雅・処

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タクミくんシリーズ『Pure』 感想

いやあ楽しかった

昨年に引き続き、聖夜にタクミくんシリーズを愉しむことになりました。シリーズ第4弾『Pure』。とってもツッコミどころ満載で、思い出すたびニヤケてました。当初は衝撃的だった、ブルーの制服にもすっかり慣れました。


東京へのイベント遠征の空いた1日に何を見るか、と思案していたときに、ふと思い出して足を運んだ、という軽いノリだったのですが、実際映画を見るとちゃっかり心に焼きついてしまうのが恐ろしいところ、「タクミくん~」侮れず。


それにしても、上映館のイメージフォーラムは分かりにくい場所にあり、木枯らし吹きすさぶ夜の渋谷をあちこち歩き回る羽目になりました。着いてみれば、かなり以前に1度は行ったことのある印象的な映画館でした。コンクリートで固めたような飾りの無い、殺風景な造りですが、椅子もフカフカで快適、秘密の空間みたい。そして意外と客席に賑わいもあったりして。

【些細なことの積み重ねなストーリー】

「オレだけがアラタさんに恋をしていた」

作中、何度か挿入される主人公・真行寺兼光(内藤大希)の心情がこの映画のポイント。

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あらすじ:祠堂学院入学試験の日にちょっとしたミスがきっかけで、三洲新に電撃的一目惚れをしてしまった真行寺。入学後は、クールな生徒会長の三洲を「アラタさん!」攻撃で追い掛け回す。他人に媚を売ることを良しとしない三洲は、素っ気無い素振りで真行寺に好きなようにさせているが、肝心なところは「オレの言うとおりにしろ」「オレの言うことが聞けないのか」的に主導権を握っている。2人は、体だけの関係という特殊な付き合いだが、三洲が親しげに言葉を交わす相楽先輩の存在に、真行寺の一直線の片思いが揺らぎ始めて・・・。


ストーリー展開は毎度のことながら、どうってことありません(おいおい)。大きな事件らしい事件は起こらず、いつものごとく、「オマエはあいつのことが好きなのか?」なんて小さなすれ違いや嫉妬、痴話ケンカ以下のやりとりが続きます。もうその繊細さは、”お子様レベル”なんですが、面倒くさい恋愛の妙をたっぷりまぶしていて、徹底的にそこに拘って逃げない、のがある意味このシリーズの強さなのかもしれません。


だからこそ、このどうってことない関係性が見せるさざ波(揺らぎ)の中では、登場人物のピュアさ=本気度、が鍵を握るわけです。そして、こんな作り手、受け手の身勝手な願望を裏切らずに真摯に演じてくれる出演者達には、率直に脱帽です。今回も、初々しい馬場君、内藤君が頑張ってくれましたね。


一つだけ難を言えば、作品中に別のカップル、高林泉(三津谷亮)×吉沢道雄(小林豊)コンビが唐突に前後の脈略なく登場して、しばし「?」となってしまいました。どうやら別な原作からエピソードを突っ込んだようですが、正直要らなかったんじゃないかな。時間的にも少なくて、愛情模様に入り込めなかったし、小顔の三津谷君は可愛かったけど、2人とも演技的にはまだまだ・・・でしたし。


何よりシリーズ通して、「高林」「吉沢」役がころころ変わってるため、すごい違和感を感じました。1作目から同じ配役の赤池滝口幸弘)が、揺るぎ無い存在感を見せているのとは対称的。滝口君、登場シーンは少ないながら、ますます素敵に見えてしまいましたよ。浜尾タクミは特撮ヒーローを演じていたせいか、日にも焼けて精悍になってました。目に力が漲ってる(笑)!渡辺ギイも今回はメインじゃないので力みもなく、魅力2割増。

【”オレ様”キャラの馬場・三洲にときめく】


馬場良馬君演ずる三洲は、前回の『美貌のディテイル』でも、ひときわクサい台詞でギイを挑発していただけに、その印象がインプットされてて全編あの「オレさま」モードが楽しめるかと思うと期待いっぱいでした。ライバル意識もあって、学園一の人気者ギイと対立しているところがまた、三洲という人物を魅力的にしています。


台詞は少なめで、いつも複雑な表情を浮かべている三洲のドアップがくると、役柄と相反して?つぶらな瞳がバーン!と飛び込んできて、「モロ愛されキャラ」ぶりにドッキンドッキン。(小さい頃はすごく可愛かったんじゃないかな、それできっと可愛がられまくりだったんだろうな、この子は。)たまにナルシストっぽかったり、ぎこちなかったり、もろさを感じさせたりと、彼自身の”持ち味”が演技より魅力的な人です。


後半、真行寺への「オマエはオレの飼い犬だろ」等、人権無視の強気の発言(=愛の殺し文句)が続くと、ひゃあ~こっちがメロメロになるわあ、と悶えまくり。ギイ×タクミコンビのように甘いラブラブ攻撃と異なり、屈折してるけどよくよく聞いてみれば誰よりアツアツなのは、ズブズブきますね。空周りどころか、このシアワセ者!な真行寺。


今回シリーズ初参加の真行寺役、内藤君は、写真で見るとかなり微妙。アゴのラインがややごつく、キュートなまん丸お目めとアンバランスで、なんか落ち着かなくさせる顔立ち。「この顔は老けるの早いんじゃないかな?」とか勝手に考えて見てました(失礼)。しかしこの内藤君、映画の中で3回ほど、おめめウルウルのラブリーフェイスを見せます。この顔で迫ったら、どんな男でも(笑)イチコロ、陥落間違いなし、という無垢な表情。


「タクミくんシリーズ」初参加とは思えない、瑞々しい演技を見せてくれました。「美貌のディテイル」の真行寺役・川隅美慎君も自然な演技が良かったけれど、切羽詰ったような表情と醸し出す雰囲気は、年上の内藤君が演じて良い効果を出していたと思います。毎回、人選がなかなか良いのですが、誰がキャスティングしてるのかな?


確か原作の真行寺は、三洲よりも大男だったのですが、映画では馬場君のほうが長身で、このサイズでホッとしました。抱きかかえられるとすっぽりな内藤君がよろしい。この2人の見せ場ラブシーンは、過激さはないのですが、そこはかとなく「百合な絡み合い」で、ジワリジワリとくるんです。安定感のあるギイ×タクミと違って、お互いいつ捨てられるか疑心暗鬼になってそうな不安定感がエロい。


ということで見終わった後も、なんかエロスな余韻を引いてしまって、「ああ、またDVD買っちゃうかも~」(見事戦略にハマッてる)と思ったり。来年2月には仙台でも舞台挨拶付上映会がありそうなので、馬場君目当てに行っちゃおうか、とかソワソワしてます(笑)。好評なら、次作も有かな?


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タクミくんシリーズ Pure ?ピュア? [DVD]

タクミくんシリーズ Pure ?ピュア? [DVD]

実は意外と”純愛モード”で、個人的にはもうちょっと攻めて欲しかった(オイオイ)ですが、このシリーズ中、一番クサイ台詞をクサいままにあざとく見せてくれています。