元気な女子高生お兄様達
スタジオライフ最新作『DAISY PULLS IT OFF』の観劇から早いもので1週間が経ってしまいました。早く感想を書きたい、と思っていたのですがこの劇については、あれこれ語るよりも「1回試しに見て下さい」と言いたいような作品でかえって書きずらいものがありました。
2003年の初演に続いて2度目の再演。当時も3回ほど見たはずなのですが、案外よく覚えてないもので、追加になったシーンとかセリフもさることながら、ラストシーンすら「こんなだったっけ?」と自分の記憶力を疑ってしまうほど。。。(汗)
そして当時も今も、主役デイジーが同級生の嫌がらせや誤解に負けずに踏ん張ってるシーンより、イジワルなシビル&モニカコンビと女子高生がワイワイ登場するシーンがなんといっても好き、というのを実感しました。
物語は、とてもシンプルです。
貧しいけれども母&4人の弟達とで楽しく暮らしていた公立高校の少女デイジーが、名門グレンジウッド女学院に最初の奨学生として入学してくる。喜びに胸を膨らませて校門をくぐるデイジー。すぐに仲良しになった”夢見る詩人”トリクシーと、事あるごとにデイジーに悪巧みを仕掛けるお嬢様シビル。そんな女子高生達のドタバタ劇の中と、憧れの生徒会長クレアの祖父の財宝(学院のどこかに隠された)探しをドッキングさせて、へこたれず困難に立ち向かうデイジーの奮闘ぶりが描かれている。
そしてこの物語自体が、グレンジウッドの学園祭の出し物、という劇中劇でもあります。
部分的にはかなり楽しい場面がありますが、トータルで何度も見るとちょっと疲労を覚えてしまう作品です。そのせいか初演後も再演の希望は多かったようですが、私自身はあまり食指が動かない作品でした。途中、間延びしてしまう場面があるのと、デイジーというキャラクターにあまり魅力を感じないせいもあったのでしょう。
それでも役者が変わればこれほどイメージも違うものか、とかなり驚きもありました。芝居として出来上がってなければダメではありますが、その範囲で役者本来の個性を生かしたキャラクター作りを比較的自由に本人に委ねられているのが分かります。コメディが得意・不得意の違いはあるでしょうが、以前に比べると役者達に迷いがないのが救いでした。『真夏の夜の夢』で培った自信もあったのかもしれません(笑)。
役者各人への感想は長くなるので次回に。
【味わい深きウェールズ民謡】
今回の芝居では、いつもと違ってバックに流れる挿入曲ではなく、役者が歌った曲がとても気に入りました。まずは、謎の人物、トンプソンさんが口笛で吹いていた「ALL THROUGH THE NIGHT」。芝居の中でも曲名をハッキリ連呼していましたが、この曲は、ウェールズ出身のボーイソプラノALED JONESが歌っていたので私にとっても思い出深い曲です。
まだ日本でCDが発売される前に、輸入代理店を通して買ったのが、この曲が題名となったアルバムでした。以来、変わらず愛聴しています。また、ALEDを通してウェールズには歌が上手な人が多い、という言い伝えを知りました。デイジーは、そんな「歌の上手な」ウェールズ出身という設定でした。
更に、「ここは小さな森なのです。トネリコなど生えてます~♪」とバリトンボイスで素敵なコーラスを聞かせてくれたグレンジウッド女学院の生徒達。耳なじみの曲でありましたが、タイトルが分からず調べてみたところ、ウェールズ民謡「とねりこの木立/The Ash Grove」と判明。
これ、もしかして所有してるかも・・・と更に調べると、ありましたありました。すごいぞ、我が家(笑)。問題は、宝の持ち腐れ・・・しまくりのこのワタシ。ライフのおかげで毎度、曲を聴く喜びを再認識させてもらっています。
劇団員の逞しい歌声とはうってかわって美しいハーモニーで歌われるため、一瞬同じ曲か分かりませんでしたが、オックスフォード・ニューカレッジ聖歌隊のアルバムに見つけました。ドイツ民謡は、かなり所有しているのですが、いざとなるとイギリス民謡は少ないものだなあ、と気付かせられました。
- アーティスト: A. C. Macleod,Anonymous,James Lynam Molloy,Percy Grainger,Ralph Vaughan Williams,Sir Edward C Bairstow,Traditional,Edward Higginbottom,Philip Cave,Oxford New College Choir
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- 発売日: 1997/10/07
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他にもアンサンブル・プラネタの大好きなアルバム『乙女の嘆き』に見つけました。このグループは、全員が女性(初期は4人、最近は5人で活動)ではありますが、ボーイソプラノに通じる発声法で歌っているため、女声ソプラノが苦手な私でも非常に聴きやすく、加えてアレンジは絶妙で、一瞬にして心を奪われました。一度は、生の演奏を聴いてみたい、と思っているところです。
- アーティスト: アンサンブル・プラネタ,書上奈朋子,L.ホブデイ,イプセン,T.ムーア
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