雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

結構、綾野尽くしの日々

岩井俊二作「リップヴァンウィンクルの花嫁」

週末は、WOWOWで放送された「リップヴァンウィンクルの花嫁」を見て、とても岩井俊二な(笑)気分に浸っておりました。まあ、岩井さんがもてはやされた時代を知ってる、というだけで岩井ストでもなんでもなく(「Love Letter」くらいしか見たことがないくらい)あの残酷なほどな透明感や映像美はさすが・・・と唸りました。


黒木華さん演じる七海がまさに「自分がなく、人に流される女」をとてもリアルに演じていて、かなりイライラさせられました。どっかで会ったことがあるような既視感に襲われた、天衣無縫な真白役をあのCoccoが演じていたのも驚きでした。でもこのワケあり女性2人の”束の間の楽しいヒトトキ”がこの映画の一番の見せ場だったです。


綾野君演じる安室は、七海にとって敵か味方か白黒つけにくい、怪しい人物。「何でも屋」を職業にし、お金のためならどんなあくどいことにも手を染める、ちょっとヤバい人。それでも、時折、正義の味方のごとく七海の元に駆けつけたり、(どうやら100%悪人というわけでもないようで)屈折した人間であることがプンプンしている。


こういうクセのある役は、分かりやすいイケメンだとあまり印象には残らないけれど、綾野君の”持ち味”を最大限に生かした役なんではないかな~。要所要所で”七海と物語”をあらぬ方向へ転がしていく狂言回しのような役目で、シニカルで何を考えているか得体の知れない人物・安室。でも、これまたこういう人っていそうだわ、と思わされてしまわなくもない。


岩井俊二さんの映画って映像重視なのは確かだと思いますが、この映画では「病んだ寂しい心」を持った人ばかりが出てきて、なんか胸の奥底がじんわりと重くなる感じでした。披露宴アルバイトで出会った”疑似家族”のところが唯一、救われたシーンかも。こういうちょっとした縁で、集まって楽しむ、ってこと結構してきたことがあるので、それを思い出してとても懐かしかったです。


最近のWOWOWは、綾野ファンにとても美味しいサービスが多いです。レンタル行かなくても、最近作のみならず、過去の作品もどんどん流してくれて、成宮君の引退事件の直前には「太陽2068」も放送してくれましたし。加入して20年近くなりますが、今一番有効活用していますね(笑)。


そうそう長らく録画のまま放置していた「ガッチャマン」も見たのですが、意外と綾野君の見せ場があって面白かったです。クールなタイプなのに、内面は恋人を殺された激しい怒りにメラメラと燃えていて、任務を帆織り出して自ら危ない橋を渡ってしまう、というところが見ていて面白かったです。ただ、子供の頃、大好きだったアニメ「ガッチャマン」とはかけ離れた世界観なのが一番の悲劇ではありました。

大丈夫かな~、「フランケンシュタインの恋」


「フランケン~」5話を結構楽しんで、日曜夜は安眠したのですが、すぐに視聴率6.0%の判定にうわあ~となる。最近、視聴率が出る速度が速いですね。昔は1週間後のTV誌で、とか放映後中2日は待った気がするのに、わざわざ半日で出さずとも・・・(-_-;)。いや、5話は結構楽しかったんですよ、研さん憧れの雨宮と初デート(!)のウキウキもあり、大事件はないけど大工チームのそれなりに見どころもあり。


うーん、ただこのドラマ、芯がブレブレなのはちょっと痛いところ。メインのラブストーリーが弱すぎて、周りでバタバタ人が動いて小さなエピソードを回している感じなのが残念。研さんの”一途な恋心”に、継実は初めから「恋」を醸し出している。できれば、ラブストーリーとして王道の「怪物と重病の娘の叶わぬ恋」を盛り立てて欲しいところなんですが、なんかあっちこっちに飛びまくっていて落ち着きがないわけで。


”座長”として、ドラマの視聴率も当然重視する綾野君にも気の毒な気がするし、日テレ関係者も青ざめていることだろうなあ、と思うとちょっと胸が痛いです。。。またしばらく次のドラマはないかな・・・なんて。まあ、映画もドラマも企画や脚本をちゃんと練るような体制が今欠けている、ということだけは確実ですね。


せっかく森のセットとか、現実離れした世界観とか、演技達者なベテランもいるわけだから、もうちょっと腰を据えてじっくりやってくれたらいいのに。それから、柳楽君の稲庭先輩も、なんか掴みきれないキャラクターなのがどうなんだろう。力まないせいで台詞が若干棒読みに感じられるところもあるし、顔が濃いのにキャラが立ってないのはどうよ!と思います。


そうこう言いながら、ストーリーはともかく研さんのラブリーさだけで楽しく見られる、というドラマではあります(笑)。綾野君、切れ長の目がフランケンの時は、すごい”垂れ目”に見えます。また独特の表情筋を最大限に使った演技なのかもしれませんね。


6/3からは「武曲」公開。今年一番期待している映画です。「その夜の侍」みたいな映画という噂もチラッと聞いて大丈夫か?と思うこともありますが、ムサイ剛君が楽しみでなりません。


いくつになっても、岩井さんは女性に”何か特別な理想”を持っている監督なんだろうな、と思ってしまうフェミニンなムードの映画でした。そこに登場する綾野君も、グレーゾーンな色気(男くささはない)に覆われていて、とても印象的。


実写版「デビルマン」よりかはまだ見られる作品です。成長期の濱田龍臣君も可愛かったし、主役の松坂桃李君がちゃんと真ん中を務めあげていて感心。