雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

『感染列島』  凛々しすぎる檀れい様

大河ドラマ天地人」の影響にすっかりのせられて、妻夫木聡君主演の「感染列島」を見に行きました。オカルト、戦争、動物、恋愛、時代劇系の映画はパスする私ですが、パニック映画は結構好きです。人間の本性とか愛が描かれやすいからかもしれませんね。とは言うものの、血まみれ映像はやはり苦手です。


先に見た友人の話では、「あまり期待できないかな・・・?」とは思っていたのですが、新型インフルエンザなど、巷で話題の昨今なのでやはり見ておこう、と思い直しました。でその結果ですが、友人の感想のまんまでした(苦笑)。「日本沈没」の時も思いましたし、はるか昔に見た「首都喪失」を思い出し、さらに「L 〜change the world〜」の悪夢も甦り、またこのパターンか、と。


日本のパニックムービーって、導入部とか素材の思いつきはなかなかなんですが、どうにも中盤に人間愛(家族愛や恋愛)を描き出そうとして失速、ラストがまたどうにも腑に落ちない、あまりにも「たなぼたラッキー」で無理やり解決してしまうことが多い気がします。更にお金がないため、マスコミや政府関係者の動向をニュース映像等でお茶を濁していたりして、ますます現実感が薄れていくわけで。


原作小説でも、そのあたりさほど書き込まれていないことがあるのか場当たり的なストーリー展開になってしまうのも仕方ないかもしれません。その分、”厚みのある物語性”があればまだいいんですけど、なんだか「感染列島」は、チグハグ感が強かったです。だんだん人の死が当たり前になっていって、「ああ、この人も死ぬんだろうな」とか淡々と見てしまって。

【妻夫木君を押さえ込む女?】


病院モノでありながら、妻夫木君演じる医者・松岡は途中で病院を出て、東南アジアに飛んだりする謎の展開もあり、ここで気分的にちょっと脱落しました。「キミは一体何をしたいんだ?!」と。まあ、映画ですからトンデモ展開も有だとは思いますが、感染源に私服で飛び込むのは”勇気”を通り越して、”命知らず”でしょう。


まあ、(笑えない)ツッコミどころは満載ですが、何より見終わってとっても印象的だったのが檀れいちゃんの演じる小林栄子。松岡の恋人でもあった人。すごい歳の差カップルなのですが、二人の間の恋愛がかなりビミョーで。。。


あれほどまでになつっこい笑みをたやさない、人好きのする妻夫木君が、檀ちゃんと二人きりのシーンでは緊張感が漂いまくり・・・で見ててどうしようか、と思いました(笑)。まあ、愛を叫ぶ映画ではないし、人の命を預かる状況で、深刻さを表現しなくてはいけないのでしょうが、演じなくても充分にピリピリ感が出てる感じでした。


スクリーンに何度もアップになる檀ちゃんを見ていて、ふと思い出しました。私が宝塚ファンをやってた7年間に、舞台で一番目にしてた娘役は、彼女だったかも!?と。何せ最初にハマッた男役がいた月組の娘役トップで、その後「新専科」へ移って、もう組子には戻れないか、と思ったらまさかの星組トップに返り咲き。音楽学校時代は、”男役”を志望していた、という芯の強さが逆境にも強い彼女を作り上げたのかもしれません。


特に好き嫌いの感情もなかったのですが、中国公演では「楊貴妃の再来」と呼ばれた美貌、熱が入りすぎてやや空回り気味?のオーバーな演技、ダンスの時の(軽やかさとは縁遠い)ステップなど、まんま「檀れい」節として脳裏に焼きついてました。これもまた”個性”かもしれません。


さんざん舞台で見た後、それでも(退団後の)女優業は厳しいだろうなあ、と思ったら、「武士の一分」で注目を集め、CMなんかでも活躍する、つくづく強運の持ち主だな〜と。女優として檀ちゃんを知った人はイマドキでない古風な美人さん、と思うかもしれませんが、私からすると肝の据わった女性という感じで、「いやあ相変わらず凛々しいわ」と感嘆。


今回は、年下の妻夫木君をリードする女性、ということでその凛々しさをてんこ盛りで見せてくれましたね。見終わってから、やたらと檀ちゃんの顔が焼きついてしまい、あれれ?という感じでした。あとは、相変わらず唸らせる演技力の池脇千鶴ちゃん、とか若い夏緒ちゃんとか、女上位の映画だった気がします。


次は、映画予告で見た「ジェネラル・ルージュの凱旋」(→もち堺雅人さん見たさに)「重力ピエロ」「ハチ公物語」*1は、見たいですね。しばらく映画館に行ってませんでしたが、見始めると予告に誘われて見たくなるものです。


感染列島―映画ノベライズ版 (小学館文庫)

感染列島―映画ノベライズ版 (小学館文庫)

映画版ノベライズ。

*1:リチャード・ギア主演のハリウッド版です。