが、今回は朝海オスカルの絶叫に救われ(笑)、涙まで出てしまいました。(ありがとう!コムちゃん。)カシちゃんも撃たれた時、最低限の動きに絞っていたので、なんとか耐えることが出来ました。毎回見るたびにゴージャスになっていく橋のセット、あんなにちゃんとイイモノ作ってるんだからもうちょっと演出をなんとか出来ないものかな〜、と。これがあるからアンドレ、と聞くとウッと唸ってしまうのです。


最後にペガサスの馬車でオスカルを迎えに来たときに、コムオスカルへ優しい笑みを浮べるカシアンドレ、コムちゃんの頭なんかさりげに引き寄せたりしているのが思い切りツボでした。そして馬車が進み、幕が引かれていく刹那にしっかり顔を寄せ合っているのが分かって何故か脱力。あの二人は、どんな会話を交わしていたのかしらん?


なんだかまとまりが全然ありませんが、今回アンドレのテーマ曲は、平成ベルばら月組オスカルバージョンで初めて天海祐希さんが歌った「心の白薔薇♪」で、これはものすごく好きな曲だったので復活して嬉しかったです。総括すると、貴城けいバージョンのアンドレは、マイベストだな、と楽しめたわけです。なんのことはない、単なる愛の告白?になっちゃいました。


(大絶賛の朝海オスカル&水アラン編、につづく)

*1:朝海ひかるちゃんの舞台メーク姿がまるで「お人形」のようにラブリーなため、雪組生の間で流行った表現