雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

『大奥~永遠~』1話 美貌の有功役に胸キュン

待ちわびてどうにかなりそうだったTBS系ドラマ『大奥〜誕生〜 有功・家光篇』を昨夜遅くに堪能しました。あまりに魂が持っていかれて、夜中に眠れなくなるほど興奮。久しぶりにバカぶりを発揮しております(笑)。


いやあ、それにしても一番驚いたのが、原作にあまりにも忠実だったところです。原作者であるよしながふみさんは、もともと大好きな漫画家なんですけれど、国内外で数多く受賞しているほどの人気作品「大奥」へのリスペクトに感動を覚えました。


堺さんもよしながふみ作品全部読んでいたり、面識があるどころか、以前から会食したりという交流もあった、と意外な情報が得られて嬉しかったです。でも、BL作品を読む堺雅人って想像つかないなあ〜(笑)。さすがにそういう作品にはインタビューで触れずにおりましたが、楽しめたのか直接個人的に聞いてみたいわあ、なんて。


野外ロケでの京都の古刹の寺社仏閣など、自然美を生かした映像が目に鮮やかでした。ドラマの冒頭では、有功は、清々しい開放的な青空の下で、赤面疱瘡に苦しむ人々へ無償の奉仕をしたり、僧侶時代の満ち足りた日々を過ごしています。ところが、春日局の策略*1に落ちてからは一転、沈痛な面持ちが多くなり、それを暗示するようにどんどん照明が暗くなって重苦しい感じを引き立てます。


有功という絶世の美男子を演じる堺雅人氏。ドラマが始まる前から、「”実写版の有功”は誰が演じても、きっと文句が出るから。」という友人からのコメントが見事に真実を突いている、と唸ったほどの難役。というか、女装しても周りが息を飲むような美貌の持ち主で品格・知性も持つ完璧な魅力の持ち主なんて、今の日本でどこを探してもいないでしょう。若くて綺麗な役者は、演技力に難が出てしまいますし。。。


堺さんが有功役に選ばれた時は、年齢的な問題を一番心配しましたが、キャスティングは演技力という選考を最重視してくれたのか、という喜びもありました。漫画の中の有功ではなく、堺雅人が演じる有功として、私の中では、想像を軽く裏切ってくれるほどの出来映えに大いにテンションが上がりました。


更には好きな役者については、”ドS”な私。有功が苦悩し、悲嘆にくれ、茫然自失、涙を見せる度に、愛しさに身悶えしておりました。まことに悪癖ですまぬ、という気分。

【1話の見どころ】


まず冒頭で、小日向文世氏が登場したところで、大ウケ。”堺雅人の父役”としていつか共演してくれたら・・・と思っていたところだったのでビックリ。もともと笑い顔とやや垂れ目が特徴のお二人、アップが切り替わる度に親子として激似のため、最初は可笑しくて台詞が頭に入ってこなかったくらいです。ゆったりとした独特の京言葉に堺さんの高い声が響いて、まるで歌うように聞こえてくるのが印象的でしたね。


2時間半をかけたという特殊メイクのおかげで、剃髪坊主頭のカツラ*2が本物感を漂わせていたことに感心。また京都のうだるような暑さに汗ばみながらの撮影で、堺さんが不必要に額に汗を浮かべてるところとか、デジタル処理やキンキラキンの安普請に見えてやや残念な大奥美術とか、大奥登城の際の白すぎメイク、1年じゃそこまで伸びないぞ髪の毛!・・・など本筋とは違うところにもツッコミを入れつつも、堺さんをはじめ出演者の熱演にもちゃんと感動を覚えておりました。


堺さんについては、院主姿の時のほうが妙に色っぽく、総髪&袴姿より顔の造型の美を意識できました。確かにあんな「キラキラしたお坊さま」はいない(笑)。穏やかな笑顔に時折浮かぶ嫌悪や怒りの表情とか、動揺で視線が動くサマなど細かい演技が随所にあって、堺節全開でした。遊女を差し向けられて、「ほな遊んでしまおうか」とお付の坊さん達に茶目っ気たっぷりの笑顔向けるところに不意打ちをくらってヤラレましたし。


更には一転、玉栄の命を救うために、涙を耐えて遊女・小菊とキスし抱擁するときの悲しみの瞳など、もう完璧すぎて溜息。恐らく普通の役者だったら、ああいう見せ場は過剰に悲しみを表現してしまうんじゃないかと思うのですが、堺さんは、むしろフッと力を抜いて”されるがまま”にすることで、抗えない力に翻弄される悲しみを表わしている気がします。


こういうところが堺さんの独特の吸引力となってるのではないかしら。誰にでも分かりやすいハッキリとした意思表示をしないから、単に相手役だけでなく、TVのコチラ側にいるはずの視聴者の想像力を駆り立てて、その場に引きずり込む。そこに嫌味や押し付けがないため、引き込まれていることも知らずに、同化・共感ができ、一種の快楽にすらなってしまうという。(これぞ”堺流テコの原理”と勝手に命名)


女・家光に扇子で激しく殴られ、吐血するシーンも、堺ファンとしては忘れられないほどの麗しさでした。唇からボタボタッと血を垂らし、傷のついた顔できっと睨みつける横顔の美しさは、絶品。これを見せてくれただけでも、TBSには感謝!です。良いものを見せて下さいました。冥途の土産になります、てな具合です。

【芝居巧者達の競演が飽きさせない】


主役も含め(笑)、決して派手なキャストではないのに、それぞれがいぶし銀のような魅力で総合力の素晴らしさを見せてくれたことも非常に嬉しかったです。多部未華子ちゃん演ずる家光、まだまだ初々しい少女役が似合っていてまずは合格点。男装も中性的でなかなか可愛らしい。ただ、もっと歳をとってしたたかな女将軍に成長したときの彼女がどこまでできるか、まだ想像がつかないでおります。


玉栄役の田中聖君。もともとこの「大奥」という作品で、もっともおいしい役どころであるのがこの玉栄だと思います。ただの有功付のお小姓じゃない。性格的にも清濁入りまじっているタイプで大化けしていく難しい役だけに、田中君のインタビューを読んで、それをしっかり把握しているところが期待を持てます。1話を見て不安も感じさせないほどハマってます。確かに演技は巧くなってますねえ。


原作漫画の中で結構エグいシーンとか、「これドラマでやるのかな?」と思ったシーンもこの分だとかなり盛り込まれていくようです。家光や玉栄についても早いうちにそういうシーンがあるので、若手二人のがんばりに期待。まあ最も不安に感じていた有功の女装のシーンはさすがにカットの可能性が高そうでホッとしましたが。


春日局役の麻生祐未さんも素晴らしかった。漫画だと無表情で高圧的なお婆というイメージでしたが、硬軟とりまぜて深謀遠慮するサマは、凄味があって抜群の怖さでした。いつの間にこんなに老け役をモノにされていたのか、とビックリ。えげつないけれどリアルな春日局が、ドラマにより重厚感を出してくれました。


ドラマ中盤で斬り殺されてしまった明慧役(有功お付のお坊さん)の駿河太郎さんは、笑福亭鶴瓶師匠の息子さんだとか。実は、結構役者として活躍されていたようなのですが、今まであまり見た覚えがありませんでした。今回、なかなか好演されていたので、亡くなるのが惜しいほどでした。


ところで常日頃、堺雅人という役者のスゴイ所は、相手役の力を自然と引き出すことができるところではないかと思っているのですが、とにかく”受けの芝居”が上手い*3。相手役の見せ場の時は、決して”力”がぶつからないようにすっと後ろに退いて気持ち良く見せるため、他の役者がより一層、魅力的に見えてくるんじゃないか、と最近よく感じます。


「JOKER」の時の錦戸君、「リーガルハイ」の時の新垣結衣ちゃんも、(もちろん本人達の力量もありますが)堺さんの受けの芝居でより引き立っていた気がします。まあ、私が堺ファンだから手前味噌であまり説得力がないかもしれませんが、芝居の時は入念な下準備をし、NGも少なく、どんなに忙しくても台詞を頭に入れてくる”一流”の役者魂を見れば、気持ちが引き締まってくるのは自明の理だと思いますし。


もちろん演技面での影響はお互い受けるわけですから、堺さん自身もちょっと違った魅力が見えるときは、良い感じで相互作用が起こってるんでしょうね。


1話でこんなに盛り上がっていて、のぼせて鼻血出しそうなくらいです。ドラマや映画の「大奥」終わるまで、ちゃんと永らえねば・・・。


ところで本日、堺雅人様は「祝!39歳」の誕生日を迎えられましたね。正直、あまり歳を重ねて欲しくないのですが、そういう不安を蹴るほどにご活躍なのが嬉しいです。堺さんて歳や年代に(無意識に)ものすごく拘る人という印象なので、これからしばらくインタビューでは、不惑のアラフォーネタが多くなりそうです。


大奥 (第2巻) (JETS COMICS (4302))

大奥 (第2巻) (JETS COMICS (4302))


今回のドラマは、原作漫画2&3巻を使用しております。1巻は、2010年の映画「大奥」の原作なので、ドラマのストーリーだけ追いたい人は、2巻から読んでもOK。


ダ・ヴィンチ 2012年 11月号 [雑誌]

ダ・ヴィンチ 2012年 11月号 [雑誌]


堺さんの特集本より、先にこの雑誌の「よしながふみ特集」を一気に読んでしまった私(笑)。堺さんとよしながさんの意外なつながりも知ることができます。もしや糸井さん繋がりか?

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*1:江戸での監禁生活、還俗、そして大奥の側室へと誘導される

*2:くりくり坊主、可愛いっ〜!!を連発。

*3:以前に雑誌ライターも指摘していた記憶があるのですが、自己流解釈でもそう思います。