雅・処

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「トーマの心臓」過去話(2) ’03名古屋公演編

愛知勤労会館の思い出

今年のスタジオライフの「トーマの心臓」公演完了からだいぶ経ってしまいましたが、そろそろ落ち着いて過去の思い出話も掘り起こせそうなので書いてみます。


名古屋で初めてスタジオライフの公演が行われる、と知りつつギリギリまで行くのを躊躇していました。大阪公演での大千秋楽チケットをすでに取っていたのと、確か公演も1週間程度しか間隔があいてなくて、仕事でもバタバタしてる頃だったのも追い討ちをかけていました。しかし、今回演じるのが恐らく最後になるだろう、と思われた”曽世海児バッカス”がどうしても諦めきれなかったので飛ぶことに決意しました。


バッカス役は、鶴田浩一さんと船戸慎士さんを見ていたものの、'99年の公演を見ている友人より「曽世さんのバッカスは、全然違うんですよ~。」と何度も聞かされていて、見たい想いが募りました。曽世ファンの友人と共に期待しながら名古屋へ。

【 普段と違う光景 】


地下鉄から降りて改札を抜けるときに、ふと気付いたことがあります。確か一斉に同じ方向へ向かう人波に付いていったのですが、地元の人の軽装に気付きました。若い女の子なんかはポシェットを吊り下げてて、これからちょっとお散歩なの、という雰囲気。私らときたら、舞台挨拶は撮影可能*1だということを知ってるので、カメラとか道具類で鞄はパンパン。友人と顔を見合わせて苦笑いです。


愛知勤労会館は、公園のようなところを横切って向かいました。普段と違うのは、入り口付近に大勢の観客が開場を待って何層にも列が出来ていること。まるで何かのコンサートのような人混みに呆然。それもそのはず、後から藤原啓児さんが語ったことによると、この日愛知勤労会館には、会館始まって以来の観客が集まったそうで、1階のみならず2階にまで立ち見が出たそうです*2


入ってからまたまたビックリ。天井が高ーい!大きい!地方の多目的ホールというのは、空間が多く、舞台も結構な広さであることを思い出しました。しかし、この広さで「トーマ」のような芝居はどうなのか?と一抹の不安が。私達は、客席後方の広い通路をはさんですぐの席でしたが、芝居の途中でも前かがみもせずに堂々とトイレへ向かうお客さんが何人も居て、東京との違いにビックリしました。それでも地方らしいのどかさで嫌な気分にはなりませんでした。

【 芝居の思い出 (主に曽世バッカス)】


この日は、山本芳樹ユーリ&笠原浩夫オスカー(Cキャスト)という待望の組み合わせでした。芳樹君は前髪を下ろしていて東京公演より可愛く見えました(笑)。冒頭ユーリとオスカーが部屋に入ってくるシーンで、すぐに気が付いたのは、役者は皆、台詞が良く聞こえるようにゆったりテンポで語っていたことです。


そしてしばらく経ったところで曽世バッカスの登場。もうこの日の公演はこれに尽きる!という感じ。*3出てきた時から、クールで知的、周りをちょっと突き放してる感じもあって、船戸さんのようなホットなムードは全くありません。お茶会のシーンも、上級生がエーリクをチヤホヤするムードから、一歩距離を置いた感じで振舞っています。一言、「オットナ~!」と唸りました。


笠原さんとの二人のシーンなんてそこだけでドラマが別に成立してしまいそうでした(笑)。「おまえさん」という呼びかけには親愛と信頼感を滲ませつつも、アニキ的な包容力も感じました。とにかく、こんなにバッカスに魅了されたのは初めて、やはり見逃さなくて良かった・・・とつくづく思いました。

【 公演終了後いろいろ 】


公演が終わってから、とても印象的な光景を見たことを覚えてます。物販コーナーが販売終了となり、観客(主に若い女性)がポスターや飾られた役者写真に殺到し、携帯カメラで必死に撮影していたこと。開演前の静かな物販コーナーを見ていただけに、その落差がお客さんの感動を物語ってるようで微笑ましい気持ちになりました。


次の日の劇団主催のパーティでは、「久しぶりにものすごく緊張しました~。」と目をクリクリさせながら語っていた曽世さん。よほど練習期間がなかったようで、正直かなりヒヤヒヤだったみたいです。(それであの出来は・・・凄すぎ)初舞台でバッカスを演じたときは全く緊張しなかったそうですが、むしろ今のほうが「トーマ」の世界を深く突き詰めてる分、緊張感が高いのでしょう。


旧友が沢山見に来てくれてホクホクの表情だった藤原さん。更に愛知勤労会館の関係者の方から、「あんなにお客さんが真剣に見てる姿は、普段ありえませんよ。一体なんでなんですかっ!?」と問い詰められたそうで、嬉しそうに語っていた姿が忘れられません。


miyabi2013.hatenablog.com

*1:残念ながら最近になって禁止になってしまいました。

*2:1階立ち見のお客さんに挨拶していた藤原さんですが、2階にもいるとは知らずパーティで謝っていました。そんな律儀さが素敵です。

*3:林勇氏のレトヴィもかなり違いましたが、これは別レポに書きました。