雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

スタジオライフ 映像作品(1)

過去の作品を振り返る

1週間前に見てきた『カリフォルニア物語』のおかげで久しぶりにスタジオライフ熱がゆるゆると続いています。しかし、現実は厳しい・・・。花粉症は始まるし、仕事は忙しいし、免許取得の道のりは遠い、で「もうイヤ~!!」ってなってしまったり。まあ、それはともかくとして。


『カリフォルニア物語』は、外部役者が活躍していたため意外と(?)評判が良いみたいで、再演希望やDVD化をブログに書いてる人が多いようです。残念ながらその望みはかなり薄いと思いますが、倉田淳プロデュース作品という形で第二弾、ということもありえるかもしれません。


倉田さんの場合、(いろいろと欠点はあっても)芯のところで”琴線”に触れる芝居を作ってくれますし、「うまい芝居よりも、心に響く芝居」を大事にし、男優を美しく見せる(魅せる)ことでは、なかなかの腕前だと思うので、今後外部に出て行く可能性もあるかもしれません。それも楽しいけれど、反面、どうかスタジオライフの本公演もキバって下さいね、と(笑)。 


戻ってきてから、本当に久しぶりにスタジオライフの映像作品(DVD)が見たくなりました。映画やドラマですら、かなり気合入れないと集中力が続かないので、演劇作品を平均3時間近くも画面に釘付けになっているのは難しいものがあります。でも、『カリフォルニア~』で久しぶりに及川健君を見たら、なんだかとっても懐かしくなって『OZ』(未購入ですが)とか見返したくなりました。

【スタジオライフ映像作品(その1)】


ここで、スタジオライフの舞台を映像化した作品(DVD・TV放映)をまとめてみようと思います。あくまで簡単な見どころや思い出などですが。

LILIES」(2003年)
  シモン(大沢健:客演)・ヴァリエ(姜暢雄)・伯爵夫人(曽世海児)
  シモン(高根研一)・ヴァリエ(山本芳樹)・伯爵夫人(楢原秀佳)

カナダのケベック州に生まれたこの戯曲は各国で上演され大ヒット、'96年には、「百合の伝説」という名前で映画化されました。映画も舞台もオール男性キャストという形をとってるため、男性だけのスタジオライフにはまさにうってつけの題材と話題になりました。


あるファンから受け取った映画ビデオを見て興味を持った倉田さんが、翻訳された脚本を再構築して2002年に日本初演。当時、ファンの中に大きな衝撃を巻き起こし、「伝説」となった作品がコレです。私の中では「トーマの心臓」を超える歴代ナンバー1の傑作*1、という位置づけです。


同性愛を真正面から描きながらも、それだけに留まらず、親子愛や社会的・宗教的背景に鋭くメスを入れた重厚な作品で、選ばれた少数先鋭の役者達が(出番のない間も)舞台端に残り、休憩無しのノンストップで観客の目に晒されるという緊張感が、客席との熱い一体感を生み出していました。


まさに”奇跡”のような初演の映像が残らなかったのが惜しまれてまりませんが、翌年に再演された、このDVDもクオリティは高いです。ベテラン役者達にも「どんな小さな役でもいいからこの作品に出たかった・・・。」と言わしめただけあって、役者達も全身全霊で役にぶつかり、演じられる幸せを噛み締めているのが伝わってくるような作品です。


『LILIES』については、いつか再度、じっくり感想をまとめてみたいです。

「DRACULA」(2004年)
  ドラキュラ伯爵(笠原浩夫)・ジョナサン(甲斐政彦)・ミナ(舟見和利)
  ドラキュラ伯爵(曽世海児)・ジョナサン(山本芳樹)・ミナ(及川健)


ブラム・ストーカー作。耽美世界を描くには手っ取り早く吸血鬼、なのかもしれません。あまりドラキュラには興味を持てないクチの私ですが、本から抜け出たような笠原さんのドラキュラには魂を奪われました。ライフ版ドラキュラは、女ではなく男に迫る(笑)という、いかにもな設定になってます。


しかし、当初「何故(無骨キャラな)甲斐さんが相手役なんだ~!」と率直な(失礼)感想を持ちました。やや能天気で強引グマイウェイな笠原ドラキュラに翻弄され、「いつになったら家に帰れるの?ボク」と目をむいて恐怖におののく甲斐さんは、ちょっとラブリーだったりするのですが。


対する曽世さんのドラキュラ。この役のために減量したことで頬がこけ、不健康で浮世離れした容貌を作り出していました。また”自尊心の高い”ドラキュラ伯爵が、最初は饒舌な言葉で若きジョナサンを追い詰めていき、やがて裏切られ、失意の中に滅びていく姿を人間くさく演じていったことで、観客を唸らせる出来になりました。この頃、確かに曽世さんは耽美系役者だった(笑)のです。


最後に出てくる、少年キンシー役に松本慎也君。入団し立てホヤホヤとは思えない、やんちゃな演技を思い切りやっていて、その度胸の良さにちょっと驚かされてたのもこの頃です。

「ドリアン・グレイの肖像」(2004年)
  ドリアン(高根研一)・ヘンリー卿(笠原浩夫)・バジル(岩崎大)

  ドリアン(山本芳樹)・ヘンリー卿(楢原秀佳)・バジル(山崎康一)


オスカー・ワイルド作。そのあまりの美貌のために、人々の賞賛を受け、堕落させていく、美青年ドリアン・グレイが主人公。永遠の美しさを獲得したドリアンの身代わりに、(彼の親友であり信奉者でもあるバジルが描いた)ドリアンの肖像画は悪事を重ねるごとに醜く変貌していく。この作品のテーマである、誰もが認める絶大なる美貌・・・これは芝居化するにはかなりハードルが高かったかもしれません。


クセは強いが「美形」ではあるはず、と思っていた高根山本の両主役でさえ脳内変換(笑)をしてもやや厳しかったです。それにもまして、難解で掴みどころのない台詞の数々にやや翻弄されてしまって消化不良な作品でした。実は、これより以前に宝塚版「ドリアングレイの肖像」を見損ねており、ライフが舞台化してくれないか、と上演希望のアンケートに書いたのがこの作品でした。


それだけに私個人としては思い出深い作品でもあるのですが、残念ながら周りの評判はイマイチでした。そして忘れた頃にDVD化が決まり、「何故この作品なんだろう?」と正直首を捻ったものです。ただし、石飛さんがロンドンで買い付けてきた、アンティーク古着の数々は素晴らしく、見ものでした。


また入団間もない吉田隆太君のお嬢様ぶりが麗しかったのと、彼が台詞を忘れて真っ白になってしまった瞬間に、飛んでしまった台詞をかき集めて、優しくリードしてあげた笠原さんのダンディぶり・・・にシビレた記憶があります。


スタジオライフ 映像作品(2) - 雅・処
スタジオライフ 映像作品(3) - 雅・処
スタジオライフ 映像作品(4) - 雅・処

*1:約7年間で20作品は見てると思いますが、その中で1番でした。