早くも灼熱地獄の日本列島。今年の夏の第一のヤマ場が終りました。アイドルHey Say Jumpのコンサートに始まり、スタジオライフの芝居観劇、そしてBL映画3本連続鑑賞(笑)。これらが1週間の間に集中的にありまして、どこから書こうかかなり迷うところです。
本当は、ちょっと生きづらさを感じる嫌な出来事もあって落ち込んでいたんですけど、そういう時ほど感性が鋭くなっていたり、感動も大きかったりするのかもしれませんね。まずは、私的にイチバン心が動いた、”ひと夏の恋愛映画”のことから始めます。
「セブンデイズ」後篇は爆死しそうな胸キュンの連続!
前篇『セブンデイズ MONDAY→THURSDAY』を6月に見てから、なかなか諦めきれずに悶々としていた*1のですが、後編『セブンデイズ FRIDAY→SUNDAY』を、ようやく渋谷HUMAXで見てきました。それも『宇田川町で待っててよ。』と『セブンデイズ』前後編の特別上映というマサカのおまけ付。もう、すっかりBL映画に骨抜き状態(笑)。
「1週間だけの恋人」をちょっとしたゲーム感覚で始めたはずの高3の篠弓弦と、実は初めから本気で恋人を求めていた高1の芹生冬至。仲の良い親友同士のような付き合いが少しずつ、お互いを意識し始め、何故か嫉妬のような感情が芽生えてくることに慄きながらも、少しずつすれ違いが生じる木曜までが前篇で描かれていました。
後篇になると、口に出せない強い想いが一層、2人の感情を翻弄し、傷つけ合ったり仲直りしたり、なかなかのシーソーゲームの装いを見せます。BLには珍しく(?)女生徒や、年上の元カノ(実は冬至の兄の恋人でもある)なんかもちょっかい出してくるのですが、2人が強く惹かれ合ってるのが逆に浮き上がってくるんですねえ。
揺れ動く2人の男子と感情は、(1週間の期限である)最後の日曜日にまでどんどん苦しさ切なさが高まっていく・・・もうストーリーに没頭しまくりでした。いやあ、それにしても、「永遠の乙女なのか!?自分」(笑)と自嘲しちゃうほどにドッキドッキのテンションで、もう足をバタバタしたくなるようなたまらなさ。原作知らないで見てるから、それは尚のコトなのです。
これって本当にBL?いやいや
恐ろしいほどの純愛映画じゃありませんか。
あたしゃ長年生きてるが、ここまで焦れったくてドキドキの恋愛モノ、見たことないぞ~。設定は現代ですが、いささか古風なくらい純情で生真面目な可愛い男のコ達2人に悶えまくり。そうだ、そしてこれは書いておかねば!
たかだかキスシーンがこれほどヤバイと感じる映画はありませんでした。
特に、弓弦の家シーン(予告にも出てきますが)、これは、見ながらかなりアワアワ・・・でした。ラストシーンまで、もう一直線に胸苦しいまま連れていってくれましたね。
東京と大阪の後には、9月に京都で1週間の限定上映が決まったようですね。いいぞ~コレは(笑)、味わって下さい。そして見事に予想を裏切ってくれますよん。私はすでに、また見たい病が勃発してますもの。念願のパンフレットも手に入れて*2、もう「早く本編DVDを発売して欲しい!」と、またもやたまらない思い上昇中なのです。
【そして、智紀にオチた】
前回、前篇を見終わってから実はかなり余韻が後を引いていたのですが、全く期待しないで見ていたので(失礼)、役者達の細かな演技や表情部分では、とりこぼし要素が結構ありました。特に、妙な余韻を残す犯人は廣瀬智紀君。弓弦へ投げる「誘いウケ」チックな魔性の微笑みと、垣間見せる寂しげで繊細な表情の術中にハマってしまいました。あと狙いなのか素なのか、妙に可愛さ全開のハニカミとか。
当初は、山田ジェームズ武君のほうが顔的に好きかな、可愛いな、なんて見ていたのに、途中から智紀君の存在が大きくなっていって。。。彼のような線の細い、一見ナルシストっぽい雰囲気のイケメンは、好みじゃなかったはずなのに、自分でもビックリです。まあ、まだ芹生役しか見てないので、”ファン”というのはおこがましいのですが・・・。
でも今回もう一度、前篇を見返して気が付きました。『セブンデイズ』に”奇妙なリアリティ”を出してる陰の指令塔はやっぱり、この智紀君でした。ネットで見て、実年齢は高めで芝居経験も結構あったことが分かりましたが、それだけにやはり手堅い演技で、安定感ばっちり。漫画チックな大袈裟な演技もありますが、弓弦に振り回されて、ショックを受けた時の切ない表情なんかはちゃんと表現してくれてとても満足。
ジェームズ君も、心情語り(ナレーション)はやや棒・・・(汗)なところはあるものの、真剣な眼差しとか直情的に思いをぶつけるくだりはすごくイイ。舞台挨拶後の彼のブログを読んでみたのですが、心を込めて映画に携わった人々へ感謝を述べているところに感心。彼の持つ生来の誠実さ、が役柄にとても投影されていた気がします。まさに、今回は配役の勝利、かな。
この2人が、イケメンなのに不器用で、「初めての本気の恋に、どう対処していいか全く分からない。」と悩んで苦しんですれ違いを繰り返す。そのもどかしさがもうグッとくるんですよねえ。カップリングの妙とでもいいますか、並んで違和感が全然ないし、「頑張れ!」と応援したくなるような初々しさ。つくづく、この2人で良かったです。
【BL映画増えてきて愉しんでますが・・・】
今回の『セブンデイズ』のパンフレットのプロダクションノートには、「BL映画は、このジャンルというだけで出演を断る芸能事務所も多いのが現実である」という記述がありました。そういうことってやっぱりあるんだなあ、と思ったりもするんですけど、やっぱりちょっと納得いかないというか、残念に思う部分もあります。
確かに大事な所属の役者を、「BL映画=イロモノ」に出して変なイメージつくのを嫌がるプロダクションがあるのは分かりますし、薄っぺらい低予算作や駄作もありますし、リスクは高くなってしまうかもしれない。更に、「同性を好きになる気持ちが分からない」という役者の戸惑いとか、そもそもBLや同性愛モノに過剰な偏見や抵抗感がある人がいてもおかしくないです。
一方で、ハードルの高さがあるからこそ、勇気を持って出演する役者達の前向きさには、私は感動を覚えるんですよね。間口の広さとか冒険心とか。私も、過去に集中的にBL映画を見てますが*3、若い役者の名前や顔も随分覚えました。その中でも、小谷嘉一君(BOYS LOVE)や谷口賢志さん(どうしても触れたくない)などかなり好感を持った役者さんが出てきました。
他にも華々しく出世した斎藤工さんもBL映画で存在を知りましたし、徳山秀典さん(愛の言霊)のように、少年時代から知ってる役者でも新たな一面を知った役者もいます。不思議なもので、一度でもこの手の作品に出た人達は、まるで同志のような親近感を覚えてしまいます。
正直、今のイケメン役者の市場は「猫も杓子も・・・」という飽和状態。そこからどうやって頭一つでも二つでも抜け出せるか、という熾烈な闘いをしているんだと思います。ライバル意識むき出しで「皆、蹴落としてやる!」とギラギラしている役者は、いまどきスマートではないので、みんな横一列に並んで仲良く仲間としてやってるいるんでしょうけど、だからといって闘いが楽になるわけではない。
だからBL映画もハンデと思うか、一つのチャンスと思うかで、違ってくるんですよね。ただ舐めてる、とヤケドはしますがね(笑)。ある程度、目が肥えている人が多くて、ちゃんと見抜きますから。マイナージャンルでニッチな市場ですけど、固定客はいてこれからもジワジワと増えていく気がします。
私がBL映画に魅力を感じるのは、「男性をより魅力的に撮ってくれる映画」が多くなってきている、という点です。イケメン役者なんだから、顔が綺麗なのは当たり前なんですけど、もっともっとディープでコア。女性の目に合わせて作られているからこそ、より綺麗に、魅力的に、時には役者自身気付かないような繊細さデリケートな美しさをじっくり見せてくれるところがいいんです。
まあ、なんだかんだ偉そうなこと言ってもコレが好きなんだから仕方ない、って感じですけど。実のところ、この『セブンデイズ』は、映画DVDが発売されたらかなり売れそうな予感がします。普段、この世界をバカにしている頭の固い製作陣がいるとしたら、度肝を抜いてくれたら嬉しいな、と思ってたりします。
BL映画 舐めんなよ~ なんてね。
まあ、なにはともあれ、智紀君&ジェームズ君の悩ましげに苦悩する表情を堪能したくて、家で何度も繰り返しみたい、とマゾな妄想気分に浸っております。
◇参考サイト:
廣瀬智紀 人気BL映画「セブンデイズ」後編へ「僕達の恋愛を味わって」 - News Lounge(ニュースラウンジ)◇パンフレット通販:
オンライン書店Honya Club com:洋書・雑貨・文房具: 映画 『セブンデイズ』 パンフレット
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