雅・処

好きなアイドル・俳優・映画・演劇などエンタメ一般やスポーツについて自由に語ります。

ドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」は宝物

暗い2020年に一筋の光

実はワタクシ、先月くらいまでちょっとだけ精神的に病んでました。なんか勢いで書いてたブログがあまりにも感情がとっちらかっててヤバかったので、削除したり。こりゃあ、ブログ書ける状態じゃないや、としばし放置してました。


春からのコロナ禍と芸能界の大事件の数々(事件・事故・自殺・引退等)、更にはご贔屓の劇団の公演は見に行けず、ご贔屓の役者のドラマは期待外れ・・・何もこんなにダメダメじゃなくてもいいじゃん、て感じ。


いつの間にか暗い影を引きずっていたようです。BLドラマ・映画だけは、そんな中で勇気づけられる作品が続出。邦画の「his」「窮鼠はチーズの夢を見る」も、なかなか良い作品で、ハマりはしなかったものの斬新で好感度の高い作品でした。


更には、タイBLブームの急襲。こんな形で海外からムーブメントが起こるとは思わず、ビックリです。日本のほうが老舗なはずなんですが、やはり社会的にゲイに開放的なお国柄というのは大きい。


更には、タイの経済的発展や若者文化の双方向性、平準化などが背景にあり、映像や音楽も遜色なくなってきている、というのも大きいです。「2gehter」とか見てると若い役者の演技力やドラマの構成力はそこまで完成されてませんが、他の面でもはや日本と差がある所が見つけられないという驚き。


そして世界中に熱烈なBLファンの下地があったればこそ、の状況です。制約の多い日本のエンタメ界で「おっさんずラブ」以降、少しずつ解禁されてきたような状況をすっかり飛び越えてしまってます。

救世主となったドラマ「チェリまほ」

そんな中、テレビ東京で現在放送されている(全12話で4話まで放映済)「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」、通称「チェリまほ」は、私にとって珠玉の宝物のようなドラマになりました。


BLコミックの原作については、全然知らないので、あくまでドラマからのスタートです。基本的にBL映像ファンですし、(やおいと呼ばれる前の)JUNE世代なのでBLコミックはほとんど読みません。ほんのたまに絵柄で選んで買うくらいですね。


BLドラマ・映画は黎明期からコンスタントに見てて、2年前の「おっさんずラブ」に狂ったOL民のはしくれではありますが、昨年でブームが終了したので、今は懐かしい思い出状態、もうすっかり前を向いてます。


「チェリまほ」は、放送開始前にTwitterでたまたま情報を知りましたが、テレビ東京が放送されない地域なのでリアル視聴はできず、TVerで少し遅れて鑑賞。幸い5日遅れでBS放送があるので、それを録画しています。


ストーリーはいたってシンプル。30歳で童貞の安達が、ある日触れた人の心を読める魔法が使えるようになり、有能な「同期」である黒沢、の自分に向ける秘めた恋心を知ってあたふたする、というラブコメディです。


非モテ」でコンプレックスの塊である安達と、有能・万能・誰からも信頼されるスーパー「モテ」黒沢の対比から始まり、少しずつ関係が近づいていく2人のドラマが見どころ。


主演の赤楚衛二君、町田啓太君は、初めて見る役者さんでした。二人とも中堅でキャリアはあるようで、見ていたドラマにも脇役で少し出てきたようですが、私的には「初めまして」な感じでした。


むしろ放映当初は、柘植役の浅香航大君とか、先輩役の鈴之助さん(田中圭君の親友)のほうを注目しておりました。


過度の期待をしないでラフに見ていたのですが、ドラマ自体がクスッと笑えて、キャラクターそれぞれの心情に丁寧で気持ちの良い作品だな、と思って何度も見るうちに中毒性がどんどん高まっていきました。


派手さはないけどとにかく誠実な作風も良いし、なんといっても主役の2人安達と黒沢のカップリング魅力がめちゃくちゃ素晴らしい。素は、充分カッコ良くて若い26歳の赤楚君が、さえない30歳のサラリーマンの安達役を好演してます。


赤楚君は、過去に仮面ライダーもやっていたようですね。イケイケキャラが多かったみたいですが、地味で自信なくて野暮ったい安達だけれど、細かい表情などがものすごくラブリーだったり憎めない表情がなかなかに巧い。


なんとトライストーンの若手俳優だったんですね、赤楚君。というと小栗君、綾野君、圭君のかなり下の後輩。実力派先輩達にも揉まれているのか、若いながらも地に足をつけて、ちゃんと着実に成長しているのかもしれません。


そして、私の目を釘付けにしている黒沢役の町田君。男の安達が思わず「眩しい」「モテを固めた男」と揶揄しながらも魅了されてしまう完全無双な黒沢をこれでもか、と体現してます。これが爽やかだけど嫌味がないという凄さ。


安達の一言一言に反応してフッと笑みがこぼれる時とか、クールで全く表情を崩さずに内心では妄想が暴走している様(笑)とか、いちいち巧すぎ。そして、彼の中にBL劇なのに全くもって照れや迷いがない、その演技の真っ直ぐさ、真剣さに脱帽です。


3話での安達へのキスシーンで見せる横顔のまあ、美しいことといったらない。そこだけ無声映画のような彫像のような美の巨人のような、もうガシっと心臓掴まれる美しさでした。また、受ける側の安達のガチガチの緊張感がまた可愛らしくてたまらない、前半の最大の盛り上がりシーンでした。


町田君は、劇団EXILE出身だということで、私にとってはヤカラっぽい(失礼)EXILE系にこんなキラキラ王子がいるとは夢にも思いませんでした。2年前のTBS「オールスター感謝祭」のアーチェリー合戦で優勝した人、と知ってなおのことビックリ。


このとき、田中圭君もアーチェリーに参加していて、おぼろげに覚えてましたが、町田君が的の中心の1000点をキメて優勝したんじゃないかな。「この俳優、誰?」という感じで全く注目してなかったのが今思うと残念無念。


こういっちゃなんですが、オーラがあまり感じられなかったんですよね。勉強不足で申し訳ないけれど、茶の間の多くも「誰?」な状態だったのではないか、と。昔の動画を見ると顔立ちも今よりもっと頬がこけていたり、髪を自然に流したりしてると別人みたい。


黒沢のあの外見が完璧だから、他の役を演じたらどうなるか分かりませんが、髪型一つで雰囲気がガラッと変わる俳優のようなので、これからキャリアを重ねていくと地道にステップアップするんじゃないでしょうか。


写真で見た時は、「私の好みの顔立ちではないな」と思っていたのですが、彼は角度によって、昔のアンディ・ラウ(香港四天王)、ニッキーウー(台湾四小天王)、日本なら滝沢秀明君、馬場竜馬君とかにも一瞬似てる、と思ったので、そんな先入観は役に立たない、と思い知らされました。


まあ、単純に私が黒沢ファンなだけ(笑)です。これからズブズブにハマっていきそうなヤバい予感。チェリまほが終わるころには大変なことになってそうな。うーん、でもまだ分かりませんね、取り合えず写真集予約しました、てところです。


さてドラマに戻りましょう。今回、テレビ東京の底力を感じました。「きのう何食べた?」も確かに丁寧なドラマでした。脇役たちまで魅力的なので、配役もちゃんと選んでるし、奇をてらわず、丁寧で落ち着いた演出、それでいてポップ。


20分ちょっとの短い時間に無駄が一つもなくて、間延びしそうなシーンをテンポが良くさばいていて、かといって雑じゃない。特に、黒沢の熱い想い(愛)を聞いて魂が震える安達の表情を捉えるカメラワーク、的確なスローモーション。技術だけでも半端ない。


安達役の赤楚君、黒沢役の町田君が、BLドラマに対してイロモノ扱いしていないのも伝わってきます。「やってやるぞ」みたいな妙な野心(?)やあざとさがなく、ひたすら純粋に役を生きてるのが伝わってくるので安心して集中できます。

海外でもすでに話題

今BLで世界を席巻しているタイのファンも先祖返りというか、この小さな日本のドラマに注目が集まっているようです。トレンド入りしたり、タイファンからの熱いメッセージがTwitterにいっぱい書き込まれています。


台湾・香港などの中華圏でも、10点満点のドラマランキングで9.3点をつけて「半沢直樹」(9.4点)のすぐ下についた、と驚きを持って紹介されてました。題材は目新しいものではないけれど、主演の2人のカップリングの魅力が最高レベル、という評価のようです。


見た目だけじゃなく、日本らしい独特なテーマや繊細な演出にも高い評価がありました。いつの世もドラマの魅力は、多くの視聴者が見つけていくものですね。一週間ずつに20分程度というスローな公開なので、海外ファンは待ちきれない、と少しヤキモキしてるようです。


海外は週に複数回放映されたり何度も再放送があったり、集中的に放映されることが多いし、1話あたりの時間も40分以上。コロナ禍もあり、制作費を削られている日本はこれから30分ドラマがどんどん増えてきそうですし、一般ドラマも話数がどんどん減ってる。


日本ドラマが輸入しづらいのは、こういうところも大きいようです。20話とか、日本だともう長すぎて見続けるのもシンドイ領域ですけど、海外では長編こそが主流なので、同じ土俵にも立てていない。


また、タイBLドラマがここまで世界的に成功したのは、著作権よりYouTubeなどでの自由な公開を優先したからこそ。この点でも、融通の利かない日本の芸能界は自分で自分の首を絞めてます。どうせMVのように、無料公開なんて時間の問題じゃないかな。


もちろん、ビジネスに拘るのも大事なのでしょうけど、そんな頭の固いことを言ってたら、他のアジアの国に一気に抜き去られてしまいます。日本人は、ずっと自国の安い制作費で変化の少ないコンビニエンスドラマを見続けるのか、て話。


世界的にも「BL」は最近のブームなので、無名で素人あがりの若い綺麗なお兄さんが多いジャンルという感じは否めません。日本の10年前もまさにそんな感じで、実のところ、かなり映画作品は作られてましたが、キャスティングに凝りたくても事務所的にNGと断られることが多かったようです。


勿論、綺麗なお兄さんにトキメク女性達は、充分に織り込み済みの要素ですからこの傾向は続くでしょうが、やっぱり没入度は落ちてきます。それなりのカップリングや演技力、脚本や演出が無ければ一過性のブームに終わり、そう簡単に成功しないでしょう。


miyabi2013.hatenablog.com


おっさんずラブ」の大成功は、まさに無欲の勝利ですが、ドラマとしての斬新さと完成度の高さも大きかったと思います。実力派俳優を集めてちゃんと丁寧に面白いドラマを作った、だからこそあれだけの大ブームを起こしたのです。


おっさんずラブ以降は、BL作品というだけで一定の注目を集められるだけにそれはそれでやりづらい部分もあるんだと思います。LGBTQ的に社会的な差別や偏見とも隣り合わせなので神経使いますし。


制作側やキャストが、まだまだ「BLを超えた純愛」というキャッチフレーズに拘るのも、実は根深い「BL=イロモノ」としての偏見があるのは気になるところです。私に言わせれば、そのフレーズって逆にBLに失礼だよね、てことで。


作り手が深いところでどこまで理解しているかは分かりませんが、「チェリまほ」のキャストや製作スタッフには、地道に良いドラマを作ってもらいたいです。このドラマ、最終回に向けて、本物のマジックが起こる予感がしています。


そしてそれが世界規模で爆発することを望んで、一回一回を大切に見続けていきたいと思います。

@deepsquad_official

グラユラチャレンジ!!黒沢役の町田さんと一緒に🙇‍♂️🙇‍♂️#グラユラダンス #goodloveyourlove #チェリまほ#cherrymagic #DEEPSQUAD#宇原雄飛 #町田啓太 #劇団EXILE#グラユラ#グラユラチャレンジ

♬ Good Love Your Love (1サビver.) - DEEP SQUAD


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