雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

舟見君の退団

ふなみん、衝撃の退団

いつものように劇団の会報が届いて、すぐには気付かず、ライファー友に教えてもらってびっくりしたのが舟見和利君の退団。一番大事なことがいつも、コピーの情報紙に小さくシンプルに書かれてあるため、見逃しちゃうんですよね。


それにしても一体何があったんだろう?体調を壊して1年くらい休んでいた頃に何かあったの?頭の中にハテナが飛びまくりました。


舟見ちゃんは、私の目から見ても”ライフの申し子”の一人でした。そして”女優”陣のはずせない一人。細身の身体に女役がハマって、『Happy Families』の頃は、役を掴むために”娘”の格好のまま道を歩いても誰からも気付かれなかった、なんて逸話があったりして。


吉田君に続いて、ライフからまた一人、貴重な女優が減るのもイタイ。むしろ女役だから悩みが深いのかな。あのさんですら、女優が続いてキレた時期*1がある、と聞いてビックリした覚えがあるので。


私が劇団のファンになってすぐは、岩崎大ちゃんがスター候補生として毎度のように主役を張っていました。それから少し遅れてヒロイン役は、舟見ちゃんに集中していきました。正直言って、ヒロイン役については、私は及川健松本慎也三上俊といった派手で可愛い顔立ちが好みで、毎回ダブルキャストで見ていたのにあまり舟見ちゃんの記憶がありません。彼の独特の台詞回しもやや苦手でしたし・・・。


むしろ、ちょっとヒネリのあった感じの役のほうが印象に強く、前述の『Happy Families』のサフロン役、『死の泉』ミヒャエル役、『DAISY PULLS IT OFF』のデイジー役、『夏の夜の夢』のヒポリタ役、『ヴァンパイア・レジェンド』黒婦人役などがパーッと脳裏に浮かびます。そして『月の子』初演のセツ役も忘れられません。


当時、出戻り劇団員(笑)の林セツがあまりにも評判になったあおりで、Wの舟見ちゃんにファンの批判の矛先が一部集中したことがありました。FCのパーティーでは藤原さんが「舟見もよく頑張っていたんです。」と努力したことを懸命に褒めていました。


舟見ちゃんは、そんな先輩をよそにニコニコと佇んでいました。「なんだかふわふわして、イマひとつ本音が掴みずらい子だなあ~。」と思いましたが、その意識の変化は3年後の再演で、”文句無しのセツ”を見せつけ、充分に雪辱を晴らしてました。


その後は、瑞々しい少女から、大人の女まで自然に演じられる幅を持ち、主役続きだったところに突然の休団。今にして思えば、その時期に身体を休めるだけではなく、何か将来の自分自身について考える充電期間だったのかもしれませんね。退団の記事には、これから「映像の仕事がしたい」というような理由があり、意外に感じたのですが、舟見ちゃんのブログでの記事を見たら、もっといろいろと考えて出した結論だったようですね。


男も32歳ともなれば、先の人生、進路は考えるのでしょう。昔から見てきて、そこに居るのが当たり前、と思っていた役者が出て行ってしまうのは、ショックなことです。若手については、以前から1年も経たないうちに辞めていく子が多くて、さほど驚きはないのですが、たまに中堅やベテランクラスもポツリポツリと抜けていってます。


何より”ハマる女役”がどんどん少なくなっていくのが悲しい。どこも劇団なんてそんなものかもしれないし、役者で食べていけるのはほんの一握りという厳しい世界ということは、分かってるつもりですがやっぱり寂しいです。


皆「スタジオライフが好きだ」って言って辞めていくんですよね。嫌いで辞めるよりはいいでしょうけど、「好きなら何故辞めるの?」って自問自答してしまいます。ライフは、アットホームで、なじめばきっととても居心地良い空間だと思いますが、そこは当然のごとく役を巡るライバル関係もあるでしょうし、外部出演やバイトや副業で稼がないとやっていけない不安定さもあるし、芸能界と近いようでかなり乖離もありますし、はたで見るよりずっと大変なんでしょうね。


でも、もう誰も辞めないで欲しいです。これが切実な願いですね。

*1:'06年『ヴァンパイア・レジェンド』の頃だそうです。