雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

「ベルサイユのばら」オーラス(水夏希アンドレ編)観劇記(3)

ようやく最後の『ベルばら』観劇が終了。半年続いたベルばら祭りに終止符を打ちましたが、終わってみれば、意外に呆気ないものです。最後の「ベルばら オスカル編」は、水夏希アンドレでした。5年前の『ベルばら2001』でオスカルとアンドレ両方とも見ていたのですが、水さんのアンドレにはあまりこれといった印象がありませんでした。*1


しかし、さすがに5年も経てば、立派なもの。野性的で、なかなかチャーミングなアンドレでした。水アンドレの場合は、オスカルの陰の存在で「身分の違い」に悶々と苦しんでいるのが色濃く浮かび上がって見えてきました。コムちゃん(朝海ひかる)演じる”貴族”のオスカルとの対比が鮮明に見えて、原作漫画の世界により近い、という感想です。


その水アンドレが一番上手い!っと唸ったのは、”死に際”でした。橋の上で撃たれて倒れるシーン*2。あらかじめ倒れ方とか相当研究したんではないのか?と勘ぐったほど、今まで見たどのアンドレよりも上手でした。
最初にドキューンと一発、ここは定番、どのアンドレも撃たれたことが信じられず、立ち尽くす。その後、2、3発ほど撃たれてから、直立不動のままバタンと倒れてました。その潔さに「うわー、すごい!」とビックリ。更に起き上がってオスカルを横目で見ている間に連射されますが、肩を打ち抜かれた瞬間(これは漫画での描写にソックリ!)、衝撃で身をよじってターンしますが、ちゃんと音と一体化していています。さすがダンスの名人、勘が素晴らしいと感服。こんなシーンで誉めてしまってすいませんが(汗)、非常に真に迫っていました。


3週間ぶりに見たコムちゃんは、一段と貫禄を増していて、もう台詞が台詞ではない、という状態になってました。まさにオスカルが乗り移っているかのように、あまりにも自然にそこに”存在していらして”なんか後光が射して見えました(笑)。特に部屋着でちょこんとソファに座ってるときなど、かっさらっていきたくなります(笑)。カシちゃん(貴城けい)も、アンドレを演じてた時に「コムちゃんが可愛くて・・・」を連発していたので、「もう皆、好きにしていいわ」の無防備モード全開(笑)だったのかもしれません。

 それでどうしようと言うのだ・・・

↑この虚無感漂うコムちゃんの台詞が無性にゾクっとするものがあって。しかも鼻に抜けた台詞廻しがたまらない。そうか、彼女は東北人だから鼻濁音が上手なのか(それって本当?)。


もちろん、カシちゃんのジェローデルは言うことなし、見るまでの渇望感を充分満たして下さいました。本当にもしかしたらオスカルをあともう少しでくどき落とせてしまうかも(私なら充分あそこで落ちてますね(笑))、と思うほど魅力的で。。。そういえばアンドレ抜粋DVDのインタビューで、やりたい役に「ジェローデル」を挙げていたのが春野寿美礼ちゃん。アンドレよりフェルゼンより、もっとお似合いだったかもしれません。ひどく自信過剰そうな(単なるイメージですが)春野ジェローデルも見て見たかったなあ。。。


音月桂ちゃんは、普段の”愛らしいムード”とは一遍し、骨太なアランを演じていて、頑張っていました。ただ、荒くれた表情を頑張って作っているようなので、だんだん顔つきがキツクなって少々大変そうに見えました。メルキオール役の壮一帆ちゃんは、愛嬌があって憎めない役になってて「(今は)ジェローデルよりやっぱりこっちのほうが素敵」とトキメきましたね。


ちょっと小耳話を。コムちゃんかカシちゃんが話していたような気がしますが、今宵一夜の前に窓辺で流れ星を見るオスカル。あの流れ星は、フェルゼン編とオスカル編で左右反対に流れているそうです。どちらのバージョンでもオスカルかアンドレ、または両方を演じてたから気付いたとか。


私が面白いな、と思ったのは、パリ市民の暴動前のシーン。ベルナール&ロザリーが語るのがいつもの幕前ではなく、背景画が付いて「おっ」と思ったのですが、あの正面にちゃんと次のシーンで出てくるセットの橋、と遠景の塔の絵が描かれていて、あの後で、二人がオスカルの元に駆けつける、という時間的流れが分かりました。こんなところもちょっとずつ進化している?

そんなこんなで2006年の「ベルばら」もつつがなく過ぎていこうとしてますね。

*1:当時は微妙・・・だったオスカルのほうが印象が強いけれど。

*2:もっとどうにかならないの?と思う、苦手なシーンなんですけど