雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

Versaillesメジャーアルバム「JUBILEE」感想

このところ、やる事が増えていることと、仕事の「悩み」からなかなか解放されず、気付けばVersaillesの新アルバム『JUBILEE』の発売日から3日も過ぎておりました(汗)。どうしても余裕無い中で「じゃあ、途中まで・・・」という流し聴きをしたくありませんでしたので週末へ持ち越し。


私にとってアルバムに対する第一印象というのは至極大事(9割方、好き嫌いが決まる)で、そこには一切、他人様の意見を入れたくはありません*1。公式サイトの一部分だけ試聴も一切無視して、真っ白な状態で聴けました。でも、これからは他のファンの意見も安心して読めますね、わーい(笑)。


で、その第一印象ですが、前作『NOBLE』に比べてかなり聴きやすくなった、本当に本当の飾らないKAMIJOに満たされ、溢れかえってる(笑)感じ、というのが一番大きいです。レコーディング中から不安を抱えていた分、発売された安堵感もありましたし、何より意外性が大きい楽曲に驚きました。


メタルでゴッツゴツ聴かせてやるぞ!というインディーズ時代に比べて、歌はじっくり聴かせて、楽器隊の”魅せ場”はガッチリと絞る、やたらと唸らなせない、というメリハリぶり。今までのVersaillesの音楽は、いつも気が張っててやや疲れるサウンドだっただけに、「あれれ、なかなか好きかも」と思ってしまいました。


ただ、このアルバムを"暴れたい系"Vファンはどう聴いたのか、気になるところではあります。激しいサウンドがあまりないのは、もともとの狙いなのか、途中で予期せぬ大事件があったせいで毒を抜かれたせいなのか。特に前半は、かなりポップな曲調もありますし、ストリングスはとりわけ美しい。スパニッシュギターっぽい演奏まであってウットリします。

【曲の感想】


冒頭の長編「GOD PALACE♪」は、中盤にX JAPANの「ART OF LIFE♪」にソックリな展開があって超ウケました。Versaillesは、なにかと長編に拘るバンドだけれど、一つの流れやドラマ性があるか、というと結構ごった煮が多いので、無理せず切っちゃってもいいのになあ〜と思わなくもありません。


全くの新曲群はまだどれがどれ、と言えませんが、やたらとKAMIJOの存在感が強く出ている印象。ヴォーカルだから当然ではありますが、今まで一歩サガって「Versaillesの世界観」を体現しようと鎧で身を固めていたような彼が、その鎧を脱ぎ捨ててヤワ肌を見せ始めてるような(笑)感じがしてます。曲自体もメロディーラインが「え?こんなに軽快でよろしいの?」とか。


元々、KAMIJOの歌詞には「オマエ」ではなく「あなた」という問いかけが多いので、非常に女々しく響くところがあります。ま、歌詞が女々しいのはV系の専売特許と思わなくもないのですけど、KAMIJOが歌うとネットリと絡みついてくるような哀願調に聴こえるのは何故かしらん。特にJasmine Youに向けたバラード「SELENADE♪」は、PVを先に見たのですが、アタタタ・・・と思ってしまうほどナマナマしい。


いくらバリメイクでカッコつけても、ピュアで飾らないKAMIJOの優しい気持ちがベタなほど曲全体に溢れ返っていて、これは曲というよりこっぱずかしいラブレターという感じ。ダメ押しにまた半端に美しい旋律なんかが入ってバラード風味に味付けされているので、「うう〜っ、キッツ〜」。やっぱり本当の死に対面してしまったら、どうしたってキザれないなあ、と。それでもリフレインしていくうちにKAMIJO節にやられてはいくんですけども・・・。


TERU君の「REMINISCENCE♪」は、ギターソロの音色をアレンジしてまるでヒーリングサウンドのように気持ちよく心を癒やしてくれます。実は、当初からジャケットデザインも手がけているとブログで明かしてくれたTERU君には、アーティスティックなイメージが一段と高まりました。


HIZAKIの作曲センスもやはり信頼がおけますね。「こんなんもできますよ」という”ドラえもんのポケット”みたいな存在。お綺麗な旋律も、早弾きゴリゴリごった煮系もお手のもの。変化球投手という感じですね。また彼の華麗なプレイが楽しみになりました。


それから「愛と哀しみのノクターン♪」「CATHARSIS♪」2曲特別参加のKayaちゃま。コーラスと言っても聴こえるかどうかのとっても奥ゆかしい参加です。「愛と哀しみ・・・」のほうは、まだ彼の声を認識できないのが残念ですが、やっぱり音量下げないと主役喰っちゃうからかな・・・ボソッ。Versaillesとの共演がまた増えてきてワタシ的にはかなり嬉しいんですけど。

【メジャー系活動ようやく始動】


飛ぶ鳥を落とす勢いでメジャーで大暴れ、の予定が大幅に狂ったVersaillesさんでしたが、さすがに悲劇を克服する勢いでフル回転しております。TVでもVersaillesが見られるなんて夢のようですし、怒涛のワールド・ツアーも始まろうとしてます。この活動がメンバー5人であったら、どんなにか輝かしいスタートだったでしょう。


やっぱりベースの不在は、大きすぎます。2人だって3人だってヘルパー入れたり、コンピュータを駆使すればどうにかなるってことはあるかもしれませんが、どうしても結束感や完成度は落ちてしまう可能性が否定できません。それでも4人が歯を食いしばってもう一度立ち上がった、その姿は何よりも尊いとこの頃実感しています。


クリスマスに発売された「R&R」のKAMIJOのロングインタビューを読んでて一番グッときたのは、彼が身近で近しい人の死を見たことがなかったため、「死というものを認識するまでに時間がかかった。」と言っていたことです。ああ、それってあるよなあ、と私も似たような状況なので思いました。


その昔、ある人から「ダークなものや悲劇が好きな人は逆に幸せが多い人かもしれない。自分は本当に現実が辛かったから明るいものが見たい。」という言葉を聞いたことがあります。当時は、苦労知らず、と馬鹿にされてるようでその言葉に反発したものですが、ちょっと納得する部分もあるなあ、とは思いました。


今までのVersaillesが、ごてごてとした装飾で虚構の「死」の世界を美化していたとしたら、新たな「希望」を見つけ出してそのイメージを打破していくのだろうか、なんてチラッと思ったりするこの頃です。

Versaillesロングインタビュー:Versailles 『JUBILEE』 インタビュー/音楽情報サイト:hotexpress

→アルバム発売に関連してのWEBインタビュー。なかなか興味深い内容になっております。


JUBILEE(DVD付き初回限定盤)

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メジャー移行後、第一弾の記念すべきアルバム。やっとなんとか出来ました!ね。


ROCK AND READ 028

ROCK AND READ 028


KAMIJOのJASMINE YOUレクイエム的ロングインタビューがあります。

*1:→裏返せば影響されやすい部分があるからなんですけどね