雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

宝塚雪組全国ツアー『星影の人』観劇記

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つい先日、地元で雪組の全ツを見に行ってきました。『エリザベート』は未見だったので、トップスターがミズさん(水夏希)に変わってからお初の観劇です。今回の芝居は、新撰組沖田総司を主役にし、名作で名高い『星影の人』の再演。


ここ最近地方に持ってくる芝居は、集客を重要視して人気作か往年の名作が多くなっていますが、名作についてはオーソドックスで誰が見ても楽しめる利点がある反面、時代背景や年代の違いにより、多少テンポが遅く感じられたりすることがあります。また、時間の関係でカットされたり、再構成されて辻褄が合わなくなってしまう危険もあります。


ひとまずこの『星影の人』は、さすがに新撰組モノですし、その中でも1番人気?の沖田を主人公にしています。私自身も彼の短い生涯をいくらか知ってる、ということで、かなり集中して楽しく見られました。沖田と、玉勇(→架空の芸妓)とのロマンスがメインで、新撰組内の人間関係なり歴史へのアプローチはやや弱い印象です。

【ただもう可愛いんです】


とにかく言いたいことはただ一つ。ミズさんが”青春真っ只中!”の若き沖田をとてもラブリーに演じていて、「可愛いなあ〜」と頬が緩みまくりでした。いつもスカシたキザ男、で現れるミズさんが、こんな瑞々しい演技をするとは・・・それがまた妙に似合っていたのが楽しかったです。いつの間にか、となみちゃん(白羽ゆり)は姉御、が似合う女になってましたし。


もっともこの沖田総司という役はある程度、誰がやっても”もうけ役”です。爽やかな好青年で、なつっこいスマイルで皆から愛されながら、剣の達人。肺病で余命短い中でも、命燃え尽きるまで己の理想に向かって邁進する、という今のご時勢に見れば”胸キュン”な若者ですから。


その一方、大半の新撰組隊士が背も小さめで沖田より”子供”に見えてしまったのが痛いところでした。若手中心の巡業となってしまう全ツの弱点ですが、仕方ないこととはいえ、キムちゃん(音月桂)の土方歳三は、やはり厳しい・・・(汗)。ここはユミコちゃん(彩吹真央)ならハマリ役だったろうなあ、と想像してしまいました。適材適所はやはり大事です。


新撰組が主役なのに池田屋シーンは声だけ、山南脱走事件も最低限、という省略ぶりなのでちょっと肩透かしでした。もっとも歴史は味付け程度だから仕方ないのでしょうが、その昔上演された、星組の『誠の群像』の方が、その点では満足しました。よくイベントで歌い継がれる主題歌もあまりピンとこなかったし、それでもラストまで飽きなかったのが名作の所以でしょうか。

【ハプニング続きの回】


ショーはコムちゃん(朝海ひかる)お披露目作品だった、懐かしい『JOYFUL』。歌がみんな好きだったので、馴染みの曲が流れるだけでウキウキでした。美穂圭子さんの美声が聞けなかったのは残念ですが、ハマコさん(未来優希)のパワフルソロを堪能できたし、全体的にアダルティに作り変えられて懐かしいけど新鮮でした。


ミズさんは全編踊りっぱなしでしたが、疲れも見せず華麗にダンシング!していてこれぞトップ、という嬉しさがありました。キムちゃんも、2番手としてなかなか貫禄ある歌いっぷり。いつまでもアイドル系、というイメージを持っていたのですが、やはりこういう場を経験し、伸びるときは伸びるものだな〜、と納得しました。


この公演では、いつになくやや大きなハプニングが続きました。皆さん、お疲れ気味だったのかしら?まず最初は芝居のほう、ミズさんの「今夜の私は強いですよ」という決めゼリフの直前の、立ち回りで。一番舞台寄りの浪士(若手さんか?)が出てきた途端、自分の刀を思い切り飛ばし、”敵である”ミズさんの足元に落ちました。


気の毒な彼女の慌てぶりが伝わるかのように、「マズイ!」とばかりにひょこひょことした足取りで刀を拾いにいく姿(まるでドリフのよう)に客席が大爆笑。その後、張り詰めたシーンで笑いを堪えるのが大変でした。終わってからきっと平謝りだったでしょうねえ、ホントお気の毒なことで。。。今夜は強いハズの沖田が、刀を拾うまで待っててあげるという情け深さ(笑)に泣けます。


更にショーの初めの方で、ピンク&黒の映える衣装に着替えた男役達とたこ足*1の衣装の娘役が踊るシーン。となみちゃんのヒラヒラがミズさんの胸飾りにひっかかって、二人の踊りは中断。離れるのに、30秒位かかったでしょうか。この時は、ちょっと苦笑いのミズさんにつられて観客席でもアットホームな笑いが起こっていました。


それにしても1公演でこんなにハプニングが多いのも珍しい。アドリブより断然ウケてしまいましたが、まあご愛嬌ですね。東京や大都市での公演よりも地方はのどかですが、のどか過ぎて公演中、お喋りをやめない人や暗闇で(携帯画面が)発光してる人など、マナーの面では溜息も多かったです。しかし、懲りずにまた来てやー!と。

※実は、偶然にも新撰組ハッピを調達しておりました。新品でまだ袋からも出していません。がしかし、どんな用途に使うんじゃい!?(おかしいなあ、そこまでマニアでもあるまいに・・・)

*1:黒のレオタードに裁断されて紐のようになったスカート