雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

ネオ・ビジュアル系 Versailles Live in HOOK仙台

YAHOOニュースで興味を持ち、「THE REVENANT CHOIR」のPV映像を見た時から、そりゃあもう見たくて仕方がなかったビジュアル系バンド、Versailles(日本語表記は、ヴェルサイユbyKAMIJO氏)。なんていってもめくるめくお耽美全開!!の世界。


マリー・アントワネット様HIZAKIがギター弾いてます(笑)し、ベース(Jasmine You)はまるで”錬金術師”、見るからにアヤシイ怪しい。更にもう一人のギター(TERU)とドラム(YUKI)は、ファイナル・ファンタジーから抜け出てきたようだし、ボーカル(KAMIJYO)はオスカル様?ビジュアルの派手さは、マリス・ミゼルを彷彿とさせるけれど、音楽は歌謡曲・ゲームミュージック・クラシックなどの要素を混ぜた馴染みやすさがあって、X JAPANLUNA SEA、マリス・ミゼルを3で割ったような感じ。


もう見た瞬間から、即効で気に入りました。もはや私の中ではビジュアル系はすっかり終わったもの・・・と思っていたのですが、最近はアニメ漫画ブームから欧米に逆輸入されてマニアックだけれども熱いブームを巻き起こしているそうです。そして、日本ではネオ・ビジュアル系という新たな括りで復活しているとか、ナルホド。その辺は、また次の記事にまとめるとして。


軽く調べてみるとメンバーそれぞれにバンド歴も長く、満を持しての結成という感じです。コンセプトがヴァンパイア、血、薔薇の末裔・・・と、古参のビジュアル系ファンには分かりやすく、いたって直球なバンドだな、と思います。

【10年ぶりのライブハウスで驚いたこと】

ナマのVersaillesのステージを見られないものか、と調べるとなんとも嬉しいことにツアーが全国スタートしておりました。*1 バンドのライブなんて、ほとんど10年ぶり、最後に見たのは故hideちゃんのライブだったと思うので、体力的には少し不安がありました。今のお客さんのノリというのも分からないし。


しかも、通販で購入予定だった1stアルバム『NOBLE』もどうやら初回出荷分が間に合わなかったようで*2、ライブ会場で買う羽目に。せめて予習くらいして行きたかったのですが、気付いたときは、地方の悲しさで”入荷待ち状態”*3になっていました。


HOOK SENDAIは、「サンモール一番町」アーケード街という目抜き通りの地下にありました。黒づくめの少女達が並んでいたので、すぐに分かりましたが、中には、日本人と変わらない黒服姿の外国人の少年少女も居てちょっとビックリ。定員250人程度の小さなライブハウスで、縦長のハコ型。ちょっとした小劇場に入り込んだ感じがしましたが、想像以上に小さくて驚きました。


最初に摩天楼オペラというバンドの演奏がありました。なかなかノリの良い演奏をしてくれましたが、そこで最初に違和感を感じました。どうしたって昔とったキネヅカ?か自然とリズムに体が動いてくるのですが、直立不動の人がかなり居たということ。ノリたい人は前方で激しくノッテルのですが、後方には醒めた空気が流れていて、ライブを「傍観」してる感じ。


これは”ヨソ”のバンドに興味がないからなのか、それともそういう楽しみ方なのか、さっぱり分かりませんでした。少しノッテくると両手だけユ〜ラユ〜ラ、ここは宇宙空間か?!軽くカルチャーショックの渦。一説によると、どうもこの動きは、パラパラダンスからきている*4なんて紹介されてましたが、真似てもなんか自分がやると阿波踊りみたいになってしまうのが悲しい・・・。

【お耽美バンドにシビレる】

1時間後、ようやくお目当てVersaillesの登場です。まずは、タッパのあるJasmine Youさんの派手さ、にどよめきが起こり、続いて麗しく派手なコスチュームのメンバーが現れるとライブ会場の空気が1,2度上がった感じでした。ビデオや写真で見た中世貴族のような衣装は、そのままで軽く目眩がするほどウットリ。一方で、「コレって一張羅なのかな?」「暑苦しくて、汗でメークはくずれないかしら?」とかくだらないことも考えてましたけど。


1曲目は、「ARISTOCRAT'S SYMPHONY」。サビのメロディーがとても綺麗でゴージャスな曲です。時折、とろけるような柔らかい旋律にめくるめく快楽が押し寄せ・・・意識を失いそうになります。演奏自体は思ったよりメタル系というか、楽器隊が激しく唸り続けているんですが、ポップで耳に馴染みやすいメロディや轟音が途切れた時のシンセなどがゾクっとくるほど、官能的。


もちろんツインギターもいいです。HIZAKI姫のひずみが少ない高めのギター音は、その的確な早弾きと相まって、どの曲にもかなり気持ちの良い風を送ってました。何より、見るからにプライドの強そうで、”キップのよい姉御”ぶりが素敵で、キッと睨んだような眼差しは、魅力的。曲間に何度も振り上げる片手とそのたびに翻る赤いレースのひらひらに、またもや意識が遠くなり・・・。


残念なのは、ライブハウスという密封空間で、チビな私にはギタリスト達の華麗な弦サバキを堪能できなかったこと。胸から上だけでも見えたのは幸いでしたが、楽器を弾く指先・踏ん張る足元まで全身が見たい。(ホールライブができるくらい、出世してね!)夜な夜なホールを貸し切って自分のためにオペラを上演させたあのルートヴィヒ2世にように、このお耽美バンドを一夜、貸し切って見てみたい、なんて。


ドラムも甘さがなく、かなりカッチリ耳に入ってくるんですよね、やや繊細なボーカルKAMIJOさんの声は、ちょっとかき消され気味。しかし、ボーカルってのはただでさえ一番目に入るポジションなのに、これだけ派手な衣装に負けない、その作り上げた美貌と有無を言わせない目ヂカラ。MCは観客を煽りつつも、時に爽やかな好青年ぽさを感じさせる、その存在感に惚れボレ。ダメなのよ、”お耽美”をジョークでなく、正攻法で演じられる人に私は弱いのです(笑)。


曲については、アルバムを聴きこなしていないで行ったので、全編新曲って感じでしたが、いろいろとバラエティやバランスを考えて作ってるのが分かりました。ちゃんと統一感もあり、印象はブレませんでした。「お遊びコーナー」は楽しかったし、ひたすらコアなサウンドで盛り上げたり、とノセ方もお上手。アンコールでの「THE REVENANT CHOIR」で、幸福の絶頂に。

【雑感】

帰りにツアーパンフを購入しました。表紙が地味だったので迷いましたが、中はカラフル!CDにも封入されていた写真集のようなコスチューム世界が堪能でき、アルバム曲全てについてメンバーが語ってるのがミソ。但し、よほど印刷を慌てたらしく、誤植ミスプリが多い(汗)。極めつけは、TERU君の原稿が落ちたらしく、コピー文が挟まってる。うーむ、折角凝った作りにしてるんだから、最後までキメようね・・・。


いやあ、好きなバンドっていうのはいいもんです。今頃、またこんなバンドに会えるとは夢にも思いませんでした。Xを追っかけていた頃の「青春真っ只中」とはまるきり違いますが、もっとシンプルに本能の趣くまま、お耽美な虚構の世界を楽しみもんです。

■PV映像はこちら → Versailles - The Revenant Choir [PV] (cut) - YouTube
バンドが世に知られたのは、Youtubeに自らPVを投稿したことがきっかけで、最初に海外に注目されたそうです。「そこでピアノっ〜!ギターのハモリ!」と興奮させた曲。指摘した人がいましたが、構成がどことなく「Silent Jealousy」に似てますね。


・公式サイト:Versailles
・参考サイト:中世貴族のようなロックバンド「ヴェルサイユ」待望の初アルバム (1/2) : J-CASTモノウォッチ


Noble

Noble

バラエティ豊かな作品でデビュー盤とは思えないコナレタ感じです。これでもか、な写真満載ブックレットとDVDが特に気に入りました。(←は初回特典盤です。そろそろ通常盤が出てきてるようですね。)「ARISTOCRAT'S SYMPHONY」のPV映像が贅沢で演劇チックに楽しめます。

*1:実は帰ってきてから気付いたのですが、この日が初日だったらしい。

*2:運悪く?ネットニュースで、ダメ押しに紹介された影響もあったようで売れ行きが良かったよう。

*3:マイナーものは、中規模のCD店でも入荷すらしないし。

*4:ホントか?言われてみればちょっと納得