雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

ドラマ「キャットストリート」

珍しくNHK総合をつけたままにしていたところ、『キャットストリート』というドラマに出会いました。主演は谷村美月ちゃん。少女役者の中では、1番くらいに気に入ってる若手女優さんです。デビュー作『カナリア』という映画を見てから、彼女の大きな瞳が焼きついてしまいました。


あらすじ:10歳の時にミュージカル「サニーデイズ」の主役”サニー”に選ばれた天才子役・青山恵都。彼女は、娘に過大な期待をかける母・由美子の下で、抗うことができずにいる繊細な神経の持ち主。当時、ダブルキャストだった、もう一人のサニー役・園田奈子から受けた一言がトラウマとなって、舞台で大失敗を起こし、17歳の現在まで引きこもりとなってしまった。ある日、町で知り合ったフリースクールの校長森口に誘われ、フリースクールの門をくぐった恵都はそこで初めての友情を知ることになる。


ドラマの最初で出てきた子供ミュージカルの風景、真っ赤な衣装を着た女の子が台詞を言うところで「ん?これ『アニー』のパクリ?」と思ったのですが、そこですでに引き込まれていました。日本の舞台版はまだ見たことがないのですが、それこそまだ子供の頃、映画「アニー」に熱狂した(笑)私です。


その後、美月ちゃんが暗い眼差しで引きこもり少女を熱演する姿と、彼女を取り巻く共演者が今活躍中の男優ばかりなのでビックリしながら、ドラマに釘付けになっていきました。まずは、「ごくせん」で強烈な存在感を見せた生瀬勝久さんがフリースクール校長役、第3シリーズでいい味出していた石黒英雄君が初恋の同級生役。


「のだめ」「イケメンパラダイス」から木村了君。「ハケンの品格」の勝地涼君。「3年B組金八先生(第7シリーズ)」の黒川智花ちゃんまで。テレビっ子ではない私でも知ってる顔ぶれが揃ってるのだから、妙に豪華に映りました。

【引きこもりについて】


多感な時期に傷つき、引きこもりになる子供が今も変わらず多いのが背景にあるのでしょうね。私が子供の頃は、ようやく「登校拒否」という言葉が聞かれるようになってきたころで、まだ引きこもりをしている子供は身近にはいませんでした。かといって、問題がなかったわけではなく、私自身も小学生の頃、いじめやら、さんざん子供の残酷性を見せ付けられて、今でもある種のトラウマ*1を背負っています。


蛇足ですが、私が「少年」という一種の理想像に引き付けられてしまうのは、その当時からの現実逃避の手段と、傷つけられた現実世界の残像をそこに見つけ出そうとしてしまうからかもしれません。本当の子供というのは、純粋さと同時に、あまりにも残酷で無神経さをも併せもつモンスターではないかと思っています。無防備で繊細な神経の子供がその攻撃にダメージを受けてしまうことは想像に難くありません。


それでもその傷ついた世界から逃げる最終手段が「ひきこもり」なのか?というとちょっと疑問に思ったりもして。結局、息苦しい閉鎖的な空間に、自分本位でエゴむき出しの人間が多数押し込められていて・・・という状況は、学校も会社も(日本の組織のあらゆるところで)同じようなものかもしれません。きっとそこに一人でも誰か自分を理解してくれる人がいれば、救われる部分があるんですね。


ただ、その理解者が”実の親”であることはなかなか難しいのかもしれません。あまりに近すぎて逆に見えない、ということもありますし。第三者(教師・友人・近所の知り合い等)が、問題を抱えた子供をケアできるようにならないかな、と。さらに画一的な学校というシステムとは別に、フリースクールや、あるいは自主学習(家庭教師)のようないろんな形態を持つ教育システムが普通に存在して、親子が自由に選べるようになるともっと良いのになあ、などと思ったりしました。*2


話を戻します。このドラマの原作は、人気漫画だということで確かにドラマ展開などがテンポ良く飽きさせません。浅野妙子さんという人気脚本家が組んだのも大きいでしょう。美月ちゃんの透明で吸い込まれそうな瞳を見ていて、その昔の薬師丸ひろ子さんのデビューの頃を思い出しました。存在感がありますし、正統派な美少女で活躍が楽しみです。


今回は2話分の再放送だったので、3話からは毎週木曜夜20時から続きが放映されます。まだ始まったばかりですね。なんだか良いドラマと出会えて得した気分でした。


キャットストリート (1) (マーガレットコミックス (3847))

キャットストリート (1) (マーガレットコミックス (3847))

原作本です。

*1:歳とともにだいぶ薄れましたけれど。

*2:教育問題は、簡単には解決策が言えませんね。大体部外者ですし・・・(笑)。