現在も気まぐれ刊行(?)に近い超スローペースで続行中の『ガラスの仮面』。最新作では、携帯メールを操る桜小路優君の登場、に大爆笑させてもらいました。当初の頃は、黒電話で話していた彼等ですから実に30年の時を越えて”変わらず”生きている凄さです。最近は半ば呆れつつも、最終巻を読めればいいなあー、な心境です。
40巻以上もあるこの漫画の最初の見せ場になっているヘレン・ケラーの”奇跡の人”。この元ネタになった、と思われる映画については何度かTV放映されていましたが、NHK-BS2でようやく見ることができました。まさに漫画で主人公北島マヤと姫川亜弓が演じた、あのシーンが!このシーンも!と、あちこちに散りばめれており、オリジナルを見てる気がしないほどでした。
それにしてもアカデミー賞の主演女優賞アン・バンクロフト(サリバン先生役)と助演女優賞を受賞したパティ・デューク(ヘレン・エラー役)*1、この2大女優の体当たりの演技はすさまじく見事。圧倒的な迫力に目が離せませんでした。また、サリバンの幼少期の悲惨な過去がぼんやりとした映像でフラッシュバックするので、彼女の持つ恐れや哀しみが浮かんできます。世界を知りたい、という強い意欲のために劣悪な環境の救護院に松葉杖の弟を置いて去る少女サリバン。その後、弟は息を引き取ってその哀しみをひきずって生きている様や9回も受けた目の手術なども。
意外だったのは、ヘレンの両親の愛情の深さに涙が出てきたことです。比較的裕福で愛情深い両親は三重苦のヘレンを不憫に思い、厳しく躾ることが出来ずにいます。それはヘレンにとっては良いことではなかったのでしょうが、野獣のように暴れまくり感情を制御できない娘をひたすら思い、愛しぬく猛烈な母の愛には感動すら覚えました。子供を巡っての悲しい事件が絶えない昨今ですが(たとえ理想であったとしても)もっと世の中にはストレートに人の情愛を描き出す作品があってもいいんじゃないかな、と思いました。
”言葉”という光の世界を知ったヘレンのその後にまた興味が出てきたので本も読もうかと思います。
- 作者: ヘレンケラー,Helen Keller,小倉慶郎
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ヘレン・ケラー自身が幼き日とその後の人生を本の中で語っています。言葉を知ってから世界に目覚めていく姿はまるでマジックのようです。
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モノクロ映画ですが、目が離せない面白さです。
*1:俳優ショーン・アスティンの母だということです。そういえば顔立ちが似てますね。