雅・処

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何故、周りの大人達は彼をとめられなかったのか?羽生結弦リンク激突事件

脳に損傷がなかったのは、たまたまラッキーだっただけ

先週末にグランプリファイナル2014の中国大会、6分間練習で起こった羽生選手と中国選手との衝突事故。丁度、テレビを付けたところで、肌色の包帯を巻いて険しい表情の羽生君が映りました。事故直後の映像も流れていて、血まみれで顔面蒼白の羽生君の様子にとても見ていられず・・・。(今もって競技の様子もしっかり見返してはおりません。)


そればかりか、この試合での医療的手段の貧弱さ(すぐに担架が運ばれてこない、日本チームは医療スタッフが同行していない、怪我人を歩かせている等)にも閉口しましたが、「美談」や「感動」の名の元に、有望なアスリートの選手生命すら脅かされるような状況、に愕然としました。こういっては語弊がありますが、たかだかグランプリファイナルの予選ですよ。


引退試合でもなければ、二度と出場できない五輪や世界選手権でもない。日本で開催された記念の大会でもない。そんな程度の試合に、身の危険を冒して出場するのは愚の骨頂というか、クレイジーとしか思えません。武士道だの、強い精神力、じゃなくて若さゆえの無茶無謀です。


羽生君自身の胸のうちは、初戦で怪我をしてしまったことの衝撃などでかなり混乱・葛藤していたと思いますが、そういう正常な神経ではないところで、もっと危険な試合に出場させてしまった、周りの大人達の責任は大きいと思います。極端な話、命の危険すらあったのだから、羽交い絞めしてでも止めさせるべき、と憤りを感じてしまいました。


オーサーコーチに期待しても仕方ない。言葉は悪いですが、彼はあくまで「雇われコーチ」ですから。真剣に一選手にプロコーチとしてのアドバイスを与えてくれはしますが、当然、羽生君の選手生命や生命に責任は持てない、はずです。日本人のスタッフがどうにか対応すべきでした。


根性なしの大人、になってしまった自分なので、羽生君の演技に感動とかそういう想いはなかったです。何故滑らせるんだ!という思いだけ。キスアンドクライで号泣している羽生君については、「もうスケートができないかと思った。」というインタビューを聞いて、そういう悲壮感があったのか、と納得するものはあったのですが。


それとはまた別に、ソチ五輪の金メダリストとしての見えないプレッシャーや、浅田真央高橋大輔安藤美姫織田信成鈴木明子といった人気選手の大量引退後でのしかかる日本スケート協会の「見えない期待」(人気者ゆえの酷使?)にも押しつぶされないよう必死なのだろうと思ったり、もしています。羽生君の欠場で、テレビ局やスポンサーも真っ青だろうなあ、という大人の事情も充分、分かりますし。


実際、フィギュアスケート人気はすでに岐路にたたされており、新たなスターが生まれないとこれからどんどん人気が下がっていく可能性は高いと思っています。海外の若手選手達もどんどんスゴイ技を持って出てきますし、分かりづらいルールや不明瞭な採点の連発にもテンションが下がります。「五輪後のこれからが勝負」と羽生君が力んでしまうのは分かりますが、周りの期待や人気に押し潰されないことが大事。


やきもきする気持ちを抑えてゆっくり養生すべし、と思います。それに、その休暇期間に自分をもっと冷静に見つめ直したらいいとも思います。やっぱり羽生君は、どんなにシッカリした若者として振る舞っていても、弱冠19歳の未成年の男の子。これまでも自分の感情のまま突っ走ってしまう向こうみずさは、感じられました。周りの意見をもっと聞いて、時間の流れをゆっくり受け止めて、身体はもちろん、ピリピリした心を休ませてあげるのが何よりではないでしょうか。


今の羽生君は、人気も最高潮な反面、ちょっと一時の真央ちゃんを見てるようで、余裕がなさそうで見てて苦しくなってきます。そんな私は最近、「氷上の哲学者」町田樹君の演技を見ている時が一番トキメキを感じます。ちょうど、明子ちゃんが苦節ン年で勝ち上がってきた時に似た、これぞフィギュアスケートの醍醐味!を感じるからです。


今回の事故に限らず、羽生君にも沢山の”試練”はあるはず。怪我だけでなく、成績の低迷などもいろいろ体験していくはず。私は16歳までの羽生君が好きでしたが(なぜか今の彼のスケートにはあまりパッションを感じないですし、スケートになるとあまりに「自分が一番」という姿勢が苦手で)、23歳くらいになり円熟した時の成長した彼もちょっと面白いかも、と思っております。