雅・処

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スタジオライフ韓国公演 番外編(3)

やっと最終回

ちょっとした連載になってしまいましたが、そろそろ完結しないと次に進めないですね。そもそもスタジオライフが何故、韓国公演を敢行したのか。同徳女子大学との関係などをまとめていた長文のサイトがありましたので、そこから拾い読みをし、一部訳して*1みました。

【5.韓国公演が決まるまで】


以前、パンフレットやネットなどで河内主宰が海外公演の夢や大学路の魅力について書いたコメントを読んだことがありました。しかし、このサイトで紹介された、日本からの熱烈なラブレター(?)を読むと倉田さんと大学路の出会いは10数年前に遡り、その頃からずっと「そこで公演をしたい!」と夢見ていたことが分かります。→ 大学路との縁.pdf 直

スタジオライフの韓国公演推進は、2年後の2009年、大学路で始まる。大学路で公演をしたいという劇団スタジオライフの(代表河内と演出家倉田淳を含めた)何人かのシニア俳優たちが韓国を尋ねた。


この時韓国の関係者と橋渡しをした人が同徳女子大学校公演芸術学校の金春耕教授だ。


  ~ 中略 ~


劇団スタジオライフの初期計画は、我が国の10代~30代女性たちの間で人気のマンガ「フルーツバスケット」を公演化した代表レパートリー作品を公演する予定だった。


しかし、原作を知る観客層が限定されているという点と原作によって、いざ劇団のカラーを見せにくいことがあるという判断で劇団スタジオライフの代表作のひとつ、シェークスピアの「真夏の夜の夢」と「十二夜」公演を決定した。


2年余りの事前調査以後、劇団スタジオライフは初韓国公演を成功させるため国際交流基金(JAPAN FOUNDATION)に後援金を申し込み、その意義を認められて後援を受けることが決まった。


夢の実現に向けての下準備として、劇団からのアプローチ活動に続きます。このあたり、篠田君のブログ内容とも合致してきますね。パンフレットに同徳女子大学の金教授のコメントがあったこともうなづけます。金教授は、「じゃじゃ馬ならし」でスタジオライフを初観劇したそうですが、それは2010年夏のこと。


劇団スタジオライフは、同徳女子芸術大学との「姉妹提携劇団」という繋がりも持っているようで、その関係で公演前日の17日に公演劇場の小ホールで倉田さんの講演会「日本女流演出家の生と芸術」を開催したのだとか。(こちらも最近、篠田君のブログに写真がアップされていましたね。)


まあ、それはともかく一番驚いたのは、最初に韓国に持っていく候補作が2009年作フルーツバスケット』だったとお~!?ということです。実現しなくて良かった・・・。確かにこの作品、プロデュース公演では面白く見せてもらったものの、あの変身シーンのとてつもないショボさ、とか、長編を切り貼りしてまとめた内容で、原作ファンにはどうなのよ、という部分があったのは事実。


もしこれを上演していたら「ほぼ9割方、次の韓国公演はないな」(笑)と思えるほど、スタジオライフの色合いを感じさせない企画物。少なくとも海外に持っていけるレベルの舞台作品じゃないので。原作の知名度で話が出たと思われますが、シェークスピア2作品になって賢い選択だったと思います。


劇団公式サイトでは、韓国語のページでハングル表記されていた倉田さんのコメントに「30周年はイギリス公演を考えている。」と書かれていて2度びっくりしたのですが、その前に韓国再公演も非現実的でなさそうな雲行き。果たしてそれにあわせて国内公演も変えるのか、またシェークスピアばかりになっちゃうのか、謎は深まります。

【6.公演評・劇団員の感動】


公演評についても、いくつか載っていたので訳してみました。大手の芸能メディアの記者などは観ていないと思われるので、やや小ぶり?のネットニュース関連ですが、概ね好評のようで安心しました。やはり男性だけの劇団という特性への興味が強いのですが、「シェークスピア原作に忠実で当時の舞台を具現した点が印象的」という観客の感想は、こそばゆいほどでしたね。→ 公演評.pdf 直


字幕(演技とズレたり、省略されていたり)の問題はあったものの、「すごく楽しかった」「3日だけの上演が残念」「次も機会があれば見たい」という一般客のコメント多し。また、芝居の途中途中に投げ込まれた韓国語のアドリブ(マルボーリオの禿げ頭、ハーミアの巨大さを例えるソウルタワー等々)も好感を持ってもらえたようです。オーベロン&ティターニアの歌の上手さも褒められておりました。


劇団員も、日本では滅多にお目にかかれない激しいリアクションと歓声に驚くやら、涙ぐむやら。相当熱い感動をもらったようで、韓国公式サイトにはその感動さめやらぬコメントが参加した劇団員から多数上がってきてました。公演前までは、本当に楽しんでもらえるか、不安もいっぱいだったでしょうから、その反動かほとばしる熱情に、覗いたこちらが驚くほどでした。


私は、6年前に初の宝塚韓国公演も現地で見てきたので、韓国人客のノリの良さを想像できましたし、ちょっと懐かしさを覚えたくらいです。もちろん、そうはいっても公演自体がつまらなければ、盛り上がりようがないので、本当に楽しんでくれたと思います。演じる側からすると、ああいう熱い反応は本当に嬉しいものだと思います。初めての海外公演というプレッシャーもあったでしょうし、まずはめでたしめでたし。


でもねえ、一言いっていいかしら?派手なリアクションをしなくても、日本人観客だって相当素晴らしいのよ、と(笑)。海外からクラシックの演奏者や演劇関係者が来た場合、日本の劇場内が静まりかえり、舞台にのみ神経を集中している様子に驚き、感銘するそうです。お世辞もあるでしょうけど、「日本の観客は世界一」というコメントをいただくことも多いのです。表現の仕方が異なるだけです。


シャイだから派手に感情表現をするのは下手ですが、公演の感動を胸に溜めて深く醸造し、それを発展させて、関連書籍を読みふけったり、関連物を集めまくったり、挙句は原作の土地を訪れたり、とありとあらゆる道にマニアックに突き進む(ゆえにオタクが多いのですが)のは、日本人特有の国民性ゆえ。だから、韓国客のあの分かりやすい盛り上がりとは性質が違うのですよ。そこは間違えないで欲しい(って誰に言ってる?)。

【7.次回作は?】


ところで倉田さんが韓国でのトークショー*2で例に挙げた『DAISY PULLS IT OFF』、韓国公演の次回作としては確かに考えられるなあ、と思いました。もともとライフって明るい笑える作品は少ないのです。「夏夢」や「十二夜」の再演以外だったら、初演を持っていくのはかなり勇気が必要なので、女装がメインのこの作品は、なかなか面白いかも。セットもほとんど要らないし(笑)。


ただし、作品自体のネームバリューがないのと、ストーリー展開でアピールポイントが少ない気がするので、そこが若干弱いかも。来年の公演スケジュールに注目ですね。少女漫画原作は、ややリスクが大きいので、今はやめたほうがいいでしょうし。いっそ、どどーんと重い「アノ」代表作でも持っていかれたら、どうでしょうか。


それから、字幕の問題は今後もあるかもしれませんが、全て現地語で公演する、というのはやっぱり厳しいでしょうね。台詞に気を取られて感情表現がおろそかになりがちだし、発音の問題で字幕より何を言ってるか分からない、ということもあるでしょう。なかなか難しいものです。


*当ブログ内と添付ファイルについての韓国語訳は正確とは言い難いので、無断転載・コピーは固くお断り申し上げます。


miyabi2013.hatenablog.com
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*1:毎度ながら自動翻訳を修正しているので微細な誤りはあると思います。

*2:11/27にアップした、fwik0767さんのブログ「一筆奏上」参照