雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

スタジオライフ外部「ACT泉鏡花」「黒執事」

外部出演2本

ちょっと前になりますが、(なかなか感想を書く気にならずにいた)スタジオライフ外部公演の2本を簡単に書いておきます。12日に『ACT泉鏡花』という音楽劇を見ました。平日の夜ということもあり、なんとなく仙台公演があるよ、と聞いたときからあまり食指が進まず、当日券で見た作品。


ライフからは、曽世海司山本芳樹松本慎也と一応”主役級”3名が参加。そして、今話題のAKB48から5名の女の子達、ベテラン勢に木の実ナナさんと近藤正臣さん。他3名の出演者でしたが、その中には三浦涼介*1君もいてビックリ。


泉鏡花という馴染みのない作家が題材だし、異色の顔合わせだし、どう見てもAKB48の引き立て役っぽいし・・・と感じてました。それにAKBといっても全然知らない顔ばかりですし、彼女達に「舞台でも出して経験つけさせたい」というのが目的、という感じを受けておりましたが、実際、作品を見て見てまさに予想した通り、という出来ばえで苦笑しちゃいました。


決して面白くないわけではないのです。「アヤカシ」の世界を書いた、一風変わった作家の世界を夢かうつつか、と物語世界を織り交ぜて脚色している実験的な(それでいてよく見かけるような)作品です。気が抜けそうになると、5人の少女達が出てきてハリのある、しかし未成熟な声といかにも練習しました的、な踊りでメリハリをつけています。


”ちゃんと芝居”らしきものになるように、近藤さんと木の実さんがところどころしめてて(「湯島の境内」はちょっと眠かったものの)、狂言廻しのように登場する三浦くんと宮菜さんもなかなか器用な演技を見せてくれました。ライフについては、泉鏡花の子供時代(「絵本の春」)と公子(「海神別荘」)を演じたマツシン(松本)が結構目立ってて、本公演のみならず外部でも”マツシン時代到来”なのかーと感慨深いものがありました。


でもライフでは、少年か女役の印象が強いので、こういう若くて凛々しい王子役も結構似合うんだなあ、と再認識。曽世さんは、「海神別荘」でエビス様?みたいな怪しげな僧侶役を強烈に演じてて、他を忘れてしまうほどのインパクトでした。でも、全体的に脇にまわってしまって残念。芳樹君はなかなか出てこないなあ、と思ったら「天守物語」の図書之助役で登場。「天守物語」はその昔、渋谷のセルリンタワー内の能楽堂で見た芝居で、ものすごく懐かしかったです。


あの時は、亀姫をライフの及川健君が演じて、富姫はあの大女優・松坂慶子さんだったっけ、と思い出が蘇りました。でもその割にストーリーは結構忘れてまして、今回の芝居を見ながら「あれれ、そんな話だったっけ?」なんて感じでした。富姫役の秋元才加ちゃんは、”お姫様”の演技がなかなかよろしくて、姫風カツラもとてもお似合いだったので、「へえ、中にはこんな子も混じってるんだ。」と見直していたら、次の日にはちょっとしたスキャンダルが出ててまた一段と覚えてしまったという(笑)。


そんなことなら、最後に催されたAKBのハイタッチも、参加しておけば良かったかな、なんてお気楽三昧に思っていたりしました。泉鏡花の代表作をいくつか抜粋して繋ぎ合わせてる入門編的な内容だったので、退屈ではなかったけれどこれで6,800円はちょっと高すぎかな、というのが正直な感想でした。特にAKB48の見せ場がさほど多くなく、かといってあれ以上、出番を増やすと学芸会になってしまうため、他の出演者達の比重も高めたようで、どっちつかずの出し物になっていたかも。


個人的にはその昔、近藤正臣さんの土方歳三*2に憧れたりしたので、すっかり白髪になった近藤さんを見てちょっと切ないものを感じました。客席が老若男女まじりあってたのは、近藤さんや木の実さんのファンもいたからなんでしょうね。地方公演だし、ライファーはあまりいなかったかもしれません。


ちなみにこの舞台、劇場内で「DVD化決定!」と宣伝されてました。

【「黒執事ゲキシネ版】


先月の初めには、舞台版「黒執事」のゲキシネバージョンを見に郊外のシネコンに行ってきました。たまたま1週間だけの上映情報を目にして、たまたま近くに用があった、と偶然が重なって見に行けた作品です。こちらのライフ組は、松本慎也、岩崎大青木隆敏の3人衆。特にマツシンの見せ場がある、という噂を聞いていたのと、漫画やアニメでもちらほら目にしていた作品だったので、舞台はどんな出来栄えなのか、という興味がありました。


ストーリーは、舞台版オリジナルのようですね。ロンドンで謎の変死事件が続き、死神派遣協会に回収されるはずの「魂」が回収されない、という報告が入ります。調査を命じられたアランとエリックの死神2人、そして女王陛下の命により事件の裏を探るセバスチャン&シエルが交錯していきます。重要人物アラン役にマツシン。


主役の悪魔セバスチャン役の松下優也君はまだ二十歳そこそこというのが信じられないほどの舞台度胸を見せてました。もともと歌手ということで歌のほうもソツなく・・・時折、目元が芸人のコロッケ氏に似てるなあ(ごめんなさい)と思うくらいで。最初に目がいったのは、貴族のぼっちゃんシエル・ファントムハイヴ役の西井幸人君。映画『告白』でも鍵を握る少年役でした。


笑顔がとにかく魅力的な子ですが、ここでは無表情のプライド高い貴族の少年役。一番良かったのは、貴族衣装の数々。漫画だとシックな装いですが、生身の少年が着ると、ほのかにエロチシズムが漂ってきて、膝小僧露出のハイソックスとかたまらないの(笑)。メイド姿の女の子に萌える男子の気持ちがちょっと分かったりして。おまけにボーナス(仮装パーティという設定)として女装(ドレス)までしちゃって、作り手の狙いがミエミエって感じです。で、ちゃっかり釣られてますが。


いや、あえてここで言わせて。女装ならわれらがマツシンも負けちゃいない!っていうか、誰より似合ってました(笑)、当然ですよね、今やヒロインやらせたらスタジオライフ・ナンバー1*3ですから。マツシンのドレス姿、全然違和感なくてそっちがホントの衣装でしょ、と思うほど。しかも、無理やり男が着せられて・・・という演技をしていたものの、普段、スカート着慣れてるだけあって体にまといつくようにシックリきてしまうところや動きが自然と女性的になってるのがオソロシかったです。


そして今回は、刑事役(男役)の青木君も、絶対女装するだろうなあ・・・と思ったら案の定、でウケました。なぜかミニスカートだったけど、青木君はクセの強い女役が似合うから、いっそ女役でも良かったかも。と、ストーリーそっちのけ、で個人的見どころを列記しちゃいましたが、マツシンは主人公達に負けず劣らず、大変印象的な役どころです。マツシン好きなら見なきゃ損ソンという感じで、私も見てて嬉しかったです。


この芝居も良く考えてみると、若い男ばっかりの出演者なんですね。アランとエリックの関係も「ひょっとしてこれは友情というより愛ではないか?」とBL臭を匂わせる設定だし。で、マツシン演じるアランの最大の見せ場が「エリカの花」の思い出を話すシーンだと思うのですが、ここね、マツシンの語りだけで”お花畑”が見えてきます。マツシンの<必殺!無垢な乙女モード全開>です。


何度見ても、「キミはどうしてそんなに穢れを知らない瞳を見せるの?」と心の奥で問いかけてしまうほどキラキラの眼差しです。平たく言えば、ライフ芝居に近いかな。黒執事という違う世界の舞台でありながらも、虚構色の強い、綺麗で清潔感漂う浮世離れした男ばかりいる中だけに、ライフ芝居に通じるものがそのままイケテしまった感じですね。マツシン、年代的には共演者の中でもお兄さん世代なハズなんですけど、まったくもって”少年”でした。


ファンというのとはまたちょっと違うのですが、マツシンについては、初舞台の頃から見ているので親戚の子が出てるみたいな錯覚をしてしまうことがあります。新人の頃にイベントでたまたまちょっと話したり、質問をしたりする機会があったのですが、その時にはこんなに出世するとは思わず、「あの時、ちゃんと顔をしっかり見て、ゆっくり話せば良かったな、惜しかった。」と思ったり、今や私服までキメキメでカッコいいし、いつまでも若手じゃないんだよなあ、と少し寂しくなったり。


まあ、思い切り脱線しちゃいましたが、「黒執事」という舞台、人気がある理由がちょっと分かりました。若くて綺麗なお兄さん達が一生懸命、漫画の世界を顕在化しようとしてる姿が、(ややぎこちないけれど)気持ち良いんです。そして、原作漫画が持つ独特の世界観も結構うまく出してますね。日本人が憧れる”貴族”の生態をデフォルメして耽美意識を構築していたり、シニカルでありコミカルでもある主従関係の妙というエサも織り交ぜて、興味を引くところとか。


舞台美術もとても凝ってて美しかったので、目で楽しめる舞台だな、と感心しました。DVD買うにはちょっと、と迷っていたけれど、映画館の大きなスクリーンで映像を楽しめて舞台に近い迫力で見られたのは良かったです。しかも舞台でもあれほどのアップは望めませんし(笑)。これから、一度で二度おいしいゲキシネという試みは増えていきそうですね。

公式サイト:『ミュージカル「黒執事」-千の魂と堕ちた死神-』 | アニプレックス



boysvoice-2.hatenablog.com

*1:あまり知らない俳優さんなのですが、「のだめSP」に出演したのと、写真集の中で女装もした、ということで印象に残ってました。

*2:日本テレビドラマ「白虎隊」

*3:”女役”なら彼よりももっとハマる役者もいますけど