雅・処

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『大奥~誕生~』 これまた見どころ豊富な4話 

『大奥』が始まってから、異常なほどのアドレナリンが分泌されていて、かなりマズイ状態に陥っております。毎週金曜夜の放送で、平凡な日常に劇薬を注がれたのようになり、土日はグッタリ。これは終わったころには廃人となりそうです。というか、困るんだよなあ、ちっとも他のネタが書けない・・・。


4話に入り、あっという間に1年が過ぎてしまいました(早すぎ)。大奥での有功さんの地位はいつの間にやら上昇し、何やら「お師匠はーん」という声が聞こえそうなほどに、大奥に囲われている武士達から慕われております。上様ともラブラブモード全開で、初々しい恋人同士になりました。しかし、そんな幸せは当然のことながら、冒頭10分で終わりを告げます。


今回は、「伊勢物語」からの和歌を大奥の若者達に教える有功が印象的でした。高貴な女性(にょしょう)と駆け落ちした男性の悲恋を趣き深く解説している先に、家光との悲恋を暗示しているわけですね。平安貴族の衣装での再現シーンが織り込まれ、なかなか風情を出しておりました。逆に、ドラマでオリジナル要素の稲葉正勝についてのエピソード(七回忌)は、まだ出口が見えないために、ちょっと謎な感じでした。


後半では、1年もの間、家光の懐妊の兆しの見えないことに春日局の苛立ちが爆発し、江戸町人あがりの捨蔵という新しい側室がスカウトされ、有功の閨での”お役御免”が言い渡されます。天国から地獄へ突き落され、あまりのことに茫然自失、怒りの言葉すらすぐには出てこない有功。「そうまでして守らねばならぬ徳川家とはあなたにとって何なのですか。」と問う有功に、居ずまいを正し、一つの乱れもなく、「それは戦のない平和な世のことです。」と言ってのける春日局


彼女の威厳(まさに怪物)と予想を覆す圧倒的な正論に打ちのめされてしまう有功。このシーンは、原作の迫力を見事に再現していて、麻生さんとさんのアップに切り替わりにゾクゾク。よしながふみさんの描くコミックスのほうでも、史実とフィクション部分がシンクロする場面が何度かあって、それがこのコミックスのただものでないところだなあ、と感心していたのです。


その後、上様に同衾の辞退を申し出る有功に取り乱して責める家光。ここがこの回の最大の山場でした。愛する家光に「死ね!」と罵られ、消え入りそうな声で「殺して下さい」と繰り返す有功。家光に子供が生まれず、徳川家滅亡の折には一緒に滅びよう、という誘う家光に手を取り合って「はい」と同意をするだけの有功。その表情にはすでに2人の”束の間の幸せ”をも諦めた、深い絶望感が漂っているのです。

【女、を感じさせる堺さんの有功】


最初のオンエアを見たとき、堺さん演ずる有功が「」だなあ、と強く感じました。家光役の多部ちゃんがことさら男っぽいというわけではなくて、(暴論ですが)上様役を逞しい男性が演じても似合うくらいに、この時の堺さんの表情は、とても女性的でドキリとさせられました。己の悲しみよりも、大事な上様を自分の力で守りきれなかったという悲哀、が織り交ざっていたような、放心気味の表情。


運命に弄ばれた”ヤラレ感”を、こういう無防備で脆さ全開の演技で見せるのかあ、と引き込まれました。見ているこちらが守ってあげたくなるような表情なんですもの。この演技だけでも、ただ弱々しいだけの男にならないように演じるのは、すごく難しそうです。泣いたり喚いたりはまだ簡単でしょうが、愛することしかできない男の無力感を「はい」という僅かな一語にまで滲み出してくる堺さん、そら恐ろしい役者(だから好きなの)です。オッサンの分際で、いじらくしくてキュンキュンさせちゃうとは何事!


「リーガルハイ」の古美門弁護士のように素人でも分かるような圧倒的なテクニックを見せつけ、力でねじ伏せるような役とは違って、相手の芝居を受けて微妙に変化する役どころの有功は、かなりハードルが高いと思うのです。計算し尽した演技ではない、予想を超えた演技が毎回見られて、ストーリーの気の毒さとは別に楽しい楽しい(笑)。


また、有功は、寝所で”光合成”のごとく、浄化されたフェロモンを自分で生成して排出している感じです。ネットリと澱んだエロな空気ではなく、なぜか純白のピュア。極論を申すならば、春日局に言われた”種無し”を暗示させるほど、どこか生気がなく、”植物系オジサン”全開でした。


以前から「ラブシーン苦手疑惑」がある堺さんですが、最近のインタビューでは、「ラブシーンは型があるので逆にラクです。」と答えていて、ちょっと解せない感じです。むしろ、型で演じようとしてるからダメなんではないのかなあ。貪欲にアタックする”攻め”タイプはなかなか厳しいんじゃないかなあ、と。12月に公開予定の「大奥〜永遠〜」で、そのへんのところ確認してみます。

【どんどん深まる周りのキャラ群と演出】


多部ちゃん演じる家光は、ころころと表情もよく変わり、驚かされました。正勝相手に政治談議をする時の、したたかな影の将軍ぶりもなかなかでしたし、有功に甘える乙女な表情も豊かになってエクボが可愛いです。少年の扮装も良く似合っていたのですが、そろそろ姫様モードに変わりそうですね。堺さんとの有功とは、必ずしもお似合いというわけではないのに、なんか微笑ましくて応援したくなる2人です。


ああ、でもキスシーンや胸枕シーンは羨ましいの一言ですね・・・。若い男あげるから(笑)、そこだけ変わって欲しいわあ、と思わなくもない。(おっとまた脱線。)来週は、捨蔵と一戦交えるような家光ですが、すでに予告の時点で、原作から抜け出てきたような「ワシがお前を抱くのじゃ!」が聞けて嬉しかったです。


捨蔵役の窪田正孝君。次週は、彼の活躍でかなり急展開しそうな回になりそうで楽しみです。「JOKER」「リーガル・ハイ」と堺さんの主演ドラマで3度目の登場の窪田君。堺さんも注目しているらしい若手俳優ですが、私も彼の歳に似合わない演技力にはちょっと感心してました。パッと華やかに人気を集めている役者ではなかったと思いますが、地道に実力を蓄えてきて、どんどん地位を上げていってますね。器用でカンが良い子、というイメージですので、楽しみです。


玉栄の田中君も、お猫様・若紫殺しに関しての見せ場がまたありそうなので、要チェックです。わずかなシーンでも、彼の動向や発言には、いろいろな物語上の”伏線”があるだけに、ちょっと緊張して見ています。


そうそう、今回のラストは印象的でした。夕日を浴びて岸壁に笑顔で立つ有功&家光の前に、荒ぶる波の映像が画面いっぱいにドドーンと広がっていました。あれはCGではなく、本物なのかしら?あまり見たことのないド迫力の映像で、異次元のようでしたね。


ドラマのラスト数分前に流れるキャストテロップが冒頭に移動したのは、嬉しい配慮でした。一番の見せ場となるシーンに、無粋なテロップが延々流れ続けるのは、ウザイの一言でしたから。視聴者の意見が採用になったのかもしれませんね。願わくば、DVD-BOX発売の時にも、余計なテロップは出さないようにお願いしたい。CMカットだけでなく、テロップ除去装置も欲しいくらいですもの。

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