雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

スタジオライフ『銀のキス』観劇記(1)

ヴァンパイアシリーズ第3弾

今週末にスタジオライフの『銀のキス』を見てきました。いやあ、シアター1010(北千住)の空間がとても懐かしかった・・・です。私はこの劇場で過去に見たものでは『パサジェルカ』が一番脳裏に焼きついてますが、どうも冬場の演目はいつもちょっと憂いを感じさせる内容で、照明がいつもより暗い気がします。


すでにライフ自体も、我が転居後は1回1回を大切に焼き付けて見なければ・・・という状態なのですが、とにかく劇場内に充満する独特の空気に触れただけでまるでふるさとに帰ってきたかのように不思議な恍惚感に浸れてしまいます。極端なことを言えばたとえ駄作であっても、見られることに幸せを感じる唯一無二の存在なのかも。


初日が開いてまだまもないため、まだちょっと危なっかしいところもありましたが、ヴァンパイア物にしてはちょっと変わった内容なので、新鮮に見えました。家族愛や友情などがとても丁寧に描かれていて、ヴァンパイアのサイモンが出演しなければまるでホームドラマのような内容です。もともとは児童向け小説と聞いて納得。

【見どころは?】


あらすじ:片足の不自由な少女ゾーイは16歳。癌を患った母親は入院中で、看病に忙しい父は不在が多い。仲良しのロレインもオレゴンへまもなく引越すことが決まり、一人家に残されたゾーイは孤独と不安を噛み締めている。ある日、その寂しさから闇夜をさまよっていると、一人の銀髪の少年が現れる。彼の名はサイモン。300年の時を生きるヴァンパイアで、宿命の人間を捜し続けていた。そしてお互いの孤独感から惹かれ合う二つの魂。


今回の芝居の見どころですが、個人的にはゾーイとその母アン、父ハリーの親子愛が一つで、サイモンとの純愛よりも盛り上げていた気がしました。病の母が娘に語るシーンは、ありがちな設定なのだけれども、一つ一つの台詞がグッと胸に迫って、心に浸みます。倉田さんが原作より深めたのかな、と。


配役的に面白いのは、6歳の少年クリストファーと謎の商人フォン・グラブ。現代に17世紀の回想シーンが挟み込まれていたのですが、個人的にかなり楽しめました。ちょっと前までのライフの芝居では、中世風衣装が「貸し衣装ですか?!」という感じに浮いていた感がありましたが、今回は役者達なかなかにハマっていて一瞬目を疑うほどでした。鍛錬の賜物でしょうか。


深山洋貴君なんて登場シーンでは黒ビロードに赤布の帯をしめ、白い大きなレースの襟・・・まるでアナタは”小公子セディ”か?と思ったほどよくお似合いです。ちょっと衣装だけでそそられてしまいました(笑)。三上俊君の若い母親も麗しかったですし。


サイモンもドラキュラなのに、なぜか生活感があります。ロックが好きで革ジャンを着ているし、ちょっとオクテ?で可愛いところもあって。必ずしも吸血鬼ものが好きではない私ですが、この作品は展開も独特で、感動するポイントはやや弱いものの、のちのち妙に思い出しそうな内容でした。役者個人については、次回へ。


Surfacing

Surfacing

このアルバムの中の「ANGEL」ではないかな?歌手は、オリジナルとは別かもしれませんが。

銀のキス

銀のキス

原作本です。少年少女向けの平易な文体なので、ちょっとポップな印象を受けます。(ヤングアダルト賞受賞)。芝居の後で読んだら、なんだかとてもいいんですよね~。ちょっと感動しちゃいました。


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