雅・処

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スタジオライフ ’06『トーマの心臓』Cチーム雑感

よっちゃんの涙に惑わされ・・・

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約1ヶ月に及ぶStudio Lifeの『トーマの心臓』公演、私自身も”トーマ月間”になるとは覚悟していたものの、やはり疲れがそこここに出てきてます。役者はあのどっぷりな世界がずっとハイテンションで続くのだからさぞかし大変でしょうね。


まさか感想を書くことはないだろう・・・と思っていたCキャストの公演。A&Bキャストから老舗メンバー(笑)を集めてドッキングした特別編成バージョンです。私のほうは、3年前に見た組み合わせの山本芳樹ユーリ×曽世海児オスカーの組合わせだから、と見る前から”余裕”だろうなあ、と想像しておりました。


しかし、オスカーの身の上話からラストまで、「まさかあの芳樹君が、そんなに”素”で泣くとは・・・」と衝撃を受けるほど泣き通しだった様子を見て、終わってからいろいろな思いが巻き起こってきて大変。


自虐的かつ”泣き”の演技はお手のものの芳樹君、乱れに乱れている、自分に酔いしれるだけ酔いしれてるようでいて、それは独特の彼自身の演技の持ち味であって、必ずしもセーブできないほど自分の”感情”に溺れているわけではない、と思ってます。ユーリというガラス細工のようにナイーブな感性が必要な役で、だからこそ最後まで感情に押し流されることは許されない、そんな厳しさで演じているように見えました。

【その乱れの原因は・・・】


そんな芳樹ユーリを気持ちのエアポケットから乱気流(笑)に落としたのは、「やはり曽世オスカーなのかな?」と。いや、これは単なる想像なのですが・・・。とにかくこの二人、台詞を覚えてるというレベルではなく、もはや”自分の言葉”になってしまってます。お互いの交わす言葉がまるでハーモニーになるほどの心地良く、思う存分発散し、相手からのエネルギーもそのまましっかり受けとめられるのです。だからこそ芳樹君は、感情の高ぶりを露出してしまった、とか。あるいは、過去に辛苦を共にした相棒との思い出がよぎったのか(笑)。


3年前にコンビを組んだ時は、山崎康一ユーリ&笠原浩夫オスカーという黄金の”卒業生”コンビの陰に隠れてしまった?感があるのですが、今回はその時よりはるかにパワーアップして、自分達こそが本当に”主役”となっていました。


芳樹君が相手役だと、いつもより(若干ですが)自分を見せ付ける演技が抑え目になって守り役にまわる曽世さんが心地良かったですし。やはり高根研一オスカーや奥田努ユーリが新鮮な顔ぶれで好演しているとはいえ、先輩達としては彼らを「引っ張っていかなきゃ!」と、かなり気を遣っているのでしょう。


もちろん、役者のみならず、客席を含めた空気とか、その日のバイオリズムもあるので誰かが突っ走ってしまうこともあります。その予想つかないハプニングも含めて、演出家の倉田さんは、「その日、その時の感情に突き動かされてしまう役者」が結構好き*1なんじゃないかなあ、と思うのです。主役の二人のみならず、松本慎也エーリクも五人組もみーんなノッテきて見違えるように生き生きと演じ始めています。時には恍惚の表情すら浮かべながら(笑)。


完成度が高くて毎日変わらない芝居、というのはプロとしては大事なのですが、舞台の上に乗っかってから日々形を変え、自分が無意識に押さえつけてきた素直な感情をさらけ出して変化していく、その発展途上の姿を見る醍醐味はまた格別。それはいつでも起こるわけではなくて、この作品の持つ”魂の浄化”作用が、ちょっとした奇跡を起こしてくれるんじゃないか、と思います。


レポではなくほとんど雑感となってしまいました・・・(汗)。よっちゃんの涙でこれだけ語れるのだから、私もなかなかのビョーキ状態ということでしょうか。

*1:私もそのような役者が大好きですけど。