雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

三浦春馬 早すぎた死

恵まれた才能を持ちながら どうして彼は死を選んだのか

三浦春馬君の衝撃的な自殺のニュースを聞いたのは、7月18日の土曜日のこと。久しぶりに友人と電話で盛り上がっていたときに、TVの速報が流れてきたことを教えてもらいました。初めは急病と思ったのですが、自殺と知って全く信じられないことに唖然としてしまいました。


哀しいというより、ただただ信じられない、茫然自失の状態。あんなにも才能豊かで実力派で、あちこち引っ張りだこだった彼が「一体何故、死ぬ必要があるんだ?」と全く理解不能でした。ただ、どこか頭の片隅に少しだけ思い当たる、この感じ。


それは私がかつて尾崎豊hideX JAPAN)の死を経験してきてるからかもしれません。形は違えど、とてつもない才能と人間的魅力をもったアーティストが信じられない若さで早逝するという事象、デジャブかこれは!と。


その後の報道で、世界に羽ばたきたい、という大きな夢があったことや、ものすごい努力家であったこと、芸能界以外にもいろんな目を外に向けていたこと、そして彼の死に対する秘められた想いや悩みなど、生前には知りえなかったことをいくつも知りました。


そして、彼の人知れぬ努力や誠実さを知れば知るほど、浮かび上がってくる孤独感。多忙な芸能人だけになかなか友人とゆっくり語り合うこともできなくなってたのかもしれません。


特別にファンでもない自分が、「一体、三浦春馬という役者に対して何を理解できるんだ、おこがましい」という後ろめたい思いも勿論ありますが、わずかな時間とはいえ、三浦春馬という役者を知っていた、そのことはブログに綴っておきたいな、と思います。

俳優 三浦春馬に対しての印象

私が春馬君について見てきたドラマなり映画なりは決して多くはありません。出演作を調べて、若干思い出しながら挙げてみます。

【ドラマ】

  • 14才の母(2006)
  • わたしを離さないで(2016)
  • おんな城主 直虎(2017)
  • ダイイング・アイ(2019)

やっぱり少なかったですね。こんなわずかな作品群の中でも、「三浦春馬」だと意識して見ていた作品は、「ダイイング・アイ」だけです。「わたしを離さないで」なんて、主要人物の1人であったのに、綾瀬はるかさんと水川あさみさんの2大女優があまりにも強烈な印象で後から男性役が春馬君だった、と後から気づく始末。


「ダイイング・アイ」はWOWOW連続ドラマで、交通事故を引き起こした男性が妊婦の被害者をめぐって不思議な事件に巻き込まれる、というあらすじを読んで、興味を持ったドラマでした。WOWOWらしい(笑)とてもダークな大人のドラマで、見応えもありました。


これも三浦春馬だから見た、という作品ではありません。たまたま見たドラマの主役が三浦春馬だった、という感じです。意識して選んでないのに、あまり連続ドラマを見ない自分が見てる、というのは何かそこに引き込まれる要素があったのかな、と(こじつかのようですが)。


爽やかだけどどこにでもいる青春スターの1人というイメージだった春馬君が、ここ最近はちょっと癖の強い、どこか思いつめたような真面目なタイプの男性役を演じるように変わってきました。生来の真面目さと年を重ねて落ち着いた精悍な真の男になってきた感じも受けました。


確か彼は「14才の母」で、注目されてから若手イケメン俳優として数々の作品に出演後、パワーダウンを噂されて若干消えかかっていたような(失礼ながら)印象でした。実はその苦難な時期に、いろいろと見えない努力を積み重ねていたのでしょうね。


私的に驚きの復活を遂げたのは舞台「キンキーブーツ」だったと思います。この舞台、残念ながら見たことはなかったのですが、「FNS音楽祭」のミュージカルコーナーで、春馬君がローラ役を再現して数曲歌ったことがあり、それを見て、まさにビックリ仰天でした。


そこには、キラキラの見たこともない輝かしい才能のミュージカルスターが存在しておりました。「三浦春馬、覚醒!!」(これはあくまで私の中の電撃的な再会でしかなかったのですが)、そう思うほど、自分が感じていたどこか大人しめの彼のイメージを覆す一瞬でした。


その後は、主演ドラマで華麗なダンスと歌のパフォーマンスを見せていたり、もうすっかり他の役者とは一線を画す存在感となっていました。もう歌って踊って演技もできる、実力派スターで、誰が見ても順風満帆で圧倒的な存在感を放つスターに変貌を遂げてました。

ドラマ以外で見せた表情

出演作とは別に、すごく印象的だったTV番組が2本。テレビ東京のバラエティー番組「YOUは何しに日本へ」でロシアの2人の熱狂的なファンに神対応した春馬君の姿。ロシアの三浦春馬ファン20代の女性2人に彼女たちの行動に密着していたものです。


予算の関係もあったのか、よくあるバラエティー番組のようにドッキリをしかけて春馬君に会わせるのではなく、小出しに(笑)数年かけて近づけていくという心憎い演出でしたね。彼女達に日露で計3回くらい密着し、どれほど本当のファンかを丁寧にあぶり出していくのです。


当初春馬君は、個別インタビューで出演して、彼女たちの映像を見て喜んで、映画「進撃の巨人」の三浦春馬サイン入りポスターを書いてあげたりしてました。いよいよ、初顔合わせの時も、隠れて彼女達のそばをうろつかせたり、と引っ張って引っ張ってようやくご対面!のシーンを盛り上げてました。


また、お手本のように彼女達にフランクに接する春馬君が超素敵で、好感度爆上げな内容でした。芸能人特有の気取りもなく、自然体で誠実で、「こりゃあ誰もが好きになってしまうだろう」という感じで。


その次は、地元のローカル番組のロングインタビューでした。映画「アイネクライネナハトムジーク」で仙台ロケを行い、そのプロモーションをかねての出演でした。観客も入れたスタジオでアナウンサーからの質問を受けて1時間近い丁寧なインタビューを誠実に受けてる春馬君を覚えてます。


これも掃除中かなんかでたまたまつけたテレビで、何の気なしに見てました。サンドイッチマンにいろいろと案内してもらったこととか、落ち着いた雰囲気で話されてました。一番印象的だったのが、日本の伝統工芸に興味があってあちこち見に行ってる、ということを語る姿でした。


こんなに売れっ子なのに、そんな地道な趣味があるんだ、とすごく驚いたので覚えてます。にわかな知識では語ってないのも分かったし、瞳が真剣そのもので、三浦春馬という人の奥深さをわずかながら感じました。殺陣なんかもかなり真剣に習っていたようですし、何事にも渾身の人なんでしょうね。


余談ですが、「プラスアクト」で林遣都君が「キンキーブーツ」を見に行って、古くからの友人である春馬君のエンターテイナーな姿に衝撃を受けたことなんかも語っていたことも思い出しました。

彼は、何故死を選んだか

誰もが羨むような才能で人々を魅了し、まだまだこれから見せ場だ、というくらいノリにノッテいた人気俳優の自殺に対する憶測は、いろいろと囁かれています。詰め詰めだったスケジュール、プライベートの問題(家庭崩壊や恋愛)、人には言えない頼れない完璧主義な性格、役者を辞めたいと思っていた、等。


どれをとってもコレという原因にたどり着かない。それだけに彼の周りの人々も困惑し、衝撃を受けているのは当然です。「何か救える手段はあったのではないか」という自責の念に襲われるのが分かるだけに痛々しい。


真面目で自分を追い詰めてしまうくらいのストイックさ。誰に対しても優しくてワガママも言わないような性分。どんな人も同じ印象を抱くほど、一点の曇りもない人格者のイメージ。反面、可哀想なくらい心に負荷をかけていて、自分で自分を追い込んでいたのかもしれません。


死に憧れていた、というのは大袈裟ですが、この数年、彼の背後には死の影がつきまとっていて、今回突発的に引き金を引いてしまったんだろうな、というのが最終的な結論です。もちろん人には言えないトラブルを抱えて悩んでいたことも事実でしょう。


その一方で、今まさにドラマ絶賛放映中であり、9月放送予定のドラマを宣伝したり、4/5のバースデイメッセージをインスタにあげたり、自らも死ぬなんて微塵も考えてないような前向きな素振りは全く持って不可解な行動にも見えてしまう。


だから関係者や友人一同、信じられないショックを受けてるのだと思います。春馬君は誰に対しても優しかったけど、自分に対しては厳しい人だったようです。ずっと自分を抑え込んで、本当やりたかったことも犠牲にして、休んだり逃げたりすればいいのにそれもできず、「一時の絶望」が彼を奪い去っていってしまった。


残念ながら、人知れず抱えていた彼の「」に気づいてしっかりと手を差し伸べてあげる人がいなかった。どうしたって皆忙しいですもの。必死に生きてるんですもの。屈託ない笑顔を見せてくれてる人が、実は誰よりも深い苦悩に浸っているなんて思うわけない。


才能があって誰からも慕われて、そんな優れた人だからこそ、信じられないスピードで連れ去られてしまったんだろうな、納得したくないけれども決められていた「寿命」なんだ、そう思うしかないです。


未だに三浦春馬が死んだ、という事実はどこか絵空事のように実感がありません。きっと彼の魂もまだ、自分の死を分かってないかもしれません。日一日と時間を過ぎるごとに、悲しい事実として実感していくのかもしれません。


こんなに惜しまれた若さと才能、貴方はもしかしたらそこまで人に愛されているとは思っていなかったのかもしれませんね、それだけが悔しいです。三浦春馬様、ご冥福をお祈りいたします。心から安らかにお眠りください。



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