雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

Visual Olympic 2008 in 日比谷野音

思い起こせばなんと15年ぶり?の日比谷野音ライブを無事見てきました。もうそこまで昔だと野外ライブに行ったことすら、忘却の彼方・・・に近いものがあり、更に観劇後の疲れでちょっと頭がボーっとしながら、木立の生い茂る中を闊歩しておりました。やや生暖かいものの風がそよぎ、日差しは雲の中、残暑の厳しい東京にしては、なかなかライブ日和でした。心配した雨も降らず、ラッキー。


鉄製の頑丈な椅子は、案外ゆったりと座れ、程好い空間を生み出してました。頭上には、広がる空。ホールに比べると広々と開放的です。開演までのわずかな時間、軽く周りを見回して、「やっぱ客層若いなあ〜。誰のファンなんだろう?」と観察しておりました。Tシャツやバンダナらしきものを見ると、前方にはことごとく「Jealkb」のロゴが目に飛び込んできます。さすがは有名芸能人、その人気は全国区なんだなあ、と。


他に、(V系ブランクが10年という)この私でも「知ってる!」と勝手に懐かしさを覚えたPENICILLIN、彼らのファンがほとんどかな?という感じで、一抹の不安が。。。最も心配だったのは、ライブ終了時間でした。なんとか最終の新幹線に間に合う前にVersaillesには出てもらわないと・・・なんて。気が気じゃなかったのです。ああ、田舎者の辛さよ。

【共通項が無さ過ぎるバンド群】


最初は、初めて見聞きしたchariots、Vidollといった若手バンドが演奏しました。まさにファンもひっくるめて'00年代の「今のV系バンド」という感じでした。最近雑誌で見たり、わずかなPVを見てなんとなくおぼろげに想像していたのですが「ああ、今ってやっぱりこんな感じなんだ〜。」となんか妙に納得。すなわち10数年前に生息していたV系バンドとは、音もムードも全く似てないわけでやや戸惑いが・・・。


思いがけず中盤に早くも登場した、PENICILLINあたりから少しずつ慣れ親しんでいた空気が漂い始めました。曲調もノリもだいぶ馴染む感じで・・・。それにしてもこのイベントってあまりに”共通項のない”個性バラバラのV系バンドが揃ってるわけだったんだ〜と今更気付きました。そして、ファン層がほとんど重ならない(苦笑)ので、逆に忙しい部分もありました。


想定外で前方の席がとれてしまったので、お気に入りバンドの出番前に「席をチャンジして下さい」とあちこちから頼まれてしまったのが、その落ち着かない理由で(汗)。始まる前は「Versaillesは、2,3番手だろうな。」とタカをくくってて、「時間に余裕があったらPENICILLINやjealkbを見ようかな・・・」なんて予定していたので、どう考えてもこのイベントのメインディッシュ(笑)が先に登場したことに焦りました。野音に集まったファンの8割強が、彼らのファンだったと思います。


そしてこの2つの人気バンドのファンを見てると、あまりにも楽しそうでライブ会場というより「ここはディスコかな?」と錯覚する感じでした。そう考えると、昔のV系ファンってどこかしら悲愴感とか終末観みたいなものが漂ってた気がします。もちろん、ライブを楽しむ、という根っこのところはさして変わらないのかもしれませんが、黒系を着ていてもジャニーズのコンサートに負けないほどの(笑)底抜けの”明るさ”があったのが印象的でした。


「日本一腰の低いバンドです・・・」「謙虚にがんばります」から始まるロンブーさんのMCには、笑いが炸裂!そして、その笑いにも負けない本気のバンド演奏には、なんとも言えない驚きもありました。でも、ここで会場全体が一気にお祭りボルテージになってしまっていたので、オーラスのVersaillesには相当心配が渦巻いてしまいました。  ※ちなみに、無駄に長い前置きがこのブログの特徴です。

Versailles登場】


蚊取り線香とスモークの匂いが充満する夕闇に、ようやく薔薇につつまれたドラムセットとアンプがセットされたのは、19時近く。派手で仰々しいインストと共にメンバーが登場し、火炎が噴出すると世界が一変しました*1。先程までの心配はどこへやら、というか、あまりに作り込まれたビジュアル仮想空間にスッーと吸い込まれていってしまった自分がおりました。


実はこれがナマのLIVEで2度目の逢瀬でしたが、「ああなんとなく・・・じゃなくて、やっぱりすごーく惚れてたんだ、このバンド。」って今頃気付いてる自分がお馬鹿で笑えます。CDも結構聴いてたから、知らない曲も無くて素直に楽しくてたまらない。のっけの『Aristocrat's Symphony』『After Cloudia』『The Red Carpet Day』『Shout & Bites』『Sympathia』まで、めくるめく恍惚感に襲われまくり。


MCでは、KAMIJO君がバンド改名事件のことを真剣な表情で語っていました。「改名のことを知ってる人は?」という問いかけに挙手するファンを見て、「知名度だけはいっちょ前Versaillesです。」とやや自嘲的?に言ってました。Versailles Philharmonic Quintetというアメリカ用新バンド名を「長い名前だけど・・・」なんて言ってて、やっぱり分かってたのか、と思いつつも、内心おいおい、って突っ込みまくりでした。


その一方で、最初の1曲目の演奏を始めた時から、「この長くて仰々しい名前もあながち嘘じゃない」と感心しておりました。確かに彼らの音楽は、まさしくフィルハーモニック。様々な音が混ざり合って、手の込んだ様式美の世界が広がっていました。ゴージャスな衣装に身を固め、独特の劇場空間の中で、薔薇に代表されるコッテコテの美意識が音楽を過剰に装飾する。


実はVersaillesというバンド、絶滅寸前の亜種「V系版ティラノザウルス」であるがゆえに、かつてのV系を知る一般人には逆に分かりやすい存在なのかもしれません。幸か不幸か、知名度がバンド人気よりも先を行ってしまう理由を強く実感しました。

【愛すべきメンバー達】


初めてのライブの時に何度も襲われた恍惚感に身を委ねつつ、以前よりもっとメンバー一人一人に愛おしさや親近感を(勝手に)感じていたので、あまりに幸せで溶けてしまいそうでした。楽器をつまびく指先や踏ん張る足元も目に出来る絶好のシチュエーション。


もっと演奏する姿を楽しみたかったのですが、TERU君が「そうそうその調子!」と言わんばかりのナツッコイ笑顔を向けるものだから、どうしても顔に目が行ってしまいます(笑)。そして彼のシルバーの衣装と、くり抜かれて露わになっている白い腹が、何度も目に飛び込んで「あの腹に触りた〜い」というプチエロ気分を盛り上げてくれます。


その奥手でひらひらと重力を感じない動きをするJASMINE YOUさんもあなどれません。いや、実はその存在感は、元々とても好きで、私の陰の”憧れの君”なのです。慣れた手つきでの投げキッスも麗しい。居るだけで何かの化身という、感じです。


真っ赤なドレス姿のHIZAKI君まで遠くて、その姫ぶりと早弾きギターマンの勇姿をあまり見られなかったのはとても残念ではありましたが、時折空に放つその華麗な手の舞いと、可愛いTERU君と妖艶なジャスミンさんのおかげで寂しさを感じません。更に、去り際に前列ファンに身を乗り出してハイタッチしてるHIZAKI姫を間近で見て、思わず「ごちそうさま」。


そして、アンタが大将!なKAMIJO君。ええ、どうやったって無視できるわけがない存在です(笑)。歌ってる時のこの人は、ステージでスポットライトを浴びてないと生きていけない人なんだろうな、と思わせます。


V系ボーカリストとして(ある意味)やたらと極めているのに、生真面目さが親近感を呼んでしまう実に不思議な人です。歌い方も存在もどこまでもヤバそうなのに、なんでそんなに爽快なのか。あ、やはりルーツが「テニス小僧」だったせいかもしれませんね・・・。


新曲『PRINCE』は聴けなかったのがちょっと残念でしたが、ラストは『The Revenant Choir』で、大トリをしっかりと飾ってくれて、至極満足でございました。ほーらどうよ、音楽のことなんて、ちーっとも描写してないじゃん!*2ついつい妄想の渦に誘われるバンドなんです。


この日のライブは、小型ハンディカメラで撮影されていたので、何かの特典に入りそうですね。ただし、メンバーの派手なコスチュームに負ける(笑)あのカメラの大きさでは、よほど編集をかけないとあまり期待はできそうもないですが・・・。10月の豪華写真集でしばしビジュアルを楽しみたいと思います。


いやいや疲れた〜。気がつけば久しぶりにド長文です。しかも収拾ついてないクレイジーな感じ。トホホホ。

ファンブログ:Visual Olympic 2008 野音 に行ってきました: savanna style
 →ちゃんとした(笑)レポはこちらに。よくVersailles情報を利用させていただいてます。

*1:実はこのセッティングが大変だからラストバッターだったのかも。

*2:すみません、音楽系ブログではないのでお許しを。