雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

スタジオライフ『DAISY PULLS IT OFF』観劇記(3)

そして問題のシビル&モニカコンビは?

デイジーに悪さを仕掛ける意地悪コンビのシビル&モニカ、もうこれを話したらそれだけで終わってしまいそうです(笑)。最初に見たのは、岩崎大山本芳樹コンビ。『真夏の夜の夢』で圧倒させられた肉体パフォーマンスを今回も要所に使用して笑わせたのは大ちゃんのシビル。楽しそうに悪だくみをしていて、なんだか素のキャラクターとも一体感を感じてしまいました。


180cmもあるデカイ大ちゃんですが、意外なことに彼は女役の方が”眠っている魅力”が出る気がします。颯爽としていてカッコよい女性になってくれるからでしょう。対する山本モニカ。シビルと目を合わせず、あらぬ方向を向いて台詞棒読み(妙なイントネーション)挙動不審で鼻息も荒い、つくづく妙な子。見た瞬間、「あらら、こりゃダメだな。」と一刀両断。


それにしても倉田さんは何故これを許しちゃったのでしょうか?・・・やはりよっちゃん可愛さのためか(笑)。自分なりに必死に考えて編み出した振る舞いなのでしょうが、完全に芝居を壊して”浮いてる”、ワル目立ちというより乾いた失笑をかうような姿にイタタタ。。。これに笑える人は幸いだと思います。


芳樹君は変なところで”主役癖”が邪魔するのかもしれません。どちらかというと自分の世界で突っ走ってしまって、周りの役者達と”呼吸”を合わすのが苦手なタイプだから、会話のキャッチボールで面白くさせるような役どころはあまり向いてなさそうで、相手役の大ちゃんが気の毒に思えてしまいました。(まあ、大ちゃんもそんなことは意に介せず突っ走っていたけれども。)好きな役者でも、いつでもストライク!とは限らない、と思いました。

【真打、登場?!】


一方のシビル&石飛モニカ。これは配役を聞いた瞬間から「イケル!」と思っていたのですが、案の定、言うことなし!の出来栄えでした。ゴールデンコンビですしね(笑)。前回、スキンヘッドにしてしまった林さんは、今回シビルの時にはウェーブのかかった金髪ロングヘアで現れ、度肝を抜かれました。


気取り調子で「グレンジウッド一の美人・・・(客席シーン→再度ダメ押しで客席を睨み付けながら)ビ・ジ・ンっ!」と言って笑わせてましたが、お世辞抜きで「やだあ、本当に美人じゃない、アナタ!!」と驚きまくり。


「スリーメン」の毒舌ハリスや綾小路三姉妹の蕾子嬢、「夏夢」のティターニアとこれでもか、というほど見せられているので

 高慢ちきな性悪オンナ

をやらせたら右に出るものはいない(→ちなみにこれでも正真正銘、大ファンです。)とは知ってはいるものの、ちゃんと娘らしいラブリーさも見せてくれて久しぶりにドキドキしちゃいました。猫撫で声でご機嫌をとるときの小憎たらしいチャーミングさなど、たまりません。


ピンクのナイトガウンを羽織ってモニカと客席から登場するのが今回のアドリブタイム。私が見た時は、「モニカ~、クレア先輩ってひどいO脚なのよね。ホント、お気の毒よね・・・」とかまして大爆笑を巻き起こしていましたが、別の日に見た友人の話では、「クレア先輩だけ制服がマタニティに見えるのよね。」と、またしても曽世さんをネタに笑わしていたそうです。普段は仲良しで、一期先輩だからこそ、あの泣く子も黙る(?)曽世さんをネタに出来るのでしょう。


私がいつも感じるのは、舞台に立つ時の林さんは、どんなに楽しそうであっても決して目は笑っていない、ということ。無防備に「素」を晒しているようでいて、アドリブで客席を爆笑させている時でさえ滅多に役者の仮面を外さず、冷静に周りを見渡して空気を読んでいるのです。だから必要以上には決して乱れない、かといって楽しんでないわけではなく、文字通り”役者バカ”というところがたまりません。

【笠原シビル、山崎シビル、楢原モニカ】


見ながら初演のシビル、モニカもいろいろと思い出しました。男性扮するガール達の枕投げならぬ、「湯たんぽファイト」。通路に面する席に座った時、金髪オカッパの笠原シビルが投げた湯たんぽが飛んできました。受け取るとすぐに「それをあの子(舟見デイジー)にぶつけて!」と身振りも激しく指示されましたが、慌てていたので投げても空振り。すると「あーん」と残念そうな顔をして、またすぐに落ちた湯たんぽを拾った他の観客に指示がとびました。


もう一つ、外部公演で共演した升毅さんが客席に座っていたのですが、登場するとすぐに隣に立ち「先日はどうも~」と満面の笑みで応対していたのが忘れられません。声をかけられた方も照れるやら、びっくりするやら、という気の毒な(笑)状態に。いつもの主役オーラはどこへやら、すっかりその気になってイビリ魔をウキウキ演じている笠原さんは一段と素敵に見えたものです(笑)。


山崎シビルと楢原モニカという強力なカップリングは、一見地味めではありましたが、要所要所で「こんなオンナの子、絶対いるよね~」とにやけてしまうようなリアルさがあって、とても可笑しかったです。シビルの裏に隠れているようなモニカを、独特のとっぽいムードで見事に演じ、立ってるだけで無性に可笑しかった楢原さん。シリアスが上手な役者は、笑いも上手、と唸らせました。


またイベントの時に、深山君が言った言葉が忘れられません。「記念写真を撮るために、(芸術劇場の外に)女子高の制服を着た男ばかりが集まってて、なんだか異様な光景だった。」とのこと。やっぱりこれはいいんだろうか?と一瞬だじろいでしまう気持ち、なんか分かります。その迷いや恥じらいを越えた先には、喜びが・・・あったら怖いかな(笑)。


湯たんぽファイトや、ホッケーの決勝試合は何度見ても楽しい見せ場でした。女の子を演じながらやけに男らしい姿をあますところなくさらけ出していて、これこそが一番の見どころだなあ、とホレボレ。最初と最後を締めた倉本校長の


 HONESTA QUAM MAGNA
 気高きことは素晴らしきことなり

を胸に刻み込んで生きていけたらいいな、と思います。


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