雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

2020年 テレビドラマ感想

コロナ禍で変化が出てきたドラマ界

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元々、沢山テレビドラマを見るわけではない私。例年なら1クールに2本くらいでしょうか。なかなか連続して沢山のドラマは見られません。今年は、新型コロナ流行のおかげで、日本のドラマ界もスケジュールが滅茶滅茶になって延期や中断も多数出現しました。


東京五輪も延期になったし、放送業界大騒ぎでしょうね。緊急事態宣言では、苦肉の策として過去のヒットドラマを再放送していたくらいです。まあ、これを機会に1クール3ヶ月体制のドラマも大きく変わるかもしれませんね。


10話前後という暗黙の了解も崩れて行って、短いものは本当に短くなっていますし。あとから見返すと大転換時期になるかもしれません。私が見ていたドラマ、まだ最終回がきてないものもありますが、一応挙げておきます。

MIU404(TBS系) 主演:綾野剛星野源 


まずは何といっても、「MIU404」ですね。警察の第4機動捜査隊を舞台にしたバディ物です。「逃げ恥」が大ヒットした脚本家野木亜紀子さんのオリジナル作品。


「獣になれない私たち」がイマイチ乗り切れなかったので、そこまで大きな期待をしていませんでしたが、さすがは若き巨匠、見たこともない警察ドラマになっていました。全くの絵空事やらありきたりの殺人事件を扱ったドラマとは次元が違いました。


少ないとはいえ血なまぐさいシーンもあったりするので、そこまでストーリーが好き、というわけではありません。ただ、毎回、終盤に胸を揺さぶるような重い、やるせない描写が必ずあって、しばらくドヨーンと落ち込んでしまう内容が凄かった。


外国人労働者などの社会問題や女性の社会進出とか裏テーマも随分込められていましたね。その一方で、志摩(星野)と伊吹(綾野)のぶつかいながらも信頼と友情に結ばれていく過程がとにかく見ごたえありました。


仲良しとは言ってましたが、綾野×星野のこの二人のバディが最高でした。時に対立しあいながらもお互いを無二の存在と信じていくその姿は胸アツで。BLも好きだけど、決して仲良しこよしではない二人の男の熱い友情モノや主従関係とか大好物(笑)。


圧巻は、9話以降から最終回に向かっての怒涛の展開。菅田将暉君の久住との対決は本当に瞬きできないほどの緊張感の連続。本当に菅田君は、若き天才的な役者ですね。


最終回の中盤、まさかの展開には息が止まるかのような衝撃を受けましたが、それをひっくりかえす力業、めくるめく快感でしたよ。この台本を受け取った綾野君やキャストの皆さん、ゾクゾクしたんじゃないかな。


近年ないくらいの最高の終着点でテンション爆上げで終わったドラマ。これまでの常識を大きく揺さぶって、日本のドラマもまだまだ捨てたもんじゃない、可能性はある、と恍惚感を与えてくれたドラマでした。



余談ですが、主題歌「感電」を歌う米津玄師も良かったです。思わず新アルバム買ってしまいましたよ。

STRAY SHEEP (通常盤) (特典なし)

STRAY SHEEP (通常盤) (特典なし)

  • アーティスト:米津玄師
  • 発売日: 2020/08/05
  • メディア: CD


おじさんはカワイイものがお好き日本テレビ系) 主演:眞島秀和 


あと1回を残すのみとなった「おじカワ」。深夜ドラマで、東京五輪の隙間を埋めるくらいの軽い勢いで制作された?と思われる全5話のドラマ。「MIU404」の完成度とは別に、「おじカワ」の想像以上の良さに浸りまくりでした。


イケオジ(?)な小路課長(眞島)が密かにパグ太郎というキャラクターを愛している様をコメディタッチに描いてます。いやもう、全てが癒し、でした。パグ犬を模した黄色いぬいぐるみのパグ太郎を小路さんの影響で愛してしまった私。


たぶん、今年のドラマで一番気に入ってる作品かもしれません。1話見た時に空気感が「おっさんずラブ」に少し似てるなあ、と感じたんですよね。別にBLというわけではないですが、小路さん(眞島)と今井翼演じる熊のジャッキー推しのケンタ君との「同志」関係がほのぼのと愛おしくて。


もちろん、このドラマの裏テーマには、「自分が好きなモノ(推し)を隠して生きていながらも、ちゃんとその好きを大事にしていいんだ」という想いが含まれているんですよね。私も日常で好きなタレントなどを実生活では極秘事項にして生きてますので共感できます。


ワンレン眼鏡の嫌味な同僚・鳴戸桐山漣)は猫好きで、実は友達のいない孤独な青年だし、小路さんの甥っ子の真純(藤原大佑)は少女漫画をサイトに投稿している。


皆、人に言えない好きなモノを愛でながら、不器用にでも生真面目に生きていて、それがなんとも愛おしいんですよ。決して派手さはないけど、見ているだけで、登場人物が可愛く見えてきて応援したくなる。


合間に巨大な「イマジナリーパグ太郎」という着ぐるみが出てくるんですが、その佇まいがなんともたまらなく可愛らしい。言葉を発せず、デカい体なのに奥ゆかしいんです。ドラマの冒頭と最後にひょこひょこ出てきます。



また小路さんが悶々と悩んでいるときに、スッと大きな体でそばに立って「もっと自分に正直に生きようよ」と言わんばかりにつぶらな瞳でじっと見つめてる。ああ、なんて健気なんでしょう。


もともとはコミックスだけあって、パグ太郎のイメージそのままにグッズも色々と売り出されてなかなかの人気を博していますし、パグ太郎のぬいぐるみもめちゃ売れまくってます。店頭でも売りきれてしまい、通販サイトで再販に次ぐ再販ですごく売れているんですよね。


私の場合、第一回目の放送当日にパグ太郎ぬいぐるみを予約購入したのですが、「ネットの予約開始直後に数分で売り切れ」と知ったときは愕然としました。なんとか通販サイトで購入できたので、今、我が家にはパグ太郎が鎮座しており、ムギュムギュしてます。


ちなみにコミックスは、もうすぐ5巻が発売されますが、ドラマの最終回を見終わったら一気に読もうと思ってます。テイストがドラマよりもずっと軽快なので、あれれ、て感じますけど、これはこれで良し。


それにしても全5話は勿体ない。日テレは久々のプチヒット作だと思うのに、人気が出る前に終わってしまうのが残念。まさかヒットするとは思わなかったのかもしれませんね。でも、グッズの売れ具合やトレンド連続1位やいくつかの事象に慌てて売り出し始めてます。


いずれ絶対シーズン2を、ぶち上げてもらいたいものですね。原作があるので、そこまで逸脱した変な作風にはならないでしょうから、気長に楽しみに待ちたいです。深夜ドラマで、あまり知名度の高くない俳優が出ていても、こういう佳作で人気が出ればすごくおいしいハズ。


その大成功版が「おっさんずラブ」です。見慣れない、ちょっと知ってる程度の俳優達も「仲間」のように親しみを持ってキャラクターを愛してしまう。今井翼桐山漣の2人は、今回役得ですもんね。


その翼君、中学生の頃、小さな体でセーラー服着て踊っていたころから見てるので、まるで親戚の子供のような不思議な懐かしさを感じます。でも、その頃、想像しないタイプの大人に成長しましたね。まさかセクシー系男優(笑)になるとは思わなかった。



アンサング・シンデレラ(フジテレビ系) 主演:石原さとみ


例のごとく田中圭目当てに見始めた作品ですが、2話まで見て脱落しかかりました。もともと病院ドラマは苦手。人の生死を題材に「感動押し売りストーリー」になりがちなためです。


このドラマは薬剤師が主人公なのですが、ドラマの作りがなぜかやたらと病棟に顔を出して患者と接する薬剤師、とかあり得ない設定と、やっぱりお涙頂戴に走ってる作風が目に余って好きになれません。


別に石原さとみさんが嫌いなわけではないですが、葵みどりという主人公はかなり自我が強い女性で・・・見ていて疲れる。加えて「あな番」と全く演技が変わらない西野七瀬さんもなんだかなあ、と。


で圭君演ずる瀬野は、添えものかい、ってくらい出番は少ないし、性格はぶっきらぼうで偉そうだし(上司だから当たり前だけど)ちょっといけ好かない人物。


「別にこれ、田中圭使う必要あるの?」って思っていたら、終盤にかかって不治の病らしい展開。ここへきて見せ場が、病に苦しみながら職務を全うする・・・みたいな形なんでしょうか。(逆にその通りだったらがっかりだな。)


また1話にエピソードをごった煮状態で詰め込んでて、もっと丁寧に落ち着いて描写してよ、と思うんですよね。目が離せないドラマにしたいのかな、あちこち飛んで集中力削がれるんですけど。


いやこりゃもう限界、と思ったら3話目で、急病の出演者に代わりピンチヒッター出演の成田凌君登場。ストーリーのお寒い展開は変わらないとしても、彼の演じる小野塚はすごく目を引きました。


ドラッグストアで夢を諦めかけている青年薬剤師。当初は、葵にキツクあたっているのですが、それがいちいち正論で説得力あって。成田君の芝居は、今までも何気に結構見ていますが、いなさそうでいる、みたいな人物像になるんですよね。


たぶん、天性の素質なんじゃないかな。今はまだ、技術より感性でお芝居してる感じが強いですが、それがブレてない。「すごいわ、彼」と一気に視線を釘付けにされました。


菅田将暉君なんかにも通じる、センスの良さですね。飄々と何も考えてないかのように、的確に役柄を掴むタイプの役者で、とりわけ好みのタイプでもないのに目を引き寄せられるからすごい。


こういうニュータイプの役者がゴロゴロいるんだから20代のイケメン俳優は戦国時代だなあと思います。とはいえ、成田君の好演で一瞬の閃光はありましたが、ドラマとしては目新しいところがない、ハッキリ言ってツマラナイ作品でした。


原作漫画がどうかは分かりませんが、もしとても良い作品だとしたら、ドラマ化に当たっての脚色や演出に問題があったんでしょう。そもそも、「あな番」の役者をこんなに集めているところからして、狙い過ぎであまり良い感じは受けません。


田中圭ファンとしては、2018年の「ケンカツ(健全で文化的な最低限度の生活)」を思い出させる作品。こういうのは、今の仕事の量からしたら断わっていいんじゃないか、と何度も思ってしまいました。

ハマらなかったドラマ


半沢直樹2」は今のところ、1話で脱落。パート1も4話くらいで脱落しましたが、企業ドラマとか派閥とか硬派なお仕事ドラマってやっぱり好きになれず。あまり現実を見たくないですよね、特に日本の男のドラマってやたらと汗臭い感じがどうにもダメで。


かつては、あれほどに堺雅人ファンだったのに、「半沢」以降めっきり熱が醒めてしまいました。まあ、たまには視聴率の高いお祭りドラマも社会に活気を与えて良いのかもしれません。江口のり子さんは好きな女優さんなので、彼女の演技だけは見たいな。それから児島さんもね。


スマッシュヒットの話題作となった「わたしの家政夫ナギサさん」は、大好きな多部未華子ちゃん主演ドラマですし、当初は興味を引いたテーマで見ようかな、と思っていたのですが、脚本家が「おっさんずラブ」の徳尾さんということでやめてしまいました。


おっさんずラブ in the sky」の最終回トラウマからまだ逃れられないんですよね。実際は、徳尾さんともう一人脚本家がいたようなのですが、今はそんな気分じゃない、ということで、数年後機会があったら見ることにします。


 2gehter (WOWOW) 


そして、先週よりWOWOWでオンエアが始まったばかりのタイBLドラマ「2gehter」を見始めてます。日本でタイのドラマを見るなんて、時代も変わったなあ、とつくづく思います。そして、このご時世、日本よりもキラキラの青春映画を作れてしまうタイがなかなか眩しい。


侮ってましたが、主役の男子大学生2人が動画で見たらかなりのイケメンで。私は、ちょっと顔が濃いサラワット役のブライト君の美貌に引き寄せられてしまいました。


主役のタイン(ウィン)も、すこしあっさりめでカワイイ顔だし、この二人が今のところ対立してますけど、恋愛に発展するわけですよね、そりゃあ見逃せません(笑)。


タイBLドラマ、巷で大旋風起こしているみたいですからね。「おっさんずラブ」ファンもそっちへ流れまくりとの情報。日本と違ってLGBTQの理解が高いお国柄という下地の違いは大きいですけど、これも難しいこと抜きでノリで作ってる軽快さが強みのような気がします。


日本は、妙に頭でっかちなんですよね。いろいろな制約もあるし、公序良俗に反するものかどうかコンプラどうだR指定どうだとか。その上、家族観だのに縛られてるし、差別意識がある層もいっぱいいるので、なかなか「普通のBL」ドラマが作れない。


おっさんずラブ」は結構、ある意味パラレルワールドでコメディめかして突き抜けられたのが良かったんですけど、その後はまたやたらとマジな方向性を考えすぎてドツボってる感じがします。


ダブルミンツ」「ポルノグラフィー」「性の劇薬」とか、コミック発のBLドラマや映画も見てますが、私には暗すぎて肝心の「愛」もあまり伝わらずでしたね。「his」は良かったのですが、これは家族ドラマでしたし。


今も、フレッシュなイケメン俳優使って何作かBL映画が続くので、それなりに見ようと思ってますが、ハマりそうな人選やストーリーじゃない感じが漂ってるので、そこまで盛り上がってもいないんです。


むしろ、異世界の感覚とキャスティングで、ノンケの役者ががんばってないカップリングの妙が生きる作品、そんな狙ってない作品こそがブレイクできるんじゃなかな、と思います。


WOWOW、結構タイのBL作品買ったみたいなので、連続で放映してムーブメントを起こしてくれたらいいな、と淡い期待しています。アンケートきたときに、「BLドラマ求む」と書いたのですが、日本BLでなく海外BLが来ちゃったのはアレレ、でしたけど。


www.c7-2gether.com