雅・処

好きな俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

’06『トーマの心臓』Bチーム観劇記(2)

変化はすぐにやってきた

開幕後2週間が過ぎ中盤にさしかかりましたが、本日はBチーム2度目の観劇でした。初回、その硬さが気になったユーリ(奥田努)は、驚くほど変わっておりました。良い感じに肩の力が抜けて、揺るぎない落ち着きぶり。


そして、トーマの幻影に惑わされる時の痛ましさを覚えるシーンも、相変わらず抑制が効いてるものの、少年のような繊細な表情を浮かべていてビックリするほど進化していました。


更に前回は優等生ぶりがギクシャクして見えたのですが、今はなかなか板についていて、頼りになりそうな(笑)人物です。芝居を見ている最中、彼が優しい表情で語るシーンを見ると、奥田ユーリが”トーマの愛”に包まれているようで、これこそがこの物語の持つ”奇跡”なのかも・・・と感動を覚えました。これなら千秋楽までにかなり素晴らしいものを見せてくれるでしょう。


エーリク(三上俊)もかなり進歩を感じました。台詞にどんどん感情が入ってきて、本当に楽しそうだったり、泣いたり、憤りを覚えていたり、男の子らしい伸びやかさで迫ってきます。彼には、とてもカンが良いなあ、と感心させられます。まるで若木のように一回舞台を踏むだけで、何倍も成長していくのです。おまけに真っ直ぐで爽やか。持って生まれた資質なのでしょうが、入団2年目でこれはなかなかのもの。


サイフリート(岩崎大)は、非常に楽しみながら演じているのが分かって見てるほうも楽しいです。ストレートのセミロングヘアを赤に染めているのが分かりました。これがライトに光るとちょっとイカす(笑)感じです。もしかして青のアイシャドウ入れてる?大ちゃんの濃い目の化粧って新鮮です、ずっと元気青年が多かったから、いやあ、今回最もオイシイ役かもしれません。

大ハプニングに焦った!


不思議なことにBチームは、何かとハプニングが多いようです。前回の観劇では、「ルネッサンスヒューマニズム」の本を読んでいるエーリクにオスカー(曽世海児)が絡むシーン、軽く追いかけっこになるところで、バッカス篠田仁志)の登場が遅れに遅れたため、会場がざわつきました。


三上君が機転を利かせて、追いかけっこを続け、曽世オスカーをかわしながら2周ほど余分に廻ったので、バッカスが出てきたときはヘトヘトになっていました(笑)。


その後、篠田バッカスは、何事もなかったかのように慌てず騒がずクールに登場。「キミキミ、もっと早く出てきておくれよ~。」と観客も内心ツッコミ入れていたと思います。裏で曽世さんにヤキを入れられてなければいいのですが・・・(笑)。


今日のハプニングはまたとびきり凄かったです。スタジオライフを見るようになってから、いくつかハプニングに遭遇はしてますが、今回のが一番大きいかもしれません。ユーリの自宅でお婆様エリザ(牧島進一)とママのシェリー(舟見和利)が出迎えるところ。暗転から明かりが点いた瞬間、


 長椅子がない!?


椅子に座っている牧島君と棒立ち状態の舟見君。瞬間、ハプニングだと誰もが気付いたと思います。しかしこのシーン、意外に長い。10分近く同一場面が続くのです。誰かが椅子を運んでくるようなマネは不可能。どうするのか、と手に汗を握り・・・。


すでに舟見君は、芝居を続けていて「お茶を持ってくるわね」と言って席を外しました。牧島君へ挨拶をした奥田ユーリと三上エーリク、その後すぐに奥田君が「行こう」と三上君を促して袖に入ってしまいました。当初、奥田君の機転があまりにも自然で素早かったので、誰が展開を変えたのか分かりませんでした。


紅茶のカップを3人分お盆に持って戻ってきた舟見君が牧島君にだけカップを渡します。その後もお盆を持ったままです。「なかなかイイ子ね、あんな子がウチの子だったらいいのに。」と目を泳がせつつ、幾分震える声で牧島君が続けました。*1


結局、「いつまで突っ立ってんの!早くお座りなさい、全くイライラさせる子だよ」から最初に部屋に引っ込むまでの数分間*2を一気にカットしたのです。この展開にすべく、瞬時に奥へ引っ込んだのか、と後で思い返し、「奥田君って凄~い!」と感心。更にシーンは続きます。


舟見ママから毛布を受け取った奥田君、毛布を残った椅子に置かずにどこに持っていくのか?と見ているとエーリクに微笑み、「椅子を持ってくるよ」と袖に向かいました。(ウマイっ!座布団3枚!!)


きっと長椅子は、すぐに置けるように袖にチョコンと置かれていたんだと思います。あっという間に抱えて持ってきた奥田ユーリがそのまままたよどみなく台詞を続けていって、しかも全くもって落ち着きを失っていないところにいたく感動しました。(実は、二人してそのまんま体育座りしたらどうしよう(笑)、と思ってました。)


ハプニングは、一瞬にしてその場の空気を変えてしまいます。しかし予定調和になりがちな物語の中にあって別な緊張感を呼ぶこともあり、その後の芝居が崩れるどころかチームワークを強めることにもなるようです。しかし、次に見るときはお願いだからノンビリ見せて下さいね、ライフさん(笑)。

*1:サスガのマッキーもこの展開にはかなり動揺していたのでしょう。

*2:エーリクとユーリが2人で長椅子に腰をかけてお茶を飲む、というくだりはどうやっても無理ですから。