雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

2011フィギュアスケート世界選手権(女子)

集中して見てしまった女子フィギュア。もっと気楽に見たかったのですが、始まってみるとやはりいつの間にか入れ込んでしまって・・・。さて、落ち着いたところで、私なりに簡単にまとめようかと思います。一部は、あくまで推測と憶測で書いておりますので、読まれた方は適当に流しちゃって下さい(笑)。


今大会、日本開催がロシア開催になったことで、少しキワドイかも、と思っていたことがありました。まず優勝候補の筆頭は、男子はパトリック・チャン、女子はキムヨナ。理由は、本人の実力以上に、審査員の「ごひいき」が激しい選手達だから。何か特別のことがない限り、2人の優勝はほぼ”お約束”だった、と思います。


地元日本での開催、というアドバンテージが無くなれば一層、ことは”シナリオ通り”に運びそうな予感。パトリック・チャンについては、もともと高い得点が約束された上に文句無しの演技で、付け入る隙を与えませんでした。キムヨナについても、SPの段階で(どう考えても安藤美姫選手が1位でしかるべきのところが)加点を融通されて1位になりました。


フリーでトリプルジャンプがシングルになるミスを2回繰り返したところで、ミスの少なかった安藤選手の逃げ切りに。結果良ければ全て良し、ではありませんが、日本のフィギュアファンはホッと一息といったところです。しかし、たとえそうだとしてもキム選手の不当に高い得点を見て、本来なら銅メダルを受けるべきだったレオノワが気の毒になってしまいました。


キムヨナ選手のスケート、邪心を除いて見ても全く精彩に欠けたスケーティングで、五輪シーズンの1年に見せた覇気や迫力も微塵も感じさせませんでした。最終グループの6人の中で最も印象の薄い演技。TVを見ていた友人達も「そんなに上手かった?」と疑問符がつくメールが飛んできたほどです。実は、キムヨナのスピンの採点では、スピンの名手であるアリッサ・シズニーすらも上回る摩訶不思議な加点があったとか。「それはありえないでしょ」とアメリカのファンもBBSで憤っておりました。


キムヨナ目当ての本国のファンには、1年ぶりの登場で胸躍ったかもしれませんが、今年1年GPシリーズから出場して頑張っている他の国の選手達に比べると、試合ではなくてただのゲストかな、と思うほど。むしろ五輪で金メダルを取ってもう国際試合には何の未練もなく、「いい加減、自由にさせてよ」という雰囲気を感じてしまいます。今後は、韓国での冬季五輪招聘のために活動するそうで、来季のGPシリーズは出場せず、とか。


もしかすると、また今回のようにシーズン最後の世界選手権だけは、ゲスト気分?で参加、という、他の選手達にとっては、この上なく迷惑な出場方法を取る可能性もあります。後継者も少なく、いつまでも自国の都合*1に振り回されて、出たくも無い試合に出続けなきゃならないのも気の毒ではありますが、かといって彼女の存在によって、他の全ての選手の採点や順位がぐちゃぐちゃになるのは、本当に我慢なりません。


裏でどれだけISUの役員が暗躍?していようと、ほとんど試合をサボってるような選手が、今後も引き続き実力以上にもち上げられ続けるとは思えません。ロシアの怪物ジュニアも控えてますし、2年後のソチ五輪もあるため、これからの力関係は、ロシアに流れていくと思いますから。よってキムヨナにとって最も賢い選択は、引退して「五輪チャンピオン」という遺産を最大限に利用して食べていくこと。


しかしここ数年は、引退を名言せずに適当に試合に出るかも出ないかも、という状態でもたせていくこともありえるでしょうね。せめて試合の前では、たとえ元チャンピオンだろうと、他の選手達と同じ”普通の選手”を自覚してくれたらいいのですが、それは望むべきもないのでしょうね。


3位に入ったコストナー選手は、見事でした。結構、崩れることの多い選手ですが、それでも大事な大会は3位を手堅くとってしまう、コストナーはホント”いぶし銀”のようなスケーターですね(笑)。でも、今回はシズニーに表彰台に上がって欲しかったなあ。苦労してきて、なかなか結果を出せずにいた選手ですし、あの高速スピンやスパイラルが抜群に素晴らしいので。はにかんだ微笑みも魅力的で、まさに”夢のように美しいスケーター”という感じです。

【日本女子選手の印象】


前置きが長くなってしまいましたが、日本選手の印象も書きます。4年ぶり優勝した安藤選手については、見違えるほど立派になったなあ、と感心しました。試合の前から、彼女が震災のことで本当に胸を痛め、その思いをちゃんとスケートに投影して、全身全霊をかけて滑っていたことが伝わってきました。SPの「ミッション」は今まで見た中で一番好きな演技でしたが、かなり感動して涙がこぼれました。


ちょっと前までは、無表情で滑ることの多かった安藤選手が、輝くような微笑みを見せて滑っていたことも驚きでしたし、やっぱり本当に心がこもっているとスケートも違うオーラに包まれるものですね。圧巻は、EXで見せた「モーツァルトのレクイエム」。五輪シーズンのSPでも披露していたもので、彼女が幼い頃、亡くなったお父さんに捧げた曲ですが、被災者に向けての励ましの舞にもなりました。 


その情感たっぷりの演技には震えるほど感動しました。オープニングもフィナーレもロシアでは日本に向けて感動的なメッセージを込めて作り上げてくれたようです。安藤選手がそのリンクで金メダリストとして滑ったことは、まるでアイスショーのプログラムの見せ場のような錯覚を覚えてしまいました。


これからは、日本選手全員がチャリティに頑張ってくれるそうですし、また次期シーズンは新たな魅力を見せてくれると嬉しいです。


真央ちゃんについては、とにかく棒っきれのように痩せてしまったことが心配でした。衝撃的だったSPの衣装なんて、デザインもさることながら、もう胸の凹凸すらなくて、見たとき驚愕ものでした。震災の影響も少なからずあったようで、「今スケートをしていてもいいのだろうか。」と思い悩んだりしていたそうですね。彼女のように、普段から弱音を吐かない、愚痴を言わない、完璧主義者で努力家で・・・なんていう人は心を病んでしまう危険性も無きにしも非ず。


そろそろ本気でメンタル面でのトレーナーなどをしっかりつけておいたほうがいいんじゃないかな、と思ってしまいます。佐藤コーチは、スケートのことは教えられるけれども、さすがに”心の問題”には踏み込めないでしょうから。真央ちゃんは、本当にジャンプが跳べるようになったら何もかも良くなるんでしょうか。安藤選手が苦しみながらも体得してきたような個性なり表現力を持たないと、もうテクニカルな部分だけでは1位は難しくなってくるんじゃないか、と思ってしまいます。


極端な話、1位であり続けるよりももっとハートをグッと掴まれるような感動的な演技が見たい、というのが真央ちゃんについて思うこと。いずれにしてもジャンプが決まるようになってから、になるでしょうが。


村上佳菜子選手については、SPがあまりにガチガチで「自由にノビノビと」という村上選手の強みが全く生かされてなかったので、あの順位は仕方がないかと思います。FSでは、ふっきれて思い切り滑っているのが分かったので、よしよし、と思いながら見てました。


スケートが楽しくて仕方がない、優勝争いするような試合にはあんまり・・・という欲がなかった昔の彼女から、大きな試合の怖さを知って実力が発揮できない悔しさも知って、と得るものはものすごく大きかったでしょうね。何事もまた来年に繋がるでしょう。私は最近、佳菜子ちゃんよりもジュニアの庄司理紗選手が気になる存在なので、二人が試合で勝負するような時代が早く来て欲しいかも。


あ、でも鈴木明子選手も忘れてはいけないので、女子は好みの選手が多くて困るなあ〜。まあ、みんな実力あるから、誰が代表でもいいや(笑)。

*1:キムヨナが出なければ、韓国の出場枠が無くなってしまうため。