雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

スタジオライフ 映像作品(3)

同じ作品が多く、歓喜は少ない

もうすぐ今年公演したばかりの劇団スタジオライフの『OZ』最新作のDVDが発売されますが、ふと映像作品についての一覧を作ろう!と思い立ちました。4年前にライフ映像作品の感想を書いていたのですが、その後、テレビ放映や市販により作品がだいぶ増えてきました。もしかすると漏れているものもあるかもしれませんが、ひとまず洗い出してみます。(一覧は、パート4に別記載することにしました。)


思っていたより多くの作品がありました。そのうち、上演年度が異なるものの作品自体が重複するものを省くと10種類(2012年時点で)。中でも数少ない劇団の映像作品の中で、3回も映像化されていることに首をひねるのが『DRACULA』。今でも「これってそんなに人気のある作品だったっけ?」と思ってしまいます。スタジオライフの吸血鬼モノの中では、代表作であることは間違いないのですが、それにしても3回は多すぎのような気が・・・。


主役のドラキュラは、存在自体に哀愁があって、確かに見ていて引き込まれるキャラクターなのですが、(ライフ版では)もともとは襲われる相手役が女性であったのを、ジョナサンという男性に置き換えてるところに、少々あざとさを感じてしまって、苦手だったりします。ドラキュラとジョナサンの組み合わせで”萌え”を誘発するのでしょうか?でも、「これが出るならもっとあれを!」と思う作品は数多くあるので、どうも納得がいきません。


『OZ』もまもなく2度目の発売となります。少女漫画原作で知名度もあり、一般層にウケも良さそうな作品だから・・・なのかな?しかし、よほどの劇団ファンでも、お手頃値段ではないDVDまで買うというのは少ないでしょうし、上演期間終了すると次回作に目がいってしまうので、よほど思い入れがなければ過去の作品に購買意欲は沸かないかも。かといって原作ファンが買うか、というとこれも微妙なところでありますし。。。


一方、2011年、韓国公演も行った『夏の夜の夢&十二夜』は、2008年のテレビ放映バージョンとかなりイメージが変わってます。衣装とメイクが全然違う上に、同じ役を演じる役者のニュアンスが異なっていることもあって、受ける印象が違うのです。加入者のみ視聴できる有料テレビ放送よりも、多少お高くても手元に残るDVDのほうが嬉しいので、写真集の付録というちょっと特殊な形での発売でしたが、グーでした。(濃いメイクはイマイチですけど)


それでもほぼ年に一度のペースでのDVD発売なのですから、演目が偏らないほうが嬉しいのは間違いありません。そりゃあ最愛の作品は、「全キャスト堪能したい」という願望もあったりしますが、大方は、もっとバラエティ豊かなランナップにして欲しい、という気持ちです。実際には、劇場のグッズ売り場でDVDを物色している人はさほど見かけませんし、実際にどのくらい売れてるのか、逆にどれだけ売れたら制作費をペイできるのか、いろいろと興味深々です。


そういうことを考えてると「一体、演劇DVDってどの位売れてるんだろう?」という素朴な疑問にも到達してきます。映画と違ってレンタル店でも、片隅に目立たないようチョコンと置いてあったりして。テレビの演劇チャンネルは、知名度の高い劇団や俳優の作品、およびプロデュース公演に偏っているので、ミニシアター映画のように、小劇場の話題作やマニアックな作品を選んで放映してくれるテレビ局があればなあ・・・と思ってしまいます。


劇団としては、特に評判が良かった作品やアンケートに”DVD化”要望が多いものを重視しているようです。但し、昨年大評判をとった「ファントム」のように権利料が高いもの*1はなかなか難しいようですね。DVD化できるそこそこの作品を選んで出すと、面白味のない無難なラインナップになってしまうという厳しい現実。

【草分けは、「トーマ」】


劇団一番の代表作である「トーマの心臓」は、NHK寡占状態(笑)。もっとも、NHKには大いに感謝しています。映像化なんて内輪向けの記録用ホームビデオで、というアナログな感性を持っていた*2劇団の目を開かせてくれた記念すべき第一弾の録画でしたから。


確か放映されたのは、2001年1月5日録画のマチネ公演だったと思います。その日の公演を観たのではなく、前年のクリスマスに「トーマの心臓」を初観劇し、そのとき、劇場内にテレビ放送を予告するワープロ文字の張り紙があちこち貼られていたのが目に焼きついてます。そのシンプルな文体には、天下のNHKから”お声がかかった”ことへの興奮のようなものが感じられて微笑ましかったです。


萩尾望都さんという少女漫画界の巨匠の作品であり、女流演出家・倉田淳さんにもスポットが当たり、更には劇団の代表作品にふさわしいクオリティの高さもあったので、この「トーマ」が選ばれたのはさすがにNHKは眼力あるなあ、と今でも納得してしまいます。劇団25周年という節目というのも大きかったと思いますが、10年後2回目のNHK放映作品もやはり「トーマ」でした。


もし違う作品がNHKで放映されることがあれば、その時こそスタジオライフが真に認められる時・・・かもしれませんね。2001年の時は、「トーマの心臓」連鎖公演で、テレビで放映された曽世ユーリ&及川エーリク組の他に、ダブルキャスト山崎ユーリ&深山エーリク組も録画されてはいたのです。残念ながら”お蔵入り”になっていたところ、数年後に劇団イベントでその時の映像が公開され、懐かしく視聴しました。


2010年はスケジュールの関係で、青木ユーリ&岩崎オスカー組だけの録画となったそうで、この年が卒業公演だった曽世オスカーがテレビ映像に残らなかったことは惜しまれてなりません。まあ、それを言ったら、2003年の山崎ユーリ、笠原オスカー、石飛レトヴィの卒業公演も残して欲しかったし、それこそ宝塚のトップサヨナラ公演ばりに(笑)卒業記念*3で残してもらいたいくらいです。

【10年前と微妙に違う「トーマの心臓」】


私がスタジオライフに魂を奪われた2000~2001年の「トーマ」、久しぶりに見返したら、最近のものに比べると、もっとセットも素朴で、役者も大人びている印象。まあ、それは何度も同じ役を演じてきた笠原さんや石飛さんの安定感に拠るものかもしれませんが。当時は、主要キャストの他に、石飛レトヴィと高根サイフリートにも溺れていました。


同じサイフリート役で再登場した2010年版の高根氏は、「さすがに学生というのはちょっと厳しいかな・・・汗」と思わなくもなくて、サイケレデリックだったロン毛時代のサイフリートを懐かしく思い出しておりました。今思うと、石飛レトヴィも、ちょっとあり得ないほど存在感ありまくり(笑)で、本来のレトヴィのコソコソ感は、関戸君のほうがピッタリなくらい。でも、石飛レトヴィのバリトンボイスで語られるトーマ詩の朗読は、本当に鳥肌モノでした。


それに比べると、2010年はちゃんと少年達の物語という初々しさや爽快さがあって、それはそれで楽しい。特に5人組のチームワークと楽しさは私の見た過去3回の再演の中でも一番だったかも。そして、生で見た時は、自分の特徴ある声や独特の個性を抑えすぎてて息苦しく見えた青木君が、テレビ放映ではなかなかに頑張ってて、難役”ユーリ”と必死に格闘している様がいじらしく、ちょっと感動を覚えました。次の公演で、青木ユーリが復活したらかなり期待できるかもしれません。


トーマの心臓」は、権利の問題などがありそうでDVDが市販される可能性は少ないかと思いますが、テレビ放映されたということもあり、それほど失望はありません。今後も再演を繰り返していくでしょうし、逆にこれが”完成形”と言えないくらいキャストも移り変わってそれぞれに魅力を放出していくでしょうし。さすがに山本ユーリ卒業の時は、「何もなし、はないよねえ・・・倉田さん?」(ボソッ)なんて思ったりもするのですけど。


miyabi2013.hatenablog.com
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*1:まさかの2013年発売決定!リクエストが多かったのか、夢がかないました。

*2:というか、録画費用もネックだったのでしょうが。

*3:トーマを卒業しても退団するわけではないけれども。