雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

「フルーツバスケット」観劇記(1)

素直に楽しめた芝居

ようやく劇団スタジオライフの『フルーツバスケット』を見てきました。ダブル・キャストの公演は、チェリーチームで始まり、ストロベリーチームを2回連続で、計3回。「期待しないで見よう」と思ったのが良かったのか、期待以上に楽しめてしまい、生粋のライファーとしては、「それでいいのか?邪道ではないか?」と思わないでもない複雑な心境でもあります。


原作漫画については、全く知りませんでした*1。なので、二次元から三次元へのギャップは、ほとんど気になりません。スタジオライフは過去、無謀!と思われるような少女漫画にもチャレンジしており、今回の芝居なんて目じゃないほど収拾つかない内容の時もありましたので(ってフォローになってない)、むしろ上出来の部類に思いました。


倉田さんが原作の6巻まで、でシナリオを作成したのは賢明だと思います。*2さらに、その中で見せ場をいくつか用意してくれて、それが”昔懐かしいライフ”を彷彿とさせるような・・・かなり私好みのシーンが多くて、興奮&涙しました。いやあ、この味わいを通常の本公演でも出して欲しいものだわ、て思ったほどです。


今回の舞台では、十二支に憑かれた登場人物と主人公の本田透が出会い、その葛藤を知り癒やしていくところに比重が置かれてました。そして、それぞれの苦悩や背負ってきた悲しみなどをかいつまんで紹介していきます。十二支も全員の登場は無理だったようで、直前になって「草摩綾女」がカットとなり、吉田隆太ファンの私としてはちょっと落胆しました。ま、どう考え立って”上演時間の問題”という大人の事情であることは、想像に難くないです。


どこからかスタジオライフ初観劇と思われる若い女の子が「2時間半って長いよね~。」と言ってるのが聞こえてきましたが、倉田さんの作品で「休憩有で2時間半ということ自体が奇跡的な短さ」なのですから(笑)。にしても、吉田君、台詞覚えていたとしたら気の毒ですねえ。それでも私的には、佳菜役で、彼の女役をまた堪能できただけで幸せでしたが。


心配していたのは、抱き疲れると”動物(十二支)に変身”してしまう、という登場人物の変身シーン。実に予想外、あまりに素朴、で初めて見た時は、脱力してしまいました。原作ファンには相当顰蹙をかいそうですが、客席の笑い声は思ったより温かかったのでホッとしました。また中途半端な映像で誤魔化すよりは、あれで良かったのかな・・・と。


銀河劇場なんてメジャーな劇場スペースに、イマドキありえないほどシンプルなセットと子供だましに近いチープな演出、”想像力と五感”で補充することこそファンの生きる道です。でもこれが、終わってからファン仲間とのお茶タイムに花を咲かせるツッコミネタの一つにもなり、慣れると意外と快感だったりするわけです。ああ、なんて教育された良いファンだ(笑)。

【客演の面白さ&SHOWTA君】


今回のプロデュース公演の見どころは、なんと言っても客演とライフ役者のジョイントです。私としては、スタジオライフの本公演に1,2名のゲストが参加するという中途半端な形態より、こんなふうに半数以上、知らない役者さんを組み合わせてくれたほうが、”別モノ”として切り離して見られて楽なのです。今回客演の方達は、SHOWTA蒼井翔太)君以外全く存じませんでした。そのSHOWTA君自体、役者として舞台に立つのは初めて、とのことでした。


今はイケメンの若手俳優がうじゃうじゃいるんだなあ~と溜息。稽古場日記を見ても、誰が誰だか全く分からず、芝居を見た後もメインキャスト以外はあまり覚えることができませんでした。ただ、全員に共通していたのは、参加した皆がハツラツとした気持ちの良い笑顔で舞台に立ち、芝居の中に招き入れてくれたことです。


カンパニーとしてまとまって、良い空気を放っているのは感じられました。若い役者(タレント)達だけに、変な拘りやプライドなどが少なく全力投球な姿が爽やかで応援したくなりましたね。なかでもストロベリーチームは、非常にバランスが取れていて、そこに感心しました。初めて見る人にはこちらのほうが見やすいかもしれません。


主人公透役で、最近とみにヒロインづいてる三上俊君は、可愛いらしさも安定してます(笑)。純真だけど逞しさが漂う、三上君の透。同期の松本慎也君(草摩由希役)のほうは、顔の肉が削げ落ちて、(華奢な体躯ではありますが)どんどん男っぽさが出てきてます。今後、三上君に”ヒロインの座”を奪われてしまいそうで、密かに心配です。


その二人と絡む上山竜司君(草摩夾役)が、芝居慣れした巧さを見せて驚きました。プロフィールを見てみると、若いとはいえかなりキャリアも積んでいるようですね。漫画から抜け出たような、というか普通に高校生としてリアリティがありました。キレイなバク宙にもときめいたし、全身男らしいキャラ、そのままです。


このメインキャラ3人の呼吸が合ってて、とても見やすかったです。更に相棒?の米原幸佑君(草摩楽羅役)とも呼吸がピッタリで、アクロバットはお見事!!パチパチ(拍手)という感じでした。米原君もかなりのイケメンですが、ニッコリ笑うとなんか親しみやすい顔立ちになり、演技もしっかりしていました。女役を過剰に意識せずにノビノビと演じていたところもポイント高し。妙にフリルのスカートが似合ってました。


個人的に大注目だった花島咲役のSHOWTA君。見た目は、出演者の中でも(下手したら客席の女性よりも!?)女の子そのものでした。おまけに可憐な話し声まで「女」です。女装が似合うとは想像してましたが、これだけ似合うとは、歌手にしておくのはもったいない(笑)。いつでもライフに特等席を空けておくから来ておくんなまし。


ただ、演技のほうはちょっと「女を演じること」に頑張りすぎてたかもなあ・・・。漫画のキャラクターを、頭で作り上げてカタチに囚われてしまってるところがあった気がします。若さゆえ、かもしれませんが、「別にそのままのキミでいいんだよ」と心の中で呟く。一方で、随分と台詞に神経を使って、彼なりに工夫を加えていたところは分かりました。なんかそんな努力にもちょっと胸打たれてしまったり。


歌唱シーンは圧巻でした。まさにSHOWTAオンステージ、天使が舞い降りてくるひととき。3曲のソロをしっとりと”女声”で聞かせてくれました。最初の曲は、ほとんど裏声(キーが高くてヒヤヒヤ)でしたが、そこはプロ、ちゃんと歌いきってましたね。アルバムで聴いていたのと全然違って感じられました。SHOWTA君の歌は、打ち込みサウンドではなく、ギターやピアノの素朴な伴奏のほうが効果的かもしれません。この舞台をきっかけにちょっと新たな曲調へもチャレンジして欲しいな。


(すでにこれだけで長くなってしまいましたので、続きはまた次へ。)


新しい夜明け

新しい夜明け

石飛さんの話では、今回の舞台で使われている曲は「ボク達の世代には懐かしい」、と言ってましたが私には全く分かりませんでした。オープニングの全員で歌った元気な曲はどこかで聴き覚えがありましたが、分かったのは、リベラだけです。ラストの見せどころ”夾を理解する透”で流れたのは、お馴染みリベラの「air(G線上のアリア)」でしたね。


miyabi2013.hatenablog.com
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*1:映画や舞台を見るときは、基本的に原作は見ない主義です。

*2:全巻舞台化できれば・・・なんて口を滑らしておられましたが、たぶんそんな無茶なことにはならないでしょう。