雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

'2014.2.23 Kaya『Gothic Elements』FINAL in 新宿BLAZE(2)

新しい活動とライブでの語録

本日のKayaちゃま公式サイトやtwitterを覗くと、今後の活動について少し語っておりましたね。その少ない言葉の中からいろいろと邪推もしてしまうのですが、ひとまず形が見えてきてからにしましょう。ま、私は一人でグダグダ取り越し苦労しているのが好きな性分なのかもしれないので(苦笑)、アテにはなりませんが。


新しいバンド名「Femme Fatale」はフランス語で稀代の悪女を意味しているそうです。いかにも”らしい”ですね。やっぱり荒ぶる野卑なバンドにはならなそうで、ちょっと期待してもいいかしら?それにソロでは絶望的というニュアンスだった仙台公演がバンドの形をとることで可能になる、ということでホッとしました。本当は手放しでは喜べないんですけども・・・。


さて、話は二日前に戻りまして。Kayaちゃまのライブでの発言を取りまとめてみました。例によって、一言一句同じではありません。

ワンマンツアーと初参加の人へのアプローチ


「アタシ、今年1月からずっとツアーで周っていたの。1月4日からね。ね、三が日は休んで4日からね。そうしたら、”正月は止めて欲しい”って。4日って正月なの?一体、いつまでが正月?」これは、名古屋公演で、とあるファンの方から言われた話のようですね。日程組むのもなかなか苦労が多いようです。


「地方ツアーに来てくれた方?」各地名を順に言って、客席に挙手を求めてました。Kayaちゃま、こういうこと、毎回のようにやってます。MCのとっかかりのネタであるけれど、実際的にリサーチの意味合いなんだろうな、と。彼は、すごくキレ者の実業家な部分があるから、さりげなくちゃんと集客の傾向を観察してるのでしょうね。


もしかしたら、都道府県別、男女別、年齢別にファン数の統計とかとっていそう。そのくらいのことは、私ならやるぞ(笑)。そして傾向と対策を練って今後の参考にする。役者やアーティストの中には、こちらが思ってる以上に繊細で”気にしい”もいるので、そういうこと気にするみたいだし。


「じゃあ、今日が”初Kaya”の方?”Kaya初夜”の方はいる?あら、結構いるのね。初めての夜は大事よね、思い出の夜にしましょうね(妖しい目つきで)。コレ、バンドマンが言うとカッコイイのに、アタシが言うと娼婦みたいになっちゃうの~。」でも、こうやってすぐ笑いに走ってくれる。そういうところがたまりません。


Kayaのライブはどんな風に楽しんでもらってもいいから。こういう感じ(壁に寄りかかって斜め見の真似)でもいいし、こういうフリでもいいし(腕を縦に振り'90年代のノリを真似)、え、古いって?じゃあ、○▽○□(某有名バンド)のライブは、どうするのよ!!」


「ただ、万一具合が悪くなったりしたら・・・(ニヤリと笑って)逃げてね。その時は、周りの方も道を開けてあげるのよ。モーゼの十戒のように、サーッと空けてあげてね。」


「皆様、入口のところでフライヤー(チラシ)を貰ったでしょ?あれ、見た?ロッカーにすぐしまい込いじゃだめよ!これまでのフライヤーと言葉が違うんだから。”さあ、私の闇を、ご自宅で”って書いてあるの。ご自宅で、よ(と言いながら、自分で爆笑)。そう、DVDが発売されます。」


すいません、私速攻でロッカーに入れてました(汗)。帰りによくよく確認したら、本当に書いてありました。


「皆の前にカメラさんがいるでしょ。映るわよ~(笑)。今日、会社サボった人、誰か身内の不幸があったことにしている人、カメラに映るとまずい人はこうやって(顔を隠して指の間から覗き見るしぐさ)見てね。」


「全部入れるからね。あ、でもMCはどうしようかな。(客席から”入れて~!”の声)じゃあ、入れる!」とはいいつつ、編集でカットされちゃうんだろうな、と思う私。DVDは商品としてどうしても完成度優先してしまう分、面白すぎヤバすぎるKayaちゃまの名(迷)言集は、あえなく切られてしまうんです。それが残念無念。ドス暗い歌の合間に聞ける、あのキワドイMCが彼の真の強みなのになあ。

バンド仲間TaNa&CHARGEについて・・・


「頭の先からつま先まで'90年代ビジュアル系のTaNa」という紹介に客席がドッとウケました。よくよく見ると、長いピンク頭に黒いロングのマント?のような風貌は、ソロ活動初期のhideX Japan)に良く似てますね。Kayaちゃまに言われて納得です。


いつでも独特の過剰アピールで笑いを呼び、マイペースで憎めないCHARGEについては、「このツアーで飼い馴らしました。(静かになるCHARGE)今日は、ボンジュールタイムないの、ごめんね。やりたいの?じゃあ30秒だけあげる。」そこからしばしCHARGEの「ボンジュール!」の連呼が始まりました。


「もう、本当に珍道中だったのよ。」さすがにこの日はメンバーへの絡みは少なめ。ライブの最後に思いっきりスキンシップしている姿が可愛かったですね。TaNaは、ややテレくさそうに。CHARGEは、ガシっと抱き合って。

1回目のアンコールでのややシリアスな話


流れるように澱みなく1部が終了し、Kayaちゃまが幕間に引っ込みました。「もうアンコールなのかな?」とややポカーンとした感じだったので、「アンコール」ではなくて、「Kaya!!」の大合唱が起こりました。そういう気分だったのです。なんかしらの発表があるというのは感じていたので、ちょっと不安や悲壮感が入り混じっていたの、Kayaちゃまは分かっていたかしら。


しばらくして、TABOOの男装で現れるKayaちゃま。黒の短パンと薔薇の模様の入った編みタイツにマント姿。ヒューヒューの声に、「思いっきり女メイクだけど」と照れ笑い。


「”アンコール!”じゃなくて”Kaya!”って聞こえてきたから、裏で、”あれ、アタシここでいいのよね?”って思いながら着替えていたの。」そこから、一体どんな発表があるのか、と一瞬身を固める私。


「8年間ソロ活動をやっていて、時々、どんな曲を歌っていこうかと悩んだ時期があったのね。・・・私ね、暗い歌が好きなの。うんと暗い、悲しい、重い歌が好きなの。ほら、でも根は明るいじゃない?そういう話をすると、”歌ってる曲のタイプと真逆ですよね?”と言われることもあってね。」


少しだけ言葉が震えているのが感じられました。ファンのストレートな失望や拒絶が本当は怖いのだと、彼の中の揺らぎが唯一見えた瞬間。


「それでもやっぱり暗い曲が好きなの。皆、闇を吐き出して、Kayaも吐き出して、一緒に落ちていきましょう(笑)・・・なんて、ウソよ。闇にも冷たい暗い闇だけじゃなくて、あたたかい闇につつまれる、ってこともあるわよね。いろいろと考えて、これからも暗い歌を、私なりの闇を歌っていきます。」


もっといろいろと言葉を重ねてくれたのは分かりましたが、記憶に残っているのはこれらの言葉だけです。彼の語る「暗い歌」という漠然とした言葉では、なんとも分かりにくいのですが、言わんとした真意はなんとなく理解できました。大衆に迎合する売れる歌ではなく、一部の人にしか支持されなくても、本当に歌いたい歌を歌うのだ、という宣言です。


これは簡単そうで、実は一番難しいことです。彼なりにかなり考え込んでいて出した結論なら、受け入れるしかないのでしょうね。実は私も、歌詞は重くても明るめの曲調が好きだったので、「勿体ないなあ」と思わなくもなかったのですが、確かにKayaちゃまのあの憑依的な歌唱、を見るとこれが彼の求めるモノなんだろうな、というのは納得できました。


もっと言うなら、バラバラの歌の集合体としての表現ではなくて、お芝居やミュージカルのような、流れるようなドラマチックな展開で、全てにおいて、魅せる、聴かせる、酔わせる、統一感のあるライブが一番やりたいのだろうな、と。それには、今のソロのやり方ではなかなか実現するのが厳しいのは分かります。


Kayaちゃまのワンマンライブでは、尋常ならざるほど重く充満する空気感に、よるべなく佇んでしまうしかないような時もありました。観客がどうノッていいのか分からないような、置いてきぼりになる瞬間があって、ファンの私ですら呆気にとられるしかないという(汗)。


重苦しい魂をえぐるような歌で紡ぐ物語”を表現したいKayaちゃまと、単純にライブ感を楽しみたい観客との乖離が、ライブの一体感やテンションを下げてしまう様子も何度か体験してしまいましたし。「なんかちょっとノレなかったかも・・・」と思って、頭をかしげたまま帰ってきたこともあったわけで。


うまく物語世界へ観客を持っていくには、それなりのシチュエーションが必要になります。見ている方がそれを求めていないと、その世界観に誘い込むのはなかなか難しいでしょう。よほど盲目的なファンでもなければ、全てが満足というわけにはいきません。


そして、その乖離を埋める手段、あるいは今よりも多少は安定するための手段が「バンド」への回帰であるのか、それは今の時点ではよく分かりません。今までのやり方では限界を感じて、まずは手法を変えてみる、というのも一興ではありますが、ある種の博打ではあることは確か。


Kayaちゃまは、やっぱり根本がすごく真面目な人でファン想いすぎる。大抵のアーティストは、悩みながらも突っ走って、後から体よく美辞麗句を並べて誤魔化してしまうわけで、もっと卑怯に面倒なことから逃げてしまう人だっている。律儀に、「今後、こういう風に方向転換をします。」なんて前もって説明してくれないって(笑)。


実はこのライブでは、この程度の発表だけでした。「なんだろうなあ」というような肩透かしと軽い安堵感のまま過ぎて楽しくいきました。ところが、ライブ終了後、新バンド結成とかSchwarz Steinの再開、ライブや録音物の告知などが大量に幕の上に投影されて、その衝撃に倒れそうになりました。

アフターパーティにて


楽しい曲、懐かしい曲がてんこ盛りの楽しいアフターパーティ。やはり開始時間はかなりオシましたが、無事にノリノリで楽しむことができました。久しぶりの「QUEEN」ドレスのお姫様風スタイル。長い金髪のウィッグが可愛くて、笑顔で舞い踊る姫にウットリ。甘い残り香の刺激も心地よく・・・。Kayaちゃま、ゴメン。やっぱり文句なく楽しいわ、コレ(笑)。


デビュー当初から、苦楽を共にしたダンサー4名も参加。皆さん、それなりに恰幅がよろしくなってて、なんだか月日の流れを一番感じました。Kayaちゃまからの近況報告もあり、それぞれにご活躍ということで、感心してました。


「さっきの(スライドでの)発表にはなかったんだけど、ソロもやります!やめないわよ~。ただ、こういうワンマンみたいなのは数年規模でしばらくないと思うの。でもこういうカワイイ曲は、ときどき機会を作ってやるからね。シャンソンライブも5月から復活します!」


たまにしかやらないとなると、ほとんど私が行ける機会というのはないわけで正直、脱力・・・(涙)。死ぬほど忙しいはずなのに、ちゃんとFCのイベントとかも企画してるという、相変わらずToo Muchなお方。まあ、このマメさが無ければ、Kayaちゃま、とっくにソロ活動頓挫していたと思います。心からのサービスこそ人を繋ぎとめていく鍵ですから。


願わくば面白い企画を立ててそれを実行してくれるスタッフが充実していてくれてればいいのですが、なんかKayaちゃまが雑事もやってる気がして心が痛いんですよね。アーティストは、ネタは振っても手は出さず、という状態なら、私も安心して見ていられるんですけど、やっぱり他人任せにはできないのでしょうね。


悲喜こもごもでしたが、ファイナルライブを見れたことは私にとって実に意義がありました。何よりも、覚悟ができました。でも、私は超ワガママなファンなので、Kayaちゃまの新しく提供される音楽に満足できなかったら、くるりと背を向けて、しばらく冬眠している(笑)こともあり得るわけです。


だから今は静かに時を待つことにしましょう。今までの8年間を噛みしめながら。そして次に会う時は、この想いを昇華して届けてあげたいです、愛するKayaちゃまに。

あたたかな闇の中で。|Kayaオフィシャルブログ「廃頽的耽美論」Powered by Ameba