雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

スタジオライフ『夏の夜の夢』&『十二夜』連鎖公演(3)

芝居の完成度がアップした、十二夜

レポが長くなってなかなか終わらなくなってきてしまったので、『十二夜』については短めに。2年前の公演DVDが発売されているので変わったポイントが分かりやすかったのですが、初演に比べ、テンポが圧倒的に良くなってました。”アホウ”フェステ役の石飛さんが元々歌える人である上、「レミゼ」の歌稽古のおかげでしょうか、一段と歌唱力と声量が磨かれて、テーマ曲の充実度が大きかったです。


歌が得意でないメンバーの長いソロ曲がカットされたのも、ワタシ的には大歓迎でした。ナマの舞台はともかく、DVDで見返す時には辛い歌唱力(汗)なので、毎回早送りで見ていたりして(ごめんなさい)。曲のほどよいカットや調整が芝居のテンポを早めていました。また、マライヤ、サー・トービー、サー・アンドルーのシーンも、ややカットされていたようです。


これまでスタジオライフ版の「十二夜」は、双子の主人公ヴァイオラの男装で巻き起こる恋のハプニングよりも、召使マルヴォーリオへの仕返し騒動の比重が高い感じであまり好きにはなれませんでした。双子を中心とした大騒動場面は好きなのですが、マルヴォーリオへの嘘の手紙のシーンは長すぎるし、彼への悪ふざけを笑うには、ちょっと残酷すぎ。シェークスピアの時代の方が、もっとシニカルな笑いもあって、現代とは感性が違うのかもしれませんね。


一方、衣装も圧倒的に良くなってて見てるだけで目の保養になりました。双子は金髪になって、ブルーのトーンの可愛い衣装に変わってますが、遠目にはまるで双子のようにソックリに見えましたし、何と言っても「宝塚版・ベルばら」のフェルゼンを思わせる曽世さんの貴族の装いには目を見張りました。綺麗なピンクのジャケット、そんな派手な”コスプレ”が何故にそんなに似合うの~!とウットリ。

【ここが新鮮だった】


マライアは、フランスのポップなお手伝いさん、みたいな超可愛い衣装で、美人度アップに驚きました。笠原トービーへの恋心も初演の時よりずっと伝わってきてましたし、演技も少しだけ控えめになって可愛い乙女の一面も覗かせていて、すごく新鮮でしたね。カーテンコールで、すっと腕組みして挨拶をする二人の姿は、「パサジェルカ」初演の夫婦役を思い出させました。あの毒舌家(笑)林さんを”しおらしい女”にしてしまう笠原さんの凛々しいリードぶりがさすが!


逆にちゃんのマルヴォーリオは、髪型の造型も手伝って、以前よりもっと”嫌ったらしさ”に磨きがかかり、執事らしさもアップした気がします。同じ作品で同じ役とはいえ、達者な人でも、更に高みを目指すものなんですね(まあ当然ですけど)。


岩崎アントーニオは、全くのお初で、牧島君の”独特な性癖を匂わせる”アントーニオと比べてどう変わるのかしら、と思ってましたが、力強さは加わりつつも笑いどころもあって、あまり他で見られない珍しいタイプの役どころだったので、大いに楽しめました。セバスチャンに財布を貸すシーンは大爆笑でしたし。ま、オールバックの髪型だけはちょっと生え際が気になった・・・のですが(笑)。


何気に大きく貢献していたのは、セットの転換、コーラス、そして笑いの部分まで受け持ったアホウドリ4人組。奥田君が引率している(?)だけに、ちっとも退屈しません。林マライアに「絶滅しておしまい!」と脅されてもひるみません。こういうことも手を抜かずに芝居にしていくって大切なんだな、と感心しました。


双子のめぐり合いのデュエットは、松本君&関戸君のデュエットでのハモリパートが増えていて、曲も好きなだけにウルッとくるほど感動。本当は、ここで終わりでもいいくらいなんですけどねえ・・・(ため息)。マルヴォーリオの恨み言シーンが2回も出てきて、ラストの”ほんわかムード”を壊してしまうのが残念。


倉田さんが「ドロドロした暗い情念」も好きだから仕方ないのでしょうが、十二夜はなんだか見終わってから微妙に混乱を招く後味で、疲れを感じるのは、最後に何を言いたいのかいまひとつ伝わり切れないから、なんです。フェステの「かくして因果はクルリと巡り・・・」という台詞も出てくるので、そこがポイントなんでしょうが、なんか喜劇としては面白さが伝わりにくいような。。。


それはともかく、「夏の夜の夢」&「十二夜」の連鎖公演は、良くも悪くも再演の枠を超えて新鮮さがあり、見て充分に楽しめました。再演を重ねるたびに落ちていく印象の作品が多い中、結構画期的なことかもしれませんね。


miyabi2013.hatenablog.com
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