雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

2014『トーマの心臓』観劇記(2)

これでいいのか、エーリク!(若手キャスト編)

先週末の観劇から、軽い「トーマ病」を勃発し、はや5日。ようやく普通の生活に戻りつつありますが、落ち着いたところで疲労もどっと出て眠いったらありゃしない。いよいよ梅雨も始まって「先週のあの真夏日はなんだったのだろうか?」と思ったり。


忘れないうちにキャスト考を書いておかねばなりませんね。初回の観劇でRチームを見たのですが、歴代キャストの中でも見慣れない”お初/役替わりキャスト”が揃っていた組だったので、その衝撃は大変なものでした。もう幕が開いてからずっと、とてつもない違和感と同時に、良くも悪くも新鮮で不思議な空気感に気圧されて見てました。


まずは、若手中心に感想を書いてみたいと思いますが、エーリクに関しては、最初から容赦無しの辛口です。でも、わざわざ貶したいというわけではありません。もともと役不足の彼らを選んだ方が悪い、というのは百も承知のこと。でも、それでも尚、そこは「トーマの心臓」という劇団代表作だから、言わずにはおれません。


まずは久保君。彼がエーリクと聞いた時から、「ものすごくミスキャストに思えるけど、劇団は彼の美貌と次代ホープ誕生の可能性に賭けてみたのか?」と思いました。で、蓋を明けてみたら「やっぱりダメだったか・・・。」と失望。全体的に、”熱い”松本ユーリと対照的に「不感症のエーリク」に見えてしまいました。


まあ、まだ本番が始まって2回目のエーリク役の彼にそこまでを望むのは酷だと思うのですが、演ずるどころか、まだ舞台に乗れる状態ではないな、と思ったのが正直なところで・・・。表情の乏しすぎるエーリクを前に、自分の想像力を最大限に補完して見ていた*1のですが、やっぱり無理だと諦め、途中からもう、エーリクの存在を消して見てました。


恵まれた容姿で確かに立ってるだけで綺麗な男の子、という感じの久保くん。まだテクニックがない分、計算の無い、無垢で純粋で朴訥とした魅力がある役者です。でも、それだけじゃあ、やっぱりエーリクは厳しい。背の高さもあって、他の役では得となることも、エーリク役にはマイナスポイントのオンパレード。


入団して2年目の今の段階なので、技術的なことより本来のシャイな自分の殻を破ってユーリにぶつかっていって欲しかったです。もう幕は開いてしまったのだから、そこは割り切って。決して器用な子ではなさそうですが、これから舞台に立つ間に、少しでもトーマの空気の中で何かを掴んで、「己の心を解放して!」と願ってやみません。


Kチームの田中君のエーリク。こちらもまだまだ”エーリクというキャラクター”を完全に理解して演じているようには見えませんでした。ただ田中君の方が、周りの先輩達に必死に食らいついてる感が前面に出ていたかと思います。そして身軽さや男の子っぽさも備えている分、荒削りですが回数を重ねていけば自然とエーリクになっていくような希望の光が見えました。


私が見た回では、義父シュバルツ氏の登場以降、田中エーリクは次々と大先輩達の見事な演技に引き込まれて無防備に涙を流していました。それと同時にどんどん表情が輝いて、びっくりするくらい可愛らしくなり、登場した時とはまるで別人のように見えたのです。そこに私は、田中君の大きな可能性を感じました。


気が早いですが、もし次の再演があるとしたら、その時にはかなり良いエーリクを見せてくれるのではないかな?と。久保君についても、リベンジのチャンスはいくらでもありますしね。それにしても、劇団からのプッシュも良し悪しで、逆境で伸びる子もおりますが、逆に諦めて去る子もいるので、そこの見極めを気を付けて抜擢して欲しい、と思ってしまいますね。

【頑張りが見えた若手達も】


今回も5人組で好演していた千葉君(リーベ役)や宇佐見君(アンテ役)も、次の再演ではエーリクの有力候補ではないかな、と思うし、今回どうしても若手の中から”エーリクを選べ”というなら、実は彼らの方が適役ではなかったかな、と思ったりもするのですが、それはそれとして。


毎回、若手で構成されることの多い5人組は、2010年の時も好印象でしたが、今回も見どころ満載。特に、ヤングチーム(R&K)でイグーを演じたフレッシュの秋山遊楽*2が、かなり気に入りました。声も可愛らしく、舌足らずのようなたどたどしい台詞回しも母性本能をくすぐりました。更に細身で色白、儚さや可憐さもあるので、今後は娘役もできそうですし。何気にイグーを演じた役者は出世してますから、今後が楽しみです。


若手の中では、ベテラン風な藤波君のヘルベルトも役にピッタリ。彼にとってもこんなに適役があったのか、と驚きました。個人的には、富士君(休団中。2010年公演のヘルベルト役)のような少しコメディ要素があるヘルベルトが好きなんですけど、藤波君は班長としてやけに声の大きい(笑)、少々でしゃばりなヘルベルトをすいすいと演じてましたね。


最後は宇佐見アンテ。可愛いというよりも、ちょっと小憎らしくて学友達に嫌われてそうなアンテでした。意外とタフな感じにも見えるので、相手役はアニキ肌の岩崎オスカーのほうが似合っておりました。今私のイチオシの若手なので、アンテより、やっぱりエーリクで見たかったなあ・・・。


miyabi2013.hatenablog.com
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*1:むしろ、少しでも良い所はないか?と探りながら凝視してました。

*2:新人お披露目会に参加された方々のブログで、名前が判明しました。子供の頃からTVドラマや舞台経験もあるらしく、ナルホド、と納得。 すくすく育ってほしいな。