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雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

堺雅人・過去の作品(2)~ラブリーで怪しくてエロい美青年時代~

堺雅人の映画デビュー当時の映像を選んでまとめ借りしました。日本映画でも久しぶりにB(C)級ものの映画を見たのですが、どんなものが飛び出すか全く分からない面白さがありました。学生時代、よくワケの分からないビデオをレンタルして、「ふーむ」と首を傾げて見ていた頃を思い出して懐かしくなったり。


いやホント、次から次から「よくもこんなマイナー作品に出ていたものだ。」と驚くほど若き日の堺さんは、マニアックな作品にばかり出演しています。まあ、”売れない若手俳優”なんてこんなものかもしれませんが、だからこそそのワケの分からない作品達での役柄がどれも個性的で面白い。驚きの連続です。今にして思えば、こんなに可愛くて、こんなに美青年のルックスで「何故にこの作品なの?」 とすら思ってしまうのですが、これはファンの贔屓目でしょうね。


さすがに10年前の堺雅人は若い、綺麗、細いの三拍子。「堺さん」ではなくて「マサト君」です。いやあ、この時代の彼にも会いたかった!!今のナイスミドル一歩手前の姿も味わいありますけど、「小演劇界のプリンス」という呼び名がダテでなかったのを、確認しちゃうと身悶えしちゃうほど・・・素敵。


以下、簡単にではありますが、作品群と個人的見どころ(→目の付けドコロが変、なので参考にはならないと思いますが)を列挙したいと思います。ちなみにあらすじを書くのは不得手なので、できるかぎりはしょっております。パーセンテージは、作品に占める堺さん出演の率。これもアバウトですけど。

火星の我が家(1999)

あらすじ:主人公未知子は、歌が歌えなくなってNYから実家に里帰りする。そこには、火星に魅せられた宇宙博士の父親・康平と姉夫婦、はなれに居候の透が住む。ある日突然、父親が倒れたことで、娘2人は交代で介護するが、やがて家族の確執が浮き上がる。


堺雅人占有率:40%(映画撮影当時25歳)・・・ 康平の教え子で、司法試験に落ち続けている、普通の好青年<中島透>役。未知子に淡い恋心を抱きつつも、姉の誘惑に負けて関係を持ってしまう。


1998年夏クランクイン。横浜の一軒家*1を借りて撮影した作品。全体的に映像もぼんやりした感じで、まるで'70〜'80年代の空気を感じさせます。冒頭、主役の未知子を演じた鈴木重子さんの”棒読み”に唖然としますが、この方はもともと歌手(現在も歌手で活躍中)であり映画への出演も初めてだったそうです。慣れてくるとその天然ぶりがイヤミなく伝わってきます。


対するマサト君、まずは普通に上手。透はどこにでもいるような生真面目な普通の青年で、個性が強い登場人物達の中で浮き上がらないで、アッサリめの演技が潤滑油になってる感じです。髪型もキュートで、ランニングシャツやTシャツにホットパンツ姿という、若さ真っ盛り(夏だし、なんかフェロモンムンムンしてる)の外見にウットリします。


ストーリーは、ホームドラマに近くて、まったりしててどこが盛り上がりか分からないんですけど・・・。マサト君的見どころは、未知子へ施す”腰揉み”シーン*2がまずエロい(笑)。寸止めのラブシーンも不器用そうで可愛い。更に10歳年上の姉・久仁子に誘惑されてそれにノッテしまう「若気の至り」のカラミが少々。「そりゃあこんなカワイイ子、誘惑もしたくなるわさ」とモロ下心モードで見てしまいました。


映像特典には、本読みとティーチイン(トークショー)があり、これもなかなか面白いです。本読みなのに、この段階で台詞を全て覚えてしまっていたマサト君は、もはや演技モードに入ってます。ラブシーンの稽古にどぎまぎして「これ(2人の距離が)近いんですか?」と監督に質問する鈴木さんに対し、「近いです、(マサト君、にじり寄る)それ位の距離です」と接近して、ニコニコ笑顔でプチリハしてあげる優しさが素敵。


そのラブシーン、監督に「堺君、格好良すぎ」と2回もダメ出しされた、そうです。舞台の上のカッコつけた堺君でなく、オフのキミで演じて、というアドバイスで。


火星のわが家(廉価版) [DVD]

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堺雅人ファン以外にはあまり勧められない作品ですね。特別ストーリーが面白いわけではないから。


ひまわり(2000年)

あらすじ:海難事故で死んだ真鍋朋美、葬式に集まった小学校時代の同級生達にとって、彼女に対する思い出はおぼろげだ。葬式の場には、朋美と付き合っていた男達も集まっており、一人また一人と彼女との思い出を話していくことで、主人公が忘れていた”初恋”の記憶が蘇ってくる。


堺雅人占有率:7% ・・・ うさんくさいメークアップ・アーティスト、<ユウイチ>役。色付きのめがねをかけており、地味で得たいの知れない印象を与える。朋美の”過去の男”の1人で、別れた後のメイクアップだけは続けていた。


ストーリーは、なんか他の題材でも何度か見たことがあるタイプのものです。静かで淡々とした映像の中、袴田吉彦さん演ずる主人公が、いくつかのおぼろげなエピソードから、忘れていた初恋の記憶を辿っていく内容です。しかし、この映画、朋美(麻生久美子)の過去の男遍歴がすごい(笑)。贅沢すぎる顔ぶれの男優が揃ってます。北村一輝光石研田中哲司、そして堺雅人。10年前だから集められた豪華メンバーなんでしょうね。北村さんも若い!


なかなか堺さんが出てこなくて、焦れた頃に登場します。本来はまだまだ若い頃で、「張り込み」より前に撮られた映画だなんて信じられないほど、落ち着きのある(やや老けた)風貌。朋美にメイクアップを施すときの、顔の表情や手の動きが独特で、役に没入してやや怪しいムードを醸し出してるのが印象的です。メイクアップ・アーティストのイメージってそれなのね、と納得。


よく見ると舞台俳優ならではの”小芝居”も効いてます(特に酒場でのシーン、ストップモーションで佇むマサト君が妙で)。きっとまた研究したんだろうなあ、というのが実感できる作品でした。

ひまわり [DVD]

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張り込み(2001年)

あらすじ:団地に住む人妻スミレ(夫は長期出張中)のもとに、向かいの棟に匿われている容疑者の張り込みをしたいと刑事が入ってくる。怪しみつつも部屋に入れたその男は、強引で卑猥な言葉と変質者的な態度をエスカレートさせていく。更にはこの団地で自殺したサラリーマンの死の真相を突きつけてスミレを追い詰める。


堺雅人占有率:10% ・・・ 英語教材のセールスマン、<荒川ヤスオ>役。スミレに誘惑されて関係を持つが、気弱で無責任な一面も見せ、やがてスミレによって殺される。


よくよく見れば「ラブシネマ」と銘打った、Vシネマ系のビデオ作品のようです。まあ、変態チックに攻めていく刑事役の小市慢太郎さんと、したたかなスミレ役若林しほさんのバトルが怖い。しかし、画面がモノクロからカラーへ変わり飛び込んでくるのは、屈託のないマサト君の笑顔。見た瞬間、コケそうになるほど超可愛い。これ、堺雅人でなくても一瞬で虜になりそう。


ややウェーブがかかったふんわりヘアの下に、いじらしさすら感じさせる清潔感のある微笑み、怪しい発音の英語でスミレに教材をアピールし、教材の代わりに”己の肉体”を買わせてしまったヤスオ。そう、ここでも年上の女性に誘惑されてます(笑)。うん、これは誘惑するわ〜、私でも誘惑したくなる(なぜか力説)。これは詐欺だ!信じられないほど可愛い。この年代の男性を可愛いと思うことって滅多にないはずなのだけど。


その後、心の準備もしないうちに衝撃のシーンが・・・。若妻との昼下がりの情事。すいません、ウハウハ繰り返して見てしまいました。噂で聞くところによると、堺さんの数少ないラブシーンの中でも最も激しいものだとか。確かに確かに、こりゃあ凄い。綺麗な指でそんなところを弄って(笑)。


というかあくまで堺雅人としては激しい部類であって、他の男優達の比ではないですけど。激しいキスの応酬もあるのですが、なんか体当たりすぎて、口からぶつかってるだけ、て感じもしなくない。こんなにムンムン・エロ系(妙に爽やかなのがまた高等芸術?)なマサト君時代もあったのかあ、と目が開かれました。


でもなんかよく見るとちょっと違和感が・・・。床でもつれ合う2人、マサト君の長髪のシルエットと細身の体がフェミニンで、まるでレズビアン同士が絡み合ってるような・・・。高めの声を持つマサト氏、AV系にありがちな作りすぎの悶え声を聞かせる女性の声に合間に、かすかに聞こえる荒い息遣いがまた色っぽくて、こりゃどっちが抱かれてるか分からないわ〜(笑)と。


初めて見た時は生々しかったのですが、繰り返して見ると、冷静に楽しんでしまう自分が怖い。動物園で珍獣を見てる感覚に近いかも。で、この作品の見どころはそこだけです(言い切るな!)。この後、スミレに迫られ、卑怯な手段で別れを切り出すヤスオに、こういう男っているよな、みたいなリアルさを感じ、そりゃ殺されちゃうのも仕方ないかも・・・と同情できなかったし。


しかし、特典映像で舞台挨拶風景が映ると一変します。そこにいる佇む堺雅人は、いつも”優しい笑顔のお兄さん”に戻っており、映画を見た後のお客さんのギャップは相当あっただろうな、と思わされました。


張り込み [DVD]

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絶版のようですね、やたらと高騰してる(汗)。


ココニイルコト(2001年)

あらすじ:広告代理店で働くコピーライターの卵、志乃。上司との不倫がバレ、彼の妻から手切れ金を渡され、大阪支店へとばされる。初めての土地で、やる気もない志乃だったが、いつもヘラヘラ笑って人生を楽しんでいる悦郎と出会ったことで、彼女の中の何かが目覚めていく。


堺雅人占有率:70% ・・・ いつも笑顔で飄々としながら、志乃を温かく見守る前野悦郎役。骨董好きの青年。「ええんとちゃいまっか」が口癖の超前向きな明るい若者だが、実は心臓に欠陥を抱えており、手術が必要な体であった。


映画初出演の真中瞳さんの演技が淡白すぎで、こなれてなく、最初のほうは見てるのがちょっとキツかったです。しかし、思ったよりすぐに登場する堺さん(若さに似合わず落ち着いた感じもありますね)が出てきて軽やかに、ハートフルな悦郎を見せてくれるので飽きずに見られました。すごく印象的で、良い役なんです。これだけの演技見せているのに、何故ブレイクしなかったか、不思議なほど。


ポスターの写真がなんか岩井俊二監督の「ラブレター」に激似で、ちょっと二番煎じに見えちゃったりもして。なかなか良い映画なんですが、全体的なパッションや印象が弱いかな。。。後になると段々、薄らいできてしまうような映画です。これもちょっと'90年代っぽいテイストがある映画でした。


骨董屋の主人で寝てるだけで登場した鶴瓶さんが、後にトーク番組で堺さんをゲストに招いたとき、すっかり初対面だと思ってたらしく、「この映画で共演したのが堺さんだと分からなかった」と言ってました。映画を見てみたら、堺さんは準主役のような比重の高さで、普通忘れないだろう、て感じなんですね。それだけ「別人」ぶりがすごかったのかもしれません。


雑誌の記事では、宮崎出身の堺さんに大阪弁の「あかん」のイントネーションを教えていたのが鶴瓶さんだったような話もありますし。


ココニイルコト [DVD]

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これら10年前の作品群を見ていて思うのは、男優より女優のほうが移り変わりが激しい、ということ。もちろん有名無名はありますが、女優はやはり鮮度で勝負!みたいな感じがあって、よほど個性を磨かないと、若さを失った後にしぶとく生き残るのも大変な感じがします。男優も同じですけど、作品に恵まれないとなかなか上には上がっていけない。


堺さんが無名に近い若い頃でも(確かに小粒で地味な作品ばかりではありますが)、これだけ印象的で巧みな演技をしているという事実に驚きました。それこそこの頃、ひょんなきっかけで見ていたら、ひょっとしてファンになってたかも・・・と思うほど。若い頃も今とは違った魅力があると知ったら、この月日のブランクが勿体無くて、ちょっと悔しいかも、と思いましたね。


それにしても最近の私は狂ってるなあ・・・。ちゃんとマサト君以外も楽しんでるはずなんですが。

堺雅人・過去の作品(1)ゲイ役を熱演『ビューティフル・サンディ』 - 雅・処

*1:この映画が完成した後、取り壊されたそうです。

*2:トークショーで監督に質問してる女性も「エロイ」を連発してました。やはり思うところは同じ。