雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

同人誌に思う・・・

故あって家の片付けを本気でやってる昨今ですが、当人も忘れていたものがドカドカと出てきて思わず赤面、なことがあります。今回出てきたのは、6年ほど前に作成した同人誌。とある映画の感想を書いたもので、イラストは現在フリーの漫画家となったEちゃんの作。私にとって最初で最後の記念すべき同人誌でしたが、すっかり忘却の彼方にありました。


もともとコミケや漫画の世界に造詣が深いEちゃんの勧めもあって、当時は「好きな映画の話なら・・・」と勢いで書きなぐった程度でしたが、締切はいついつまでとか、このサイズに収まるようになど、と促されながらの原稿書きはちょっぴりしんどくもあり、それこそ同人誌を何冊も作成している彼女の協力がなければ途方にくれるところだった、と思います。


それでも実際形となった本を見ると、内容はともかくニマニマと単純に喜んでおりました。自分の書いたものが製本されて世に出されることの心地良さは格別でしたし、またEちゃんのイラストがさすがに美しーい!ということで大層地味な内容(汗)ながらもとりあえずブースに乗って売られたわけです。

コミケ


コミケ自体は過去に2度ほど行ったことがありますが、いまやン十万人もの人が集まる「世界一」のイベント、と言われるだけあって、会場にいるだけでわけも分からず凄いパワーを感じます。黙々と目当ての本を買いにブースを周る人々の群れ・・・知っていてもやっぱり怪しくて圧倒されますね(笑)。


Eちゃんから裏の世界(笑)の壮絶さや売り手間の暗黙のルール、そして買い手とのエピソードなどを聞いたりするとそれだけでも一つの話を書けるほどに面白いのですが、反面、こんなところにも日本人のオタクさ、(もとい)拘り気質は並大抵ではないなあー、と畏れおののいてしまいます。本当に日本で生まれるべくして生まれたものなんでしょう。


何かにハマってそれについての同人誌を買う、というのが本筋かと思うのですが、実のところ、興味はあっても同人誌を買ってまでも・・・という感じでした。いや、それでもノリと興味本位でとりあえず何冊か買ったりもするのですが、やっぱりどこかハマれない。各ブースを回って美しく製本された本や何らかのおまけなんかを覗くのは楽しいのですが、探し方も慣れてないためか「これは凄い!」という本にはあまりめぐり会えませんでした。


自分の興味や関心を満足させてくれるものをネットで探してもなかなか見つからないくらいですから、同人誌なんて、ちょっとやそっと歩いた程度では満足な出会いは難しいのでしょう。更にたとえいっとき喜んで買ったとしても、真っ先に消費されゆく運命のものですから、刹那性や悲哀なんかを感じることもあります。


では何故に同人誌を作るor買うのか。極端なことを言うと、大事なのは中身ではなくて「それがこの世にあったこと」「私の手元にあったこと」なのかもしれませんね。マイブームも去って、かつての残像のごとく残った本を見ながら、ふと郷愁に誘われてしまい、読み返してみたりします。・・・で、肝心の片付けがちっとも進まないってわけです(汗)。