雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

貴城けいソロコンサート 「I have a Dream」

見る前は恐ろしくもあり、しかし、軽いヅカスランプに陥ってる今こそ、これを越えなければ先がない・・・と悲壮感を感じつつ、カシちゃん(貴城けい)のコンサートに行ってきました。

しかし、いざ幕が上がれば、そこに居るのはいつものどっしり落ち着いたカシちゃん。これが退団直前の最後のイベントであることを忘れ去れるくらいで、しっかりと魅了させてくれました。


第1部は、志半ばで倒れた、歴史上の人物ツタンカーメン、ラファエロ明智光秀オスカー・ワイルドチェ・ゲバラに扮したコスプレ小芝居集。幾分、話のつながりが散漫で消化不良は否めません。むしろ今この時期に何故この題材を選んだかは、意味深・・・というか、まあ誰が見てもカシちゃんの”今の複雑な状況”を過去の偉人達にオーバーラップさせての演出だろうと想像がつきますね。


舞台上には再び、カシちゃん特有の”翳”が匂うように立ちこめていました。彼女の背後に、いつしかひっそりとにじり寄っている深遠なる闇。台詞を発する度に、その闇は声無き哀しみや絶望を吸い込み、誰も近づけない聖域を作り出す。目の前に佇むカシちゃんは、どこかしら達観したような遠い静かな瞳をしていました。


素顔はとても明るくてやんちゃで誰からも愛される、チャーミングな人、それがカシちゃん自身のイメージ。しかし、そんな明るく優しい性格とは相反するように、演技の資質にはこの深い翳が影響している気がします。黒い役や大人の役どころ(裏返せば、地味でいぶし銀な役割)が似合うのもそれがあるからなのでしょう。


トップスターは誰しも孤高の人。なので一人で立った時に、何かしら悲哀のようなものが漂ってきますが、カシちゃんは、遥か以前から誰も知らないところで自分を厳しく見つめ、「自分だけの芸の世界」を黙々と作り上げてきたんだな、と実感しました。今となると、何よりも彼女の持つこの”翳”こそが私を強く引き寄せたのだろうと思います。(悲しすぎるほど美しい笑顔と一緒に。)


余談ですがこの芝居では、オスカー・ワイルドが、ドリアン・グレイ*1に出会ってちょっとヤバイ絡みなんかがあるのですが、ドリアン役の下級生に色気がないせいか、はたまたカシちゃんが清潔感ありすぎ(笑)なのか、ちょっと物足りないです。「荻田先生ならこういうのが上手いのに残念だなあ・・・。」などと、この期に及んでなんか期待するところが違うだろう!(汗)って感じで見てしまいました。

【歌、うた、SONG】


第二部は一転して、J−POPから幕開きです。TシャツにオレンジのFC特製会服を羽織って客席からハツラツと登場するカシちゃん。宙組生もジーパンにTシャツ姿。さすが元男役の紫城るいちゃんがやけにカッコいい(笑)。いきなり「抱いてセニョリータ」「VENUS」などJ系ヒットメドレーで盛り上がるのですが、毎週『少年倶楽部』*2を見て、お気に入りとなっているこの曲をここで聴こうとは!驚きでした。


あとはもう順当にバラードあり、カッコイイ男役のキメキメあり、ピンクのヒラヒラを纏って、るいちゃんとのダンスあり、と短い時間の中にノンストップで進んでいきます。宙組生は北翔海莉君、七帆ひかる君の両名が歌の上手さを存分に披露してますし、コーラスも随所に散りばめられて、たとえ衣装換えの’場繋ぎ’であってもとても楽しいです。こんな夢見る若木達を見ると何があろうと、真っ直ぐすくすく伸びて欲しいと思いますね。


ラストの衣装は、どうやら白と黒の2枚あるようです。ドラマシティでもそうだったのか分かりませんが、シンプルな白の衣装を着たカシちゃんはあまりに清楚で、その姿はジワーンと涙腺を刺激しました。MCがほとんどなく、ラストまで滑走してしまったのが泣きのポイントの弱いところだったのか、予想より冷静に見てしまって「いいのかな・・・?」な気分でした。まあ、明日の前楽にまた想いは高まるかもしれず、この1日で醸造しようと思います。


それにしても見終わって出てくる言葉は「惜しい」「勿体無い」の二言だけです。男役としては絶頂の極みに達しようとしてる今のカシちゃん。少しくたびれたくらいの(笑)姿であれば「そろそろ・・・かな」と諦めもつくものですが、皮肉なことにこれ以上ないくらい、惚れ惚れする男役芸を見せつけてます。


 そう、男役貴城けいは、今が旬、食べごろです。


これから2月まで二度と味わえない禁断の果実を喰らいに次公演へ突進し、潔く燃え尽きましょうか!!

*1:オスカー・ワイルド著『ドリアン・グレイの肖像』の主人公

*2:BS2のジャニーズJr.総出演の歌番組