雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

夢見るショーの世界 ル・ポアゾン

宝塚の何が素敵って、ショー(レビュー)に勝るものは無し!でしょう。どんなに芝居が・・・であろうと、ショーがたまらないほど面白ければ、結局は何度も通ってしまいます。


しかし、観劇人生もだんだんと増えてはきたものの、後々まで忘れられないショーというのは、そう沢山はありません。実際に見に行ったショーはもちろんのこと、ビデオやTV放送で見たショーの中にも思わず心奪われたものがありました。その中でも特にお気に入り、復刻DVD化待ってます!なものも含めて挙げてみたいと思います。まずは名作ショーのこれだ!

【1】月組『ル・ポアゾン 愛の媚薬』 ('90年 岡田敬二作)
  出演者:剣幸、こだま愛、涼風真世、
       天海祐希久世星佳
 他


冒頭、涼風真世さんがブルーの衣装を身にまとって(吟遊詩人のごとく)銀橋を歌い歩くソロから華麗に幕が開きます。男役を引き連れて真っ赤な衣装でテーマ曲を歌う剣幸さん、同じく赤い衣装でこだま愛さんが歌い継ぎ、再び涼風さんの美声が響き渡る、そのオープニングの甘美な旋律にあっと言う間に”堕ちた”作品です。
とにかく、私にとって涼風さんの現役男役時代の歌声(今ではこの歌声が、封印されて聴く事ができないのが悲しい)は、まさに媚薬・・・今でも狂わされるほどにこの低音の”美声”が大好きです。


また剣さんがサビで腰をフリフリ、という奇怪な振付(宝塚ではよく見るけれど)も、妙に好きなんですよねえ、いいです、これ。その腰元にすがりつきたくなります。(って、どういうたとえだ?)大勢で白い大きな羽で振りながら盛り上げるオープニングもやけに目に焼きついて効果的。このショーは、曲もクラシック、ポップス、ロックまで耳になじんだものが多くて楽しいです。夢ゆめしかったり、カッコよかったり、可愛かったり。


ショーは、各場面ごと多彩で、いかにも宝塚っぽいラブロマンスっぽいものあり、バーでの男役の群舞あり、アーミーチックなものあり、そのチグハグさも宝塚名物でもあるのかも、と思う部分です。どのシーンでも剣さんの爽やかな笑顔に、非常に心地良さを感じます。


また、こだま愛さんのような可憐さと色気を合わせ持った娘役(踊りも抜群に上手いし)も、なかなか最近は見ないので、まず最初にトップコンビが安定していて、互いに相乗効果を呼んでいるなあ、と思いました。またこの頃の月組は、男役はシックだし、色気のある女役も沢山いて、非常にバランスが良くて感心してしまいます。


こうなるといろいろバリエーションを楽しめるんでしょうね。しかし、男役の群舞は、個性がありすぎ、みんな好き勝手に踊ってるようで、てんでバランバラン(汗)にも見えますが、老いも若きも?なんかわけ分からないパワーがあって面白いです。剣さんの下に涼風さん、天海さん、久世さんという独特の個性派3人衆が揃っているのも今では想像つかないくらい斬新な組み合わせですし。


「サザンクロスレビュー」ばかり再演してないで(笑)、是非とも幻の名作「ル・ポアゾン」を再演してくれないでしょうか。なんといっても私は’魅惑の腰フリ’が見たい!んですよ〜。