雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

1,2,3,4,GO!~あなたへのメリークリスマス~

夢のように楽しかったファンクラブイベント

昨年のクリスマスシーズン、すごく楽しかったのに書き留める暇が無く過ぎてしまったのが、劇団スタジオライフのファンクラブイベントでした。劇団創立25周年ということで夏にも1ヶ月近い催しイベントが続きましたが、その締めともなったのが、あのサンリオピューロランドでシアター貸し切っての特別ショー。


新宿から京王多摩センター駅で下車、ショーの開始時刻ぎりぎりに飛び込んだピューロランドの中で、迷路のような構造に更に汗だくになりながら走り回ったのが強烈な思い出となりました。また入館してすぐ、「私はピューロランドを舐めていた!」と反省するほどに、”ミニ・ディズニーランド”状態の館内に圧倒され、また家族連れの多さに眩暈を覚えました。

【第一部:ちょっと懐かしい演目&名歌唱】


やっとのことでシアター席に着くと、石飛さんの”オバ天(=おばさん天使)”が『じゃじゃ馬馴らし』のオープニングの衣装そのままに登場。違っているのは、幼い頃から筋金入りのキティラーだった、という彼が身につけているキティちゃんのポシェットやグッズの数々。


そうこうしていると、夢ゆめしい舞台でウットリしている石飛さんの横に、『DORACURA』伯爵の曽世さんが登場し、いつものような盛り上がり司会が始まるという、いつもの慣れた感じで。その後は、ここ数年来の舞台からの衣装を着た劇団員が懐かしい音楽にのって、歌やダンスを披露していく「演芸コーナー」へ突入。


最初っから、『じゃじゃ馬馴らし』のオープニングに登場した”なりきり女子”達の派手なソング&ダンスで大いに盛り上がりました。クリスマス風に赤や緑のアレンジをほどこした衣装は、彼らに信じられないほどピッタリで、平均年齢30歳(?)というプチ・オジサマ達が、恐ろしく可愛いくて目を釘付けにされました。


続いて『DAISY PULLS IT OFF』から、グレンジウッドの女子学生達が客席から大勢登場。かしましい女学生達に倉本さんの校長先生まで懐かしすぎる面々に、なぜかしら胸が熱くなります。このお芝居は、文部省推薦チックなイギリスの女学生の教訓めいたお話で、ストーリー的には、さほど好きなわけではないのですが、スタジオライフの野郎ども(笑)が女の子の生態をキャピキャピしながら演じきる姿がたまらなく、こうやってそのエッセンスを見ると本当にワクワクしてきちゃいます。


倒錯性がありそうな設定なのに異様に健全に見えてしまうというギャップがいいのですね。そして、カッコつけると当たり前にカッコ良い我らが”看板スター”笠原さんが、怖いくらいの満面の笑顔で金髪を翻して、嬉々と女学生を演じているのが可笑しく、懐かしかったです。


「男ばかりの演劇は数多くあれど、これができるのがスタジオライフだ!」と高らかに宣言した曽世さんの言葉に妙に納得。ライフの芝居を見始めた10年前には、「男だけの現代劇」を演じる集団は、かなり奇異な存在でした。しかし今やイケメン男子だけを集めたプロデュース公演や若手男優を揃えて女性ファンを狙った企画モノ芝居が乱発しており、全く珍しくない過当競争の時代に突入。


ライフのほうも、安泰とは言えなくなっているのだなあ、と。気がつけば若手と言われ続けた役者達も、もうすぐ30代に入ろうとする頃です。芸能プロダクション出身の10代、20代のフレッシュなイケメン達との闘いは、これからますます難しくなっていくのかもしれません。


だからこそ集団パワー!というか、こうやって同じ衣装に身を包んで、劇団員勢ぞろいでその団結ぶりを見せられるとライフの底力を感じてしまいます。決して絵に描いたような”美少女”でないのに、ある種の見世物っぽい女集団に見えてくるところがまた何ともソソるというか、”上級の技”って感じです(おいおい)。


そういえば、曽世さんが、うちの劇団にはこういう女子高生のあらゆる制服が数も種類も結構揃っていると自慢しておりました。どういう自慢なんじゃ、とツッコミたくなりましたけども。この劇で、初めて主役を割り振られて、当時いっぱいいっぱいになっていたというマツシン(松本慎也)の思い出話も印象的でした。


新人の頃には、劇団の稽古の厳しさにジュニ7の中でも体力があると言われていたマツシンが倒れた話も同期が暴露してましたね。そういえば「コーラスライン」のテーマ曲に合わせて、延々走る??とかいう稽古があって、この曲がかかると劇団員皆が吐きそうになる、とか。今じゃこんなに立派になって、あらゆる演目の主役をやりまくってるのに。ウブな頃ももちろんあったのね、と。

【第一部:ちょっと懐かしい演目&名歌唱】


その後も、『フルーツバスケット』のコーナーでは、芝居には出演してなかったものの、さんがセーラー服を着こんで、怪しげなぶりっ子ぶりを見せながらも、得意の歌を披露してくれたり、青木君のマニアックすぎて誰も真似できない物真似を披露してくれたり(林さんの観察眼がどれだけ鋭いかを司会の2人が力説してましたね)、ホント大爆笑させていただきました。


曽世さんの「歌が上手いですよねえ」のお世辞にも、「ワタシが上手いんじゃなくて、これが普通なの。皆(→劇団員達)が下手なだけよ!」とごもっともなご意見(笑)が続きます。全くもって役者にしておくのがもったいないくらい、相変わらず素晴らしい毒舌ぶりでした。


『WHITE』からの「美・チャンス♪」は、たとえイベントの席であっても、なんだか泣きそうになってきます。ジュニ6、ジュニ7が参加した回を見ていて、今でも場面が強烈に蘇ることがある不思議な芝居です。関戸君か青木君だったかな、新人公演の前に2週間ほどウエストエンドに泊まりこみ、猛稽古をした時がとにかく辛かった、と思い返してました。どこにも出られなくて膨大な台詞と葛藤していたのでしょうが、そんな青春ぽい思い出がちょっと羨ましかったりしましたね。


荒木君の入団した頃の思い出話も強烈でした。朝一番に稽古場に入ったら、石飛さんがピアノの練習をしていたという話。「やべえ、幹部と一緒かよ。」と内心ドキドキしながら掃除をしていたら、突然ピアノをバーンと叩く音がして、「できな~いっ!」と放り出し去っていった石飛さんに目が点になったとか。もうその「できな~いっ!」の声がどこからか聞こえてくるようで客席大爆笑。稽古場でもあの石飛節は健在なんですね。。。


冨士君の入団したての頃の話も面白かったですね。劇団員自ら舞台セットを作ったりバラシをするのがスタジオライフの特徴ですが、それを知らずにいて道具を片手にどうしたらいいのか分からず、「あのう、これどうやって使うんですか」と大沼君に声をかけたら、「俺は大道具じゃねえ!」と一喝された、とか。やっぱり何も知らない入団したての頃のエピソードは、皆ピュアで真面目なだけに一層可笑しいものです。


石飛さんのソロ歌唱の時には、キティ&ダニエルのカップルダンスが麗しく、冷静に考えればとても妙な光景であるはずなのに、ちょっとウットリモードになってしまいました。トークの時も、精一杯の身振り手振りでめいっぱい応えるぬいぐるみを着た巨大キティちゃんに癒されました。その後は、自分の世界に入り込み、演じながら熱唱していた芳樹君。このお二方は、私も知らない昔の演目からそれぞれ曲を披露してくれました。なんか今のお耽美路線とは違う、ちょっと泥臭い空気を感じました。

【第二部:吉田君登場】


休憩時間というわけではないのですが、ちょっとした中継ぎの第二部には、すたすたと吉田君が舞台に立って、今回のイベントに参加できなかった人達からのメッセージ紹介や、河内主宰&倉田さんの挨拶(次回公演のお知らせなども有)など、特別司会をしてくれました。


以前よりやや肉が落ちて精悍な顔立ちになってましたし、なかなかしっかりした司会を見せてくれる一方で、外部公演直前でイベント参加できなかったもののシアターに駆けつけてくれた船戸さんへの容赦の無い鋭いツッコミなど、さすがは劇団員あがりという一面を見せてくれて嬉しかったです。例えば、船戸さん出演の外部公演の宣伝をした後の2人の会話↓

 吉田「時間があまりないので、もうそろそろ帰って下さい」
 船戸「えっ?もうなの?!」
 吉田「(目を見つめてキッパリと)ハイ。時間がないんです。」


ただ吉田君が参加した演目も沢山あっただけに、今回だけでも劇団員達と一緒に参加してくれたら・・・と、またもや諦めの悪い思いを抱いて切なくなっておりました。イベントの合間に事務的なことを吉田君に直接聞いたりできて、一瞬ときめいたものの、やっぱり「いつまでも(また役者で戻ってくるのを)待ってます。」とは言えませんでした。


館内でも、いろいろな準備や確認があるのか、吉田君は身軽に一人で歩いていて、これからは舞台があるたびにこういう”裏方”の彼を見慣れていくのだろうなあ、と思いながら、やっぱり切ない思いは変わらず・・・。


余談ですが、吉田君の最近のインタビュー(劇団紹介)が「なかの区報」に掲載されたことを、ブログを通して教えていただきました。1頁まるまる吉田君のコメントで、長らく彼を見てきたけれど、役者を目指したきっかけとか初めて知ることができて嬉しかったです。その中でも、「夏の夜の夢」の時の写真についた「役者だった頃の吉田さん」という紹介が大層痛かったです。一体、この吉田隆太後遺症からはいつになったら解放されるのでしょう。

・吉田隆太インタビュー:2011年1月20日号(過去の一覧:2010年度より入れます)

→ 裏表紙「第13回 中野のちから」というPDFファイルです。110120_p16.pdf 直

【第三部:華やかなスタジオライフのレビュー】


あっと驚いたのは第三部。まさかの宝塚ばりの派手な衣装でショータイム。これは、吉田君の企画だった(?)らしく、歌&ダンスの披露が決まってから、あまりの稽古の大変さに劇団員から文句が出た、といわれただけあって、孫にも衣装(笑)なのはもちろんですが、踊りもなかなか見られるものになっていて驚きました。まさかライフがここまでやれるとは!!そして、さすが”お綺麗系”を売りにしているだけあって、ヅカ名物の派手な化粧なしにスパンコールがこれほど似合う男性集団も珍しい。


あげくに、及川・松本・三上という娘役トリオ(笑)が純白のドレスを着てヒラヒラ踊り、大階段の上で、山本・岩崎・曽世の男チームと、いちゃいちゃカップルぶりを見せ付けてました。さすがに普段、芝居でやり慣れているせいか、こういうときに照れが全く見えず、「よくもまあ、あなた達はそこまでいちゃつけるものだわねえ。」とジェラシーを覚えるほど。いや、そういうシチュエーションを平気で当たり前に見ているライファーの自分達のほうが数段怖いか。


それにしても今回のイベントは、あまりに楽しくて、昼のみ観覧だったのを、キャンセル待ちで夜も見てしまいました。夜の部では、舞台入口で出番を待つオバ天・石飛さんと鉢合わせして、幸せそうにキティグッズをいっぱい付けながらルンルンしているオバサマ口調の石飛さんとちょこっと言葉を交わしたのが良い思い出でした。それにしても、子供の頃からキティを愛用する男の子がこの世にいること自体、とても不思議な気分になりました。頭で理解は出来ても、やっぱり不思議でしたねえ。


イベント参加記念にいただいたサンリオピューロランドの招待券は、無駄なく友人に渡しました。私自身もこんなことがなければ、一生足を踏み入れなかっただろうと思いましたが、今回、「最もピューロランドの客層にはふさわしくない?」と思われる、ライファー*1がクリスマス時期にこれだけ多く集まったのを見て、ピューロランド側の集客にもちょっとは役立ったのかな、なんて気になりました。

*1:普段、懸命に働いて観劇に注ぎ込む独身層が多い、と思われる。