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雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

花組全国ツアー『ベルサイユのばら外伝』観劇記

今週末は、久方ぶりの”宝塚”漬けでした。昨日は、貴城けいちゃんの『アプローズ』を見に東京へ遠征、そして今日は、宝塚全国ツアーを見に地元のホールへ、と。連チャンは、ただでさえ疲労感が増す上、移動疲れもあって、今日の公演は若干「面倒だなあ〜」と億劫な気分になってしまってました。


マトブンこと真飛聖ちゃんが、トップスターになって、私的にはお初のご対面。その前の春野寿美礼ちゃんがトップ時代に慣れ親しんだ花組でしたが、それだけに一抹の寂しさも感じていましたし、10ヶ月ぶりという観劇ブランクもあって、やや不安が・・・。入口でパンフレットを買い、開演直前に何気なくパラパラとめくってみました。なかなか懐かしい顔ぶれが揃っておりますね〜。


しかし、そこに予想もしていない写真がありました。壮一帆。ものの10秒程、考えます。「あれ、全ツって途中で役替わりあったっけ?」私の頭の中では、てっきり壮君は、花組別働隊*1に参加中と思い込んでいたので、そこにはありえない名前だったのです。公演が決まってから約半年間、「壮君は、来ないのね・・・(涙)」と落胆の日々だったので、この瞬間、逆転ホームラン!という喜びに変わりました。

※写真は、地元で発行されたチケット。昔懐かしいチケットのように、毎回写真入りなのが嬉しいです。

【トンデモ・ベルばら編】


うらぶれたベルサイユ宮殿の前に暗く佇む男一人。フランス革命から10年、戦闘で右腕を失い、亡き最愛の妹ディアンヌの亡霊と話を始めるアラン。彼は、オスカル・アンドレと過ごした懐かしき日々の思い出を語り、初めて自分が愛した女性・オスカルとの果たすべき約束を胸に秘めているのだった。。。


この外伝の主役アランは、もちろんマトブンです。2年前に本公演でベルばらを見たときにも、一度は、マトブンの衛兵隊士のアラン役を観た気がしたのですが、記憶は定かではありません。もしかしたら、「ベルばら2001」だったかしら?荒くれ者をやらせたらダントツの上手さ!とは思っていましたが、あまりに文句の付けどころのない存在感に感嘆しました。


オスカル・アンドレが後輩達だったというのはありますが、あくまで脇役であるアランという人物を、こんなに魅力的に演じられる人はマトブンの他にはいないだろう、と確信できます。意気がってとてつもなく熱い野郎魂を持っているけれど、誰にも見せない悲しみを抱いてる様がジワジワと漂ってきて、芝居巧者ぶりが光りました。


それだけに相変わらずの「脚本の悪さ」が恨まれます。良い場面やグッとくるような台詞もあるというのに、冗長で説明台詞が満載、まるで電動紙芝居を見てるようです。登場人物が、正面を見て仁王立ちで延々長ゼリフを言うなんて、もはや演劇にすらなってないじゃない!


ディアンヌの自殺の後、悲嘆にくれるアランがオスカルに妹が憧れていた金髪の1房を所望するシーンくらい(←実は好きなシーン)見られるか、と思ったのに・・・ああ無念。とびぬけてハマリ役なマトブンのアランが惜しくてなりません。個人的には、壮君のアンドレとの絡み(ん、違うか?)には、何気に興奮してましたが(笑)。

【全ては壮君のために・・・】


実は、この公演、愛音オスカルよりも壮君のアンドレが準主役だったんですね。出番が多く、歌い上げるシーンもあってとっても麗しかったです。ベルばら本編で、壮君のジェローデル&メルキオール役を見たことがありましたが、雪組時代の全ツでアンドレを演じた、ということしか知らず、アンドレ役は初見でした。


想像ですが、たぶんその当時よりは、ちょっとは”大人な”アンドレになっていたと思います。ただオスカルへの包容力があるか、というとうーん(汗)。。。目が見えなくなってアランや衛兵隊士達に「お前なんか足手まといなだけだ!」とさんざん叱責されていますが、目が見えても壮アンドレなら足手まといになりそう・・・とか(失礼)。


どこまでも一点の曇りもないような爽やかさで、今にも夕日に向かって走り出しそうな青春いっぱい愛情いっぱいの純情な壮アンドレ。「オレでは、ダメなのか」と慟哭する姿が愛おしい→もっと苛めて!(おいおい)。このまんまいったら、今宵一夜どころか、その前にアランやジェローデルにオスカルをかっさらわれるぞい!って思うようなひ弱さ、がソソるのです(笑)。


目が見えないことを隠して戦いに参加させてくれ、と懇願する、痛ましいほど悲しい姿は、壮君の真骨頂。あまりに哀れで、涙を誘いました。もちろん、シーンとして泣かせの場面であることは当然でしょうが、まさに壮君の人間性が前面に出てくる捨て身の芝居で、ホントいいわ〜(溜息)。が、盛り上げてくれた割には、バスチーユでオスカルと一緒に死んだ、という語りでとっとと消されてしまい、なんじゃ〜い!?て感じです。


10年後、アランがナポレオン・ボナパルトと対峙する、なんてくだりが出てくるとは夢にも思いませんでしたが、これは原作にもあるのでしょうか?外伝読んだはずだけれど、思い当たりませんでした。でも最後の締めの台詞でまた、マトブンにクラクラ。いやあ、トップスターというのは凄いものだ。トンデモ脚本であっても、見せ場は強引に自分に引き付けてしまうその力量に乾杯!

【エンター・ザ・レビュー】


ショーのほうは、本公演の焼き直しバージョンで、寿美礼ちゃんや樹里ちゃんの活躍を何度も思い出してしまいました。衣装もシーンもほぼ同じでしたが、一番の見どころだった「アランフェス」が「ウナモール」に変わってしまってて残念。でもこちらも、マトブンと壮君の妖しい絡みがなかなかよろしかったです。


壮君は、樹里ちゃんのシーンをほぼ受け持っていたので役得でしたね。明るいピエロや猛獣使いなんかも楽しく見せてくれました。踊ってる時、いつも肩から上が最初に動く特徴や、底抜けのスマイルは最高!ただし、壮君、これで「妖しい色気が漂う男役」になったら怖いもの無し、なんですけどねえ。。。


全体的にソツのないマトブン、女役姿も寿美礼ちゃんのときは、ちょっとオカルト(笑)でしたが、マトブンの場合は、(女役の可愛らしさとはちょっと違う)愛嬌たっぷりで微笑ましかったです。中詰めで踊りながら、いきなり「萩の月!」とか「伊達政宗!」とか叫んでいた*2のには、リアクションに困りましたが、その心意気は会場のムードをほぐしてました。


愛音羽麗ちゃん、未涼亜希ちゃん、望月理世ちゃんなど、見慣れた顔ぶれも居て嬉しかったのですが、彼女達は良くも悪くもあまり以前と変わったところがなく、安定しすぎているのが気になりました。トップ娘役桜乃彩音ちゃんも、ヒロインとしての魅力はちゃんと出てましたので、あとはやはり歌の鍛錬かな。


宝塚からしばらく離れていて、唯一、心残りだったのが壮君の存在。このトビキリ明るく屈託のない笑顔の持ち主に、いつかまた会いたいものです。


歌劇 2008年 08月号 [雑誌]

歌劇 2008年 08月号 [雑誌]


壮君が歌劇の表紙を飾りましたね。ちょっと感慨無量かも。壮君ってある意味、存在自体がとってもタカラジェンヌらしい人だなあ、と思ってしまいます。

*1:全ツ組とは別に芝居を打ってる花組のメンバー。「銀ちゃんの恋」で大空祐飛主演。

*2:もっといっぱい特産品を言っていたのですが、聞き取れませんでした。