お待たせしました!やっと私の元にVersaillesが帰還してまいりました(笑)。本当に長いマイブランクでした。
まあ、Versailles自体は精力的な活動を続けていたのですが、我が町には年に1度の巡業(全国ツアー)のような状態ですから、とんと疎遠になっておりました。うーん、メジャーデビュー前のほうが沢山会っていた気がする。
たまに上京するチャンスがあっても、Versaillesのライブ・イベントは情報が遅い。(本人自ら”積極広報”する)Kayaちゃまのライブとも重なりやすく、その大半がやはりKayaちゃまサイドのほうが小回りが効く上、スピーディで、予定を押さえられてしまうのです。
昨年夏も、あらゆるライブ&イベントを入れてギチギチに組んでいたら、最後の最後にVersaillesのライブが決まって「もう無理、遅せーよ!」て感じ。ま、そこら辺がバンドとなると、いろいろと融通が利かないところでもあるでしょうし、何かと制約もつきやすいので仕方がありませんが、CCレモンホールみたいにデカイ会場*1の時以外も、もうちょっと頑張って早めにライブ情報出して欲しいものです。
またせっかくFCに入会しても、FCイベントは首都圏中心。地方会員にはほとんどメリットがないし、情報量の割には会費も高いので(だてに数十のFCを経験してるわけじゃないので)、次の更新はちょっと・・・とシビアに考えつつありました。
ライブに行けない分、どうしてもテンションも下がる一方でしたし、『JUBILEE』発売以後、MASASHI氏が正式メンバーに加入した辺りから、変化についていけず、なんとなくまた盛り下がってて。。。で、そうこうしているうちに震災。薔薇の帝国にどっぷり浸るにはなんともふさわしくない状況の中で、ますます停滞。危うく「そんな時代もあったのね」的な状態になるところでしたが、「R&R」でKamijoのインタビューを読んで、「そうか、彼もミュージシャンとしてできることを必死にやっていたんだね。」と気付いたのがちょっと前のこと。
【完成度の高さに反する製品乱立】
先週のKayaちゃまのライブで久しぶりに「やっぱビジュアル系って楽しいなあ。」と初心に戻ったばかり。そんな折、まだまだ先と思っていたVersaillesの最新アルバム『Holy Grail』が発売となり、半強制的に(笑)CDが届けられました。写真集付豪華版と初回盤という、胸焼けしそうにコテコテなパッケージです。豪華版は写真集のため、と悩みながらも直前に予約を入れてしまいました。
本来は、同じ内容のCDを2枚買うのは私の主義に反します。ええ、もともとケチな性分ではありますが、それ以上にこういう”ケチくさい乞食商法”が気に入りません。Kamijoは、ファンへのプレゼントの意味でメジャーシングルの頃から3種類もCDを発売しているのでしょうか?それとも、単に売上げ枚数の”かさ上げ”のタメ?悪いけれど、全て買うのがファンだなんて全然思ってませんから。むしろ必死すぎてシラケます。
文句しか言ってないみたいですけど、実のところ、写真集の出来栄えはなかなかのものです。衣装パターンは少ないし、本当にアルバムのためのボーナスショットを集めたものではありますが、皆ポストカードにしても良いくらい写真映りはよろしい。綺麗なお兄様達がいっぱい(きゃお)。新衣装でのミニポスターも素敵。そして、DVD付初回盤のPV4種類をまとめた作品群も数十回と繰り返し楽しんでしまえるほどに面白い。
もともと失望を受けたことがほとんどないくらいVersaillesのPVは楽しくて大好きなんです。ライブ映像よりもずっと好きなくらい、ベタな世界観を真面目に映像美にしてくれてます。とうとうここまできたかい!な派手な仮面舞踏会「MASQUERADE」を見てると、本当にVersaillesっていいな、好きだな、と愛情が沸いてきます。だからこそ、全て豪華版にとりまとめてくれたら完璧でした。(個人的に)残念で仕方ありません。
PVを見ていてやっぱり一番これまでの彼らと違うな、と思ったのはMASASHIの存在感でした。黒系でゴツつくて、顔もコワモテ系なのに、なんか独特の表情と振る舞いが目を引きます。ギター隊2人の派手さとはまた違う、いぶし銀の個性が後ろからジワジワと響き渡ってきて、「全体の音にすごく幅が出たなあ。」と感じました。Jasmine Youさんのエレガントさや柔らかさとは正反対、のゴツゴツとした中に見え隠れする不思議な柔らかさが魅力的です。
メンバーチェンジという大きな試練があったはずなのに、こんなにすんなりと受け入れられてる自分に驚きました。もしかしたら揺ぎ無いのは、Versaillesというバンドの個性なのかもしれません。多少の変化はあっても、薔薇の末裔なるストーリーを継続させてパッケージの中身は変えてない。その開き直りが、パワーの源なのかも。
【肝心の作品群は・・・】
この新アルバムを全体通して感じたのはすごく「ヘンテコ」なアルバムだな、ということ。なんか'80年代ブリティッシュポップ、'90年代V系バンドのような懐かしい雰囲気もありぃの、メロディ的には一段と分かりやすくなって、ロックだとかメタルとかいうカテゴリーも厳しくなりそうなごった煮で、Kamijoの哀切ボイスが延々うなっちゃってる。どこまで行っちゃうのかな、Versaillesさん。
なんとなく全体的にメリーゴーランドに乗っかって上下しているような、とても平和な心地良いアルバムですね。とっつきやすく聞きやすくて、分かりやすいメロディ、前作「JUBILEE」よりもっともっとKAMIJOの甘いボイスに染め上げられております。TERU作曲の「Flowery」も、HIZAKI「Remember Forever」もなんか郷愁を誘う”泣きのバラード”というか(?)よくは知らないけれど、ちょっとGLAYみたいだな(笑)、とか。
今回のアルバムは、KAMIJOとHIZAKIが作曲をほぼ分け合ったような感じで、やっぱりHIZAKIがいることは心強いです。KAMIJOだけだとどこまで甘く、女々しくなってしまうか、さすがに心配。歌詞だけでなく、音も最近はちょっと優しさ(弱さ)が滲み出て痛々しくなっちゃうので。それでも、Versailles流王道ソング「DESTINY」とか、ライブで見ると妙に感動しちゃいそうな・・・予感もしてます。
そんな中、衝撃を通り越して、ズッコケちゃったのが「Love will be born again」のKamijoソロ。あんたは、サイモン&ガーファンクルかい(笑)!?いやあ、思い切ったもんだ、いつかはやるとは思っていたけれど、こんなに早く本性発揮とは・・・。しかもKAMIJOイングリッシュも復活(汗)、度胸あるなあ。ため息に交じり合う独特のコブシが、背中をモゾモゾさせます。(できればゾクゾクさせてくれたらいいんですけど・・・。)
先にPVで聴いた「Vampire」では、中盤プレイで、唐突にアコギ伴奏にぶった切られ「あいや、やや」って思っちゃいましたけど。確かに早弾きギタリストが奏でるアコギは、またなかなかの味わいでよろしいのですが、ライブで一体どうやって演奏するのだろうか、と心配になっちゃいました。今のところ、一番好きな曲は、「Judicial Noir」かな。何がどう良い、と説明できないのですが、この曲は、最初から耳に入りました。たぶん好きな曲というのは、そうやって理屈ぬきで、ふっとハートに届いてしまう曲なんですよね。
それにしても、Versaillesはデビューして比較的、コンスタントにアルバムを出していて偉いなあ、と感心します。かつて4年も5年もアルバムが出ない、なんて異常なバンドを好きだっただけに、当たり前のことがすごいと思ってしまう悪いクセがありまして。いろんな危機はあったと思うけど、なんだか今は落ち着いて”良い状態”なんじゃないかな、と思います。生み出す曲に、何か新しいこともやってみようというチャレンジ精神や遊び心など、前向きさを感じます。
うん、今後もこの調子で頑張って下さい!8月のライブ楽しみにしてますぞい。(と、最後はシメてみる。)
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見るからに豪華版。ビデオテープか(笑)?と思うほどの厚みで、写真集も贅沢。メンバー別PVでは、HIZAKIが激しく可愛くフリ満載で、カラクリ人形のようでした。何気に一番派手なのはKamijoのインタビュー。新衣装についての一考が聞けて興味深かったのですが、なんだかんだいって「赤着たかったんでしょ!」と見ながらツッコミいれてました。
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一番使用頻度が高いのはこちらのアルバム。新衣装がまばゆいPV4曲が最高のご褒美でした。PV集だけ独立していたら、もっと嬉しかったですね。
*1:動員が厳しいためにめっちゃ早く、悉く広報している。