雅・処

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「チェリまほ THE MOVIE」感想(前編) ネタバレ含む

大団円で完結、サヨナラ!チェリまほよ

4/8にとうとう公開された「チェリまほ THE MOVIE」。公開初日開けに見たほういいか?とも思ったのですが、いきなり風邪ひいて微熱状態。結局は、昨日の仕事帰りに見てきました。※以下、ネタバレ満載、辛口❓です。


正直、身体も今ガタついてるし、ちょっとばかし忙しい時期だったりで疲労感はありましたが、眠気にも襲われずしっかり鑑賞できました。むしろ、久しぶりにすごい集中力で見ていたので、終わってからどっと疲れました。


「いやさ、これ100分って嘘でしょ、長いよ~」ってのが正直な感想でした。チェリまほの世界にドップリすぎて、チェリまほ民だったら「マジ尊い」と大絶賛だったかもしれませんが、普通に映画として見て、長い、と感じてしまったということは・・・💦


今回、私はこの映画に関しての前知識はほぼゼロに拘りました。予告(劇場予告のみ避けられず1回だけ)、あらすじ紹介、番宣、出演者インタビューもイベントも全て回避して純粋に「映画として」見ることに徹しました。


映画の噂が流れた頃にちょっとだけ文字として目にしてしまった「魔法が戻る」「長崎への転勤話」ということだけは頭に入ってしまいましたが、その他はネタバレ無しで臨みました。


この情報化社会にだいぶ無駄な抵抗してますが(苦笑)、だからこそ裏方の苦労とか感動エピソードに左右されない率直な感想が言えるから、というのもありますし、あのトンデモ最終回の挽回をどうつけてくれるか、というシビアな視点もありましたね。

安達と黒沢の本気度はすさまじかった

まずは、真っ先に感じた点はこれ。この映画の最大の見どころは、赤楚君演じる安達と町田君演じる黒沢のドラマ復元度100%の演技に拍手喝采、心から脱帽です。


もうそこだけは最大のストロングポイントでした。勿論、評判になった”本人”が演じた役どころですから、役者だものうまくできて当然かもしれません。共演者達も若干の髪型の違いはありつつも皆さん、ドラマそのままに現れました。


しかしドラマ完成後、実に1年半ほど期間が空いた作品で、かつ今回は安達の魔法を生かすために、時間軸を(童貞を捨てる)最終回より前に戻す、という掟破りの力(ちから)ワザを入れてます。


合間に赤楚君も町田君も数々のドラマや映画の出演作あり、「SUPER RICH」での共演あり、と私自身も少なからず見てきてるので、まさかアノ安達と黒沢がそのままに再現されるとは夢にも思いませんでした。


というか期待以上ですね。映画を観てるうちは、彼らの他の作品は全て脳裏から消え去りました。安達のことを一途にそして一番に想う黒沢、私の好きだった黒沢にまた会えた、という満足感と喜びに浸りました。


もっさいヘアスタイルでどこか自信なさげな安達も完璧です。飛ぶ鳥を落とす勢いの人気俳優の微塵も感じさせません。あまりにブランクを感じさせない演技の作り込みに「すげーな、この2人」と何度も感嘆しながら見てました。

ドラマの反省点を映画でやり直し

次に感じたのは、先ほどのストーリー巻き戻しの手法ですね。さすがに安達が交通事故にあって記憶が戻り魔法使い復活・・・みたいな(あれ?どっかで聞いたような)流れではなく、最終回の(一部ファンに)めちゃくちゃ評判悪かったエレベーターシーンの前から巻き戻す。


プロデューサーや監督との間で相当に練ったのではないでしょうか。ドラマは最後の最後にまるでとってつけたようなラブシーンで終わったこと、私もブログでけちょんけちょんに書きました💦が、恐らく視聴者から相当の批判があったのは想像に難くありません。


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なので、魔法を残したまま安達の転勤話とも絡めて、2人の仲が深まる様を映画でちゃんと描きだそうとしたのだと思います。確かに映画版でこの丁寧な描写が入ることで2人の愛をもっと可視化できたのは良かったのでしょう。


そもそも本来は、ドラマで描くべき内容ではあったのですが・・・(鬼👹)。


とはいえ、転勤話のくだりも安達はなんかまだ自信なさげで努力が空廻ってる感じで、ドラマの10話あたりを繰り返してる感じもあってややデジャブはありましたね。


チェリまほは、「ドラマ版前半7話分+このTHE MOVIE」で締めれば良かったんじゃないかな、と今更思ったりしました。それだけ映画版は、作り手が知恵を絞っていかに真摯に誠実に作品を再構築しようと努力したことが分かる出来ではあったのです。


わざわざリベンジしないで、ドラマ版のダメダメなラストを見ないフリして、すっ飛ばして逃げても良かったわけですから。純粋にファンのことを思って、のストーリー展開だったのでしょうね。


さてドラマで丸ごとカットされて阿鼻叫喚だったファーストキスシーン、映画版でリベンジされておりました。ちゃんとその場面を生かすような物語設定も綿密に詰め込んでおりました。


もっともあることにはあるのですが、描写としてはこれはドラマをなぞった感じですね。肩越しに触れたように見える・・・というギリギリの線。あのどこぞへの忖度?誰得?悪趣味な(唇を合わせていない)キスシーンを踏襲した形でした。


これは映画で写実的にキスを描いてしまうとドラマとの整合が取れなくなるから、という新しい忖度なのだ、と受け止めました。今更、赤楚君にせよ町田君にせよ、やらないとかできないという理由はないでしょう。


別に濃厚なキスシーンが見たいわけじゃないのですが、そこだけ表現をぼかすことになんの映像的&心情的メリットがあるのか、私にはサッパリ分かりません。ま、何かしらの拘りなんでしょう(ひたすらダサいけど)。


とはいえ、これは想定内でした。もはや大多数のチェリまほファンは肉体的接触に期待はしてないでしょう。どう見てもBLなんだけどBLなんかじゃないと妙に事実を誤魔化して「真面目な男同士のおとぎ話ラブストーリー」というテイにしたいのかなって。


※いやはや、まさか寝床での白Tシャツまで復元してくださらなくてもいいとは思いましたが・・・(スタッフの遊び心でしょうか。いやあ、ただのイケズやん🤣)


確かに映画版の安達と黒沢は、以前よりもグッとお互いへの強い愛と信頼を抱いています。若干、重いんじゃないの❓と不安視してしまうほどです。

正直言って、後半重かったです

だからこそ、ラストは家族への紹介だの、結婚式だの、指輪交換だの、なかなかに人生の節目なことが出てくるわけで、比重的にはコッチのほうがよほどファンタジーとかオブラートに包みたくなる部分ではないかと。


なんだか作り手が見せたいというシーンと、自分が見たいシーンとが噛み合わないな、と感じたのはこの辺りが一番大きかったです。そこは、感想の後編でもうちょっと突っ込んで触れたいと思います。


たぶん私が著しく疲労感に襲われたのは、現実世界でやたらとハードル高い部分が続いたせいもありますね。真剣で真面目で逃げ場のないシーンが続いてしまって、なんか同性カップルのシリアスな現実を見せられてないか、って。


人それぞれ好きな世界観は違いますから、これが見たい!って思ってるファンもいるのでしょうが、少なくとも自分はそうじゃなかったな。映画が終わって、「この映画、なんかしんどい。見るのは1回でいいや」と早々と白旗上げました。


ブルーレイ買って、数年後に思い出したように見返す、くらいで丁度いいかな。これから俳優やスタッフのインタビューとか聞いたら、またちょっと感じ方は変わるかもしれませんが、あくまで映画単体としての価値は(直感で)そんな感じでした。


同じような出来事があっても、原作(Twitterの連載を軽く見ている程度ですが)は、すごく軽やかで自然で面白い描写が溢れています。どうして真逆の方向性にいってしまったんでしょうか?


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