雅・処

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トリノ五輪(1) まさかの金!荒川静香

昨日は、トリノ五輪金メダルの余韻に一日中酔っておりました。申すまでもなく、荒川静香選手の金メダル旋風のためです。「メダル0もいいんじゃない」*1なんて不謹慎な気分でいたものですが、さすがに”冬季五輪の華”の種目で日本人初の金メダルという奇跡を目にすると平常心ではいられないものです。


世界最高レベルのサーシャ・コーエンイリーナ・スルツカヤ選手が転倒というアクシデントがあったからといって、よくよく荒川選手の滑りを見るとそれが”タナボタ”でないことは良く分かります。


かつて外国選手の最大の強みであった、長い脚、抜群のスタイル、高い芸術性、何よりも美しいスケーティング、その全てを荒川選手が持っていたことが驚きです。むしろ、パワーや技術、エンターテイメント性で勝負する選手が大多数の中、しなやかな美しさを見せてフィギュアスケートの原点を感じさせてくれたのが日本の選手!ということに本当に驚きました。


25日夜の『NHKスペシャル』*2荒川静香特集を見ましたが、五輪前の半年間でワザを組み立て直し、フリーの曲を「トゥーランドット」へ変更し、コーチも変え、真剣に闘いに挑む姿に並々ならぬ気迫を感じて今更ながら、舞台裏での激闘は凄かったのだ、と感心しました。


荒川選手はジャンプに強みがない分、レベル4の難易度を組合せ、スピン、ステップ、スパイラルで高得点を稼いでいましたがそれらがうっとりするほどに美しく、競技だということを忘れるほどでした。またあの大舞台でのびのびと自己最高の演技をした荒川選手。「トリノの女神は荒川にキスをしました」とキャスターが語った言葉がぴったり。彼女の滑りを見ていると、「貴方がチャンピオンよ」と五輪の神様が優しく微笑んで手を差し伸べているのが見えるようでした。


今回の大会は、どの選手もやたらと3回転ジャンプ、ビールマンスピン・・・どれだけ難易度が高くても少々辟易するものがありました。そこにあえて(得点に全く結びつかない)イナバウアーを華麗に取り入れたところに荒川選手の見せるスケートに対する”拘り”が感じられて感心しきり。金メダルに実感がなく、最後までクールビューティに徹していたところも、なかなか個性的でしたし。
長野五輪の時にはひょろひょろで危なっかしい演技をしていた荒川選手が8年経った今ではドッシリ、ちょっとやそっとでびくともしない(笑)ような安定感と落ち着きで別人のようになっていたのが、人の成長ということで驚きでした。

*1:次の五輪に向けて本気になって強化するようになれば、と。

*2:さすが天下のNHK、仕事が速い(笑)。