雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

’06 「トーマの心臓」備忘録

備忘録代わりに

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スローペースとはいえ、観劇が続いて心身共にお疲れモードです。役者と一緒に「ここが頑張りどこだ」と勝手に思ったりしています。観劇自体は、どんな芝居でも2,3回目くらいが一番盛り上がるのですが、この作品に関しては次に来る台詞が分かっていたとしても、楽しみが減ることはないので、前回と違うところ、とか再演で変わったところなどを見比べて楽しんでいます。

【今回の芝居で過去と違うところ】


(1)トーマの自殺シーン
トーマが飛び降りる時の詞の朗読が、テープから肉声に変わりました。臨場感が出てなかなかイイです。しかし、エーリクの声が逞しい。


(2)エーリク、トーマ父と会う
トーマの父、ベルンハルト・ヴェルナーの手を握ったエーリク。前回までは、スライドに表示された台詞がエーリクの声(テープ)に変わりました。これはどちらも好きです。ただ、声だとストレートに伝わりますね。


(3)オスカーとミュラー校長
オスカーが意識を取り戻したミュラー校長の手を握って慟哭する。前回までは、ほとんど泣き声なし。曽世さん、高根さん共に激しく声を出して泣いていました。かわゆいオスカー。


(4)部屋換え
アンテへの怒りをぶちまける、オスカー。'00年では、本を縛っていたロープが解けて「チックショー」だったのが、トランクを持ち上げると乗っていた本がバラバラと振り落とされる、という動きに変更。


(5)レトヴィの朗読後
エーリクの前で、トーマの詩を朗読するレトヴィ。以前は、その詩の余韻を残すように「・・・可哀想なトーマ、信じなかったユーリ、可哀想なボク。」というスライドの文字が出ていたのですが、今回は出ていません。何かが足りない、とずっと気になっていたのはこれだったのか!

 
(6)ヤコブ館の2階端
サイフリートのリンチシーン。ムチをユーリの前方で振り向きざまに打つ。前回は後ろで打ってました。このシーンは、毎回グレードアップ(?)してます。バーボンのような酒のボトルを口に突っ込んで飲ませるところが口移し*1になってますし、ムチで首を絞めるシーンも新たに追加。念入りに見てしまって、御免ね、ユーリ(笑)。


(7)フェンシング
ささやかな違いは、いっぱいあります。なかでもフェンシングの腕は皆さん、とても上達しましたね。ちょっとしたアクロバットもあり、身の軽さや動きのしなやかさあり、楽しいシーンになってました。以前までは、それらしく見えるかが心配でした(笑)。

【セットの違い】

 

ライフのセットは、よその芝居に比べるともともとかなりシンプルだと思います。過剰にデフォルメされていないセットで、扉の開閉、小道具の移動、ライトの色合いで時間や風景を変えたり、「トーマの心臓」はその中でも無駄を徹底的に排した美にいつもウットリしてしまいます。


特に好きなのは、レトヴィが通いつめる図書館、そしてユーリがレトヴィを礼拝堂に呼び出すシーン。全く背景は無いのですが、上から差し込む2つのスポットライトが”神の御前”を表していて、その美しさにいつも痺れます。


最近好きなのは、ユーリとエーリクが帰ってきて、オスカーが出迎えに来るところ。この時3人の顔をパッと明るく照らすライトが3人の晴れやかな気持ちを物語っていて救われる一瞬。もちろん、ユーリの旅立ちの時も明るくなって、心が開放されます。


シド・シュバルツ氏がエーリクに「ちょっと歩こうか」と声をかけて、わずか数歩で裏の扉がパーと左に流れていき、そこが本当は、散歩している二人の時間の経過を表しているのだ、と気付いてまた感動。気が付くと、扉の動きまで目で追っかけてる自分が怖いですけど(笑)。


(1)風景

今回は3層構造。('03年で魅力的だった)菩提樹、の前に薄い幕がかかっており、通常は漆黒になってて菩提樹を隠しています。そしてその前には可動式の図書館。そして回廊。この図書館は、'00バージョンから待望の復活。さすがに'03年の、手押し車の上の3点セット*2は斬新でしたけど、「ちょっとやりすぎかな・・・」と思っていたので、復活して一番喜びました。
「正面中央には、本棚が無ければ嫌なのよ!」


(2)ユーリとオスカーのベッド

 シンプルすぎて(ちょっと独房のようでもある)ヨハネ館の二人部屋。しっかり部屋だった'03年と比べると、これまた'00年に戻った感じですが、それでも何もないからこそ想像力をかきたてます。そういえば初演に近い頃は、「狭すぎてベッドが一つしか置けなかったんですよ。」とEXPOで劇団員が説明して下さったのですが「えーっ!それはマズイのではないでしょうか!」(笑)と、かなり驚きました。


'00年はベッドが固定だったのですが、今回は可動式。ユーリやエーリクが悲しみに打ちひしがれていようと猛スピードで(笑)運ばれていくのがちょっと「およよよ」と思いましたが、'03年は手押し車で回転式だったので勢い良く廻わされたユーリが毎回「ガックン」となってたのに比べるとまだマシです。


(3)階段

過去は、上方への一方通行でしたが、今回は、4,5段目で二股に分岐しており、登場人物が無駄に上まで駆け上がらなくて済みました。間延びしないのが一番の魅力。階段を登りきって右手に曲がると黒幕が張っている扉が見えて、そこから役者が出入りするのが前方席から見えました。また階段の下にも秘密の抜け穴(笑)が出来ていました。


'03年の地方公演では、階段の向かって左に椅子になるような突起があって、5人組がよくそこに座っていました。舞台のサイズが大きくなると、変わるものもあるんだ、と思ったものです。


って、単なるオマケなのに何でこんなに長いんでしょうか・・・(汗)。

*1:何気にKISSシーンはどんどん増えている?

*2:①建物入口+②ユーリとオスカーの二人部屋(画像)+③図書館