雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

映画「娼年」 感想

地下鉄が止まった日に鑑賞


年明けからずっと忙しく、気力体力共に減退していたので、松坂桃李主演映画である「娼年」も興味はあるものの、見に行くのが億劫になっていました。


そんな折の18日、地元の地下鉄がストップしてしまうというまさかの事件が勃発。すぐには帰れなくなったので、だったらこの機会に見よう!と急遽決心。


すでにレイトショー1回限りになってしまっていたのですが、客席にも余裕があったので(女性多め)、楽に見ることができました。とはいえ、冒頭からR18指定ガンガンの飛ばしよう・・・で、目のやり場に困るというか、なんというか。8割方絡みの映画、と桃李君が言ってるだけあって覚悟はありましたけど。


ご本人もうすぐ30歳というものの、まだまだお若い。大学生の役が全然違和感ないですし、汚れ役もめちゃくちゃ清潔感があるので、淫らに見えず、良かったのか悪かったのか、なんとも言い難い感じでした。かえって全裸がエロくない、というのがすごい。むしろ、若い女優さん達のほうがまるでAV(?)のように一本調子にアーアー言ってて、下品&単調になっていたのが残念な感じ。


「こういうの、綾野剛君なんかがやったら、とんでもなくエロ変態映画になりそう(笑)」と、感じてしまう自分がいました。熟れた体形だとか、妙な色気とか、男のほうにそれがないと全然エロじゃないもんだなあ、と逆に理解できてしまった部分がありました。


それにしても撮影中「服を着せろ~」と思っていた、という桃李君の言に納得。ここまで、裸でHシーンのオンパレードじゃなあ。。。むしろ、一番色っぽかったのは、桃李君の無防備な顔。マザコンで寂しそうな子犬のような表情を、雇い主の御堂静香に向ける時が無性に愛おしく、印象的でした。

ストーリーも意外と面白かった

年上の一癖も二癖もある女性たちとの大人な絡みは味付けみたいなもので、この映画のストーリーの要めは、疑似母子愛かな、と。そこが見せ場としては一番面白かったです。


そして、静香を演じる真飛聖さん。宝塚時代から結構見ていた人で愛称は”マトブン”。男役トップになってからは1回しか見てませんが、演技巧者と言われていた彼女がここまで女優として活躍されるとは夢にも思いませんでした。


特にファンでもなかったというのに、退団してからのマトブン遭遇率の高さは何なんでしょう、と驚くほどです。TV「わたしを離さないで」「隣の家族は青く見える」をはじめ、「帝一の國」にも出ていたし、選んで見る作品にことごとくマトブンがいる、という事実。主演級は少ないですけど、なかなか良いポジションにいるなあ、と感嘆します。


仕事選びが上手いのかもしれませんし、私が気になるクセの強いエンタメ作品に相性がいいのかもしれません。舞台版は高岡早紀さんで、そちらは見てませんが、「クセの強い年上の女」高岡さんより、マトブンのほうが「デキる雇い主」としての”圧の強さ”は感じるので私的には良かったです。


それからBL描写として話題(?)の東役、猪塚健太君の見るからにヤバそうなコールボーイっぷりも面白かったです。痛いシーンが苦手ではありますが、なかなかの体当たりっぷりで、最も桃李君との相性が良かった相手役だったかも(笑)。


松坂桃李君、イケメン俳優として猛プッシュされているときは苦手でしたが、結構好きに転じてます。同じ事務所で弟分の菅田将暉の大活躍に「負けてられないと奮起した」、というエピソードを聞いてから「頑張れー!」という感じになってます。トークでも、実はインドアだったり真面目な性格だったりとギャップ萌えしちゃいますし。


桃李君、今後は個性派役者に転じていくのかなー。少し危なげで儚さのある今、一番きれいな時期かもしれませんね。

娼年 (集英社文庫)

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